『太陽神ラーゼスが世を嘆き、全てを無に帰さんとせし時、
  その武具、闇に染まりし者の手に移らん。
  世界は、白龍から黒龍の手に落ち、人の世は、ここに終わらん。』

「ひ、姫巫女様・・?!・・そ、それは?」
月神殿の奥まった祭室、瞑想中の姫巫女から漏れた言葉・・
それは、明らかに人の世の終焉を語っていた。
ただ1人傍に控えていた、魔技であり姫巫女の乳母でもあるロアノは、己の耳を疑い目を見張る。
・・・そして、悟った。それが避けることができえないものであろうということを。

 数日後、月の女神ディーゼに仕える最後の姫巫女であった彼女が、ひっそりとその息を引き取る。
もはやこの世界の創世神である太陽神ラーゼスと月神ディーゼは、人々から忘れ去られようとしていた。
 参拝する信者が途絶えてから久しく、他に仕えるべき巫女もいなくなっていたディーゼ神殿。
姫巫女の乳母ロアノは、ただ1人で埋葬を終えると、一族の先祖が今の地へ移り住む前の、廃墟と化した住居跡へと足を向ける。
姫巫女への最後の務めを果たすために・・・。


 
 ◆■◆INDEX◆■◆ 

その1・描いていた世界へ その2・ニーグ村
その3・出発前夜 その4・巨大スライム
その5・ブルースライム、ララ その6・銀髪の魔導士
その7・襲い来る守護獣 その8・女神ディーゼの加護
その9・危険がいっぱい! その10・ゾンビの宴会
その11・迫り来る魔手 その12・切ない想い
その13・ララ発見! その14・闇の声
その15・再びゲームの世界へ   その16・再会と姫巫女の予言
その17・二人旅 その18・すれ違い
その19・ともかく合流 その20・同行者
その21・荒野での一夜 その22・炎龍ファイラ
その23・イルとの戦い その24・いつか何処か(完)



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