銀の守護聖 
別世界・もう一つの物語
 

 

異なる2つの空間にそれぞれの宇宙があった。

1つは金髪の女王、アンジェリーク・リモージュが統べる宇宙。
そして、もう1つは、それより後にできたまだ生まれたての、茶色の髪の女王、アンジェリーク・コレットが統べる宇宙。

その宇宙にはそれぞれ、そこにある星々と異なった時の流れの中に『聖地』と呼ばれるところがあった。

そこから女王は、9人の守護聖(光、闇、地、水、炎、風、緑、夢、鋼)の持つ星を息づかせる力、サクリアをバランスより駆使し、宇宙を守り正しく導いていた。

星々は、女王の愛の御手の中、それぞれの歴史を刻んでいく。そこに息づく生命の様々なドラマと共に。

ただ、女王コレットの聖地には、宇宙が生まれたばかりで、まだ若く、その為守護聖は未だ存在していなかった。が、リモージュの宇宙同様、女王の加護の元、平和な時が流れていた。

 その絶対無比の女王の愛(力)に守られ、永遠に平和が続くと思われたある日、謎の大陸の出現と共に2つの聖地の主だった者が全員そこへ謎の白い霧により召還されてしまう。後日『アルカディア事件』と名付けられたその事件は未解決のまま終わっていた。

このお話は、ヒロインと炎の守護聖オスカーとの時を越えたラブロマンスです。

でも、ヒロインは、女王でも女王候補でもなく、彼女は守護聖。
闇の守護聖、クラヴィスの代わりにその座についた一人の少女の物語です。


 ◆ 銀の守護聖 本編 ◆
(1)クラヴィス出奔 突然闇の守護聖クラヴィスが聖地から姿を消した。
闇のサクリアはどうなる?宇宙は?守護聖らに衝撃が走る
(2)新たなる闇の守護聖 「オスカー様なんかに迎えになんて行かせて大丈夫だったのか?」
新しい闇の守護聖は、少女だった。
(3)思いもかけない自信喪失 「それは守護聖としても認めていないということでしょうか?」
いつもの調子がでない。・・・プレイボーイの面子は砕け散った   
(4)お茶会は一騒動? 新しい闇の守護聖、セクァヌを迎えて初めてのお茶会
「陽の光が苦手って・・・それじゃ吸血鬼かなんかじゃ・・・?」
(5)闇を駈ける銀の鷹 月の光を受けて銀色に輝くセクァヌの瞳は、まるで獲物を狙った急降下する鷹のようだった。思っても見なかったセクァヌの一面、その激しさにオスカーは惹かれる
(6)もぎとられた幸せ 「族長?あの歳で一族を導き国を興した?」
セクァヌの思いもかけなかった過去。それを聞いてオスカーは愕然とする
(7)ゼフェル噴火 闇のサクリアを持つが故に愛する人と別れさせられ、聖地へ連れてこられた・・
セクァヌの気持ちを思い、守護聖らは沈む
(8)たぎる激情 軽く剣の手合わせをするつもりだったオスカー。が、セクァヌの闘心に、いつのまにかそれは真剣勝負となっていた
(9)赤い炎、銀の炎 陽の光を受け、黄金色に輝くセクァヌの髪と瞳、そして全身から飛び散る汗さえも陽の光をはじき黄金色に光る。息を飲んで彼女を見つめる守護聖ら
(10)人を殺める剣 「私の剣は人を殺める剣です。」気迫の違いに感心したランディーにもらしたセクァヌの言葉。「戦いの終了は、どちらかが倒れるということ・・・」
(11)開いた心の扉 「意地悪だわ、オスカー様!」
オスカーの胸でセクァヌは激しく泣き続けた    
(12)ジュリアスの策略(?) オスカーがとある惑星の調査で不在の土の曜日、セクァヌを遠乗りに誘ったのは、首座にして光の守護聖ジュリアス。ジュリアスと行った丘でセクァヌはついアレクシードを思い出していた。そして、それを知ったオスカーは・・・
(13)再会と決別・戦士アレクシード 聖地で迎えるセクァヌの18回目の誕生日。祝いたくても誰しも口にできなかった。
が、謁見の間、全員が集まっていたところに、セクァヌの恋人だったアレクシードが姿を現す。歴戦の勇者と呼ぶにふさわしい男、アレクシード。そして、決別・・・
(14)闇のサクリア喪失 お互いを確認しあった2人を待っていたのは、サクリアの喪失。
守護聖でなくなったセクァヌは、そしてオスカーは・・・・
(15)束の間の再会 奇跡ともいうべき幸運と女王アンジェリークの計らいで、幸せになれるはずだった・・・が、セクァヌは厳しく険しい道を選んでいた
(16)今度こそ離さない(完) ようやく見つけだしたセクァヌの生まれ変わり・・オスカーはぐっと抱きしめて囁く
「今度こそ二度と離さない。」
 ◆ 銀の守護聖 Epilogue ◆
(1) 夢見の石 生まれ変わったセクァヌをその腕に抱いて聖地へ戻ったオスカー
2人を祝し、女王アンジェリークは、思いもかけないプレゼントを授ける
(2) 銀の飛翔、再び 新しい肉体に宿った2つの記憶。生まれ変わる前のセクァヌの記憶と生まれ変わってからの記憶は難なく融合し、息子、ジフィードとも無事対面する。
再び聖地の森に舞い戻る銀の飛翔。その傍らにはオスカーの熱い視線があった
(3) 恋敵(?)は息子 「かあさまに近づくな!」
自分の息子、通称ちびオスカー(命名ゼフェル)に完全に敵視されセクァヌに近づけないオスカー
(4) 確かな心...
   続・恋敵(?)は息子
朝、ジフィードはセクァヌとオスカーの剣を交えての真剣な眼差しを目にする。
子供心にもそこに確かなものを感じ、そして無意識に剣を掴み駆けつける。
「とうさま!ぼくもお願いします!」
読んでくださり、本当にありがとうございます。m(_ _)m
まだおまけ話ネタなどがあるので、ゆっくり書いていく予定です。
引き続きよろしくお願いします。

 ◆ 銀の守護聖 こぼれ話 ◆ *セクァヌがオスカーと恋人同士になる前の話。
(1)第3日の曜日の乙女たち 「セクァヌがいれば大丈夫よね。」女王アンジェリークの提案に、ロザリアもセクァヌもびっくり仰天。「一旦言い出したら聞くしかないわ。」ため息混じりのロザリアと共に一緒に出かけるセクァヌ。それは知らなかった女の子の世界。
 
◆『銀の守護聖』のセクァヌの生い立ちのお話 【銀の鷹】◆
***セクァヌが闇の守護聖となる前のお話です***
(この『銀の守護聖』本編を書き終わってから書いた『国興しファンタジックラブロマンス』)

オリジナルストーリーコーナーにありますので、よろしければお読み下さいませ。


**Pre-Story**

 アルカディアの事件の後、闇の守護聖クラヴィスは眠れぬ毎日を送っていた。
新宇宙の女王、茶色の髪のアンジェリークの育成は間に合わず、アルカディアに封印されたものを目覚めさせることはできなかった。謎は何一つ解けなかったが、それでも、住民も含め、そこにいた人間は無事脱出できた。
できたが・・・・そこでの百数日の間、クラヴィスとアンジェリークは、お互い恋に落ちていた。
いや、もしかしたら、その前に、アンジェリークの女王試験の時にそうだったのかもしれなかった。が、アンジェリークは新宇宙の女王となり、クラヴィスは現宇宙の守護聖。どうしようもない立場と叶うはずもないと思う心が、二人に想いをうち明けることをためらわせ、そのまま別れが来ただけにすぎなかったのかもしれない。
とにかく・・・アルカディアでの再会とそこでのふれあいが確かな物になったことは確かだった。が、またしても時は残酷に2人を引き裂いたのだが、今回は多少違っていた。お互いの気持ちはしっかりと通じていた。確かな想いが2人の間にあった。

「アンジェ・・・悔やまれてならぬ。なぜ一人で行かせてしまったのか・・・。あの時・・次元扉をくぐるそなたの後ろ姿を見たとき・・・その小さな後ろ姿を見たとき、抱きしめてそのまま一緒に行ってしまおうか・・・そう思ったはずなのに・・・・私は・・・気がつくとここに帰って来てしまっていた。謎を解くことが出来なかった自分を責めてはいないだろうか?そなたのことだけが気がかりだ。・・・だが、私は闇の守護聖、私がいなくなれば闇のサクリアがなくなる。そして、1つのサクリアの消滅は全体の均衡を崩し、ひいてはこの宇宙の・・・。」
ふ〜〜・・・・、クラヴィスは何度目かのため息をつくと見つめていた空から目を離す。
「アンジェ・・・ようやく見つけた私の安らぎ。私を導く希望の光。・・・そなたの傍におらぬ私は・・私ではない。」

「クラヴィス様、女王陛下がお召しです。」
「女王陛下が?こんな時間に?」
クラヴィスはゆっくりとバルコニーを離れた。


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