遙かなる旅路
〜[クレール in Brandish1] Brandishストーリー〜

(10)[TOWER 6F]

〜 ごめんなさい、アレスさん 〜

 「う、う、う〜〜ん・・・・」
階段を上がったところで気絶してしまったあたしが目を開けたとき、あたしのすぐ近くにはなんとアレスさんがいた。そう、すぐ横で壁にもたれて立っていたの。
思わずあたしは・・・・・衣服が乱れてないか確認してしまった・・・。
・・・・ホントにもう、恥ずかしいったらないわ。そんな失礼なことを一瞬でも考えてしまったなんて。・・・・・勿論、そんなことはなかったわ。
失礼なことを考えてしまった自分を恥じ、あたしは慌てて起き上がりながら、お礼を言ったの。
「あ・・・す、すみません。助けてくださったんですね、ありがとうございました・・・」
でも、起き上がった途端、まだしっかり回復してなかったのか、あたしはふらついてしまい、そんなあたしをアレスさんは抱きとめてくれた。
「ア、アレス・・・あんたって奴は〜!・・・」
ちょうどその時、聞き覚えのある女性の叫び声で、あたしは声のした方角、階段の方を見た。
そこにはきつい視線でアレスさんを睨んでいるドーラさんが立っていた。
「お師匠様のことといい・・許さないからねっ!覚悟しなさいっ!」
構えなおしたドーラさんの杖の先から、真っ赤に燃えさかる炎の球が躍り出た。
「あ、ち、違うの、ドーラさん!」
気付いた瞬間、あたしの頭に浮かんだ事をおそらくドーラさんも思ったんでしょうね。
場面が場面だっただけに・・・・。
あたしは慌ててドーラさんに駆け寄った。
「違うって・・・え?違うの?」
「え、ええ・・・アレスさんは気絶したあたしを助けてくださったんです。」
「助けただけ?ホントに?」
「ええ、本当です。」
「ホントにホントなのね?」
「ええ。」
ほっとすると同時にドーラさんの火球はゆっくり消えていった。
「それはそれとしてよ、アレス!」
そしてドーラさんは、あたしからアレスさんに視線を移した。勿論あたしも。

すると・・・さっきまで確かに壁にもたれて立っていたのに、アレスさんの姿はもうそこにはなかった。

「ア・レ・ス〜〜〜・・どこまで無視すればいいのよっ?!」
「あ!ド、ドーラさんっ!」
多分あたしの声など聞こえなかったんでしょうね、ドーラさんはそう叫ぶと、開いていたドアの中へ駆け込んでいったの。

階段を上がったところのその狭いホールにはドアが3つあった。そして、その中の1つをアレスさんは開けていったらしいの。あとの2つは押しても引いてもびくともしなかった。
『1つ選べ』と壁に書いてあったから、多分1つ開けるとあとは開かないんだろうと思われた。
「えっと〜・・・・」
考えても始まらない。あたしは2人が入ったドアの中へと進むことにした。
・・と、そういえばあの盾がなくなっていたことにあたしは気がついた。
もしかしたらアレスさんが持っていったのかしら?でも、確か手にもっていた盾はあれじゃなかったような気がするのだけど・・・。
異次元箱の中にも、勿論入ってはいない。
別にそれでも構わないんだけど、とあたしは思いながら先を進んだ。


「わっはっはっはっはっ!」
7Fへの階段の手前にあったお店。ちょっと人相の悪いお店のご主人は、大笑いしてからあたしに教えてくれた。
「それはな、多分「悪魔の盾」なんだろう。下の階のどこかに強力な守人に守られている、という話を聞いたことがあるからな。だが、嬢ちゃんもすごいじゃないか。その守人を倒したんだろ?」
「え、ええ・・・・」
「ふ〜〜ん・・・・」
ご主人は信じられないといった目で、あたしをじろじろと見た。
「あ、あの・・・」
「ああ、それでその男からそれをオレが買ったかどうか、だったな。」
「はい。」
「確かに男が1人来たが、オレが買ったのは、ほれ、これだ。」
ご主人がカウンターの上にだしたのは、ごく普通の剣だった。
「そ、そうですか・・・。」
「だが、よかったじゃないか。その盾がホントに悪魔の盾なら、ただ持ってるだけで、どんどん体力を吸い取られてしまうらしいぞ。その状態で魔物にあったら間違いなくお陀仏だったぜ。よかったな、親切な人に助けてもらって。」
「ええ、それは感謝してるんです。」
「ま、何か考えがあってのことだろ?まだ若いあんちゃんだったが・・・あの雰囲気は普通の剣士じゃないだろうからな。」
「そうなんですか?」
「・・・多分だがな・・・はははっ。」

「じゃー。あたし・・。」
店を出ようとするあたしに、ご主人はにこっと笑いながら言った。
「ありがとさん。いや〜、だけど、久しぶりに楽しかったよ。やっぱいいもんだな、かわい子ちゃんと話すのは。」
「あ、ど、どうも。」
「上へ行くならスリに気をつけるんだよ。結構いるからな、上には。」
「え?人がいるのですか?」
「ああ・・・まー、一応人ではあるんだが、スリだからな。気をつけるんだぞ。」
「は、はい。ありがとうございました。」
そしてあたしは階段を上がっていった。

** to be continued **

### 注意 ###
実際のゲームでは、
ここではドーラとの出会いはありません。
あしからず・・・・・/^-^;

### ここで一つ大発見!? ###

今ごろなにを言ってるんだか!といわれそうですが・・・
そう、何十回とプレイしたはずのBR1・・・
今回、悪魔の盾を装備しつつヒールの魔法をかけてみました!
なんと、増減の数値がいっしょだった!!
ぴぴぴぴぴ!と鳴ってはいるもののHPは減りもせず増えもしない・・・

でも、長いことプレイしなかったので、
単にそのことを忘れただけなのかもしれない・・・/^-^;



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