遙かなる旅路
〜[クレール in Brandish1] Brandishストーリー〜

(9)[TOWER 5F]

〜 首無しマッチョマンさん 〜

 「いやああああ〜〜〜!」
はしたなくも、思わずあたしは叫んでしまってたの。
だって、あたし筋肉モリモリって苦手なのよ。・・・あ!でも、ガラハッド先生は別♪。先生って体に似合わずかわいいんだもん。・・・って、今はそれどころじゃないのよね。そうそう。あたしマッチョマン4人に囲まれてたんだった!
こんなときアレスさんでも近くにいてくれたら・・・っと、いけない!また他力本願思考が出てしまったわ。
−ブン−
「きゃあっ!」
あたしの腰ほどもあるその筋肉モリモリの腕を振り上げ、襲ってくる。
あんな腕で殴られたら即死よ、きっと。
しかも4人でなんて避けようがない。周りは柱があって隙間は全くないの。
もうここで死ぬしかないの?と思った瞬間、あたしはふと気がついて彼らの一人の足の間をくぐった。そう、そうするのも恐かったんだけど、それしか思いつかなかったの。(TT)

4つの柱に囲まれたその中心にくぼみが一つ。何かあるとは思ったのよね。でも、そこへ立った途端、マッチョマンさんに囲まれるとは思わなかったわ。
悪い予感がしたから、一応防御の魔法を前もって唱えてからその場所に立ったんだけど、あの腕じゃ、無力に決まってる。まったくなんて仕掛けなのかしら。恐いわねー。ここへ落ちてからこんなに恐かったのってないわ。

でも・・・彼らには頭部がないの。だから多分気配で攻撃してくるのね。戸口からそっと見ているだけなら近づこうともしないもの。クレール、らっきーーー!でも、その奥に部屋があるみたいなの。そこに何があるのか気になるじゃない?守人がこれだけ強力ってことは、ひょっとしてひょっとしたら、ものすごい宝物?
・・・ああ、いけない、あたしは巫女なのに、物欲が・・・。それというのもここに宝物がありすぎるせいなのよ!・・でも、気になるわ、あの部屋・・・・。

ということで、目が見えないのを利用して、遠くから火炎を放って倒したの。
「えっと〜〜・・・何があるのかしら?」
予想通り、その小部屋には宝箱があった。どきどきしながらそれを開ける。
「え?・・・・な、なに?ただの盾?」
しかもあまりいいデザインとは言えない。でも結構頑丈そう。今持っているものよりよさそうな気がしたの。
「デザインより性能よね。」
異次元箱にそれまで持っていた盾をしまい、あたしは、手に入れたその盾を手にし、探索を続けることにした。
「え?・・・な、なに・・・?どうしたの?・・・・・め、目眩が・・・・・」
上への階段を上がる途中、あたしは急激に体力が無くなっていくことに気付いた。
「どうしたのかしら?」
不思議に思っているう間にも、どんどん気が遠くなってくる。
−バタ−
数秒後、あたしは、真っ黒のベールに覆われていた。

** to be continued **



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