遙かなる旅路
〜[クレール in Brandish1] Brandishストーリー〜

(7)[TOWER 1〜3F]

〜蜘蛛さんがいっぱい〜

 「蜘蛛のお母さん、そして子蜘蛛ちゃんたち・・・ごめんなさい。」
あたしは手を合わせて空っぽになった蜘蛛の巣で蜘蛛の親子の冥福を祈ってました。
と、そのときです、「ズズズーーン!」とすごい地響きと共に地震が!
「これって魔法かなにかかしら?」
あたしはそう思いながら、音の中心の方に向かって歩いていきました。

そう、気が付いたアレスさんは、まだ迷っている私にフリーズの魔法をかけて蜘蛛のお母さんを倒しに行っちゃったんです。
そして、魔法が解けて駆けつけたときには・・・もう・・・・・・・
結局、これしか方法はないんでしょうけど・・・でも・・・でも・・・・
神の塔でもそうでした。試練・・・・・そうですね、本当に試練なんだと思いました。

「え?た、たいへん・・・アレスさんが!」
地響きの中心らしいところ、そこではアレスさんが地面の裂け目に落ちかけてました。
慌てて助けたんですが、どうやらその先にある門を開けようとしたらいきなり地震が起きたみたいなんです。
どうしよう、このままでは蜘蛛の親子が死んだ意味がないわ。
「そうだ!」
あたしはぽん!と手を叩いて来た道を戻りました。
そう、確か神官の血をひいた女の子の幽霊さん!彼女に聞けばなにかわかるんじゃないかと思ったの。

「ありがとう・・・・これであたしもママやパパのところへいけるわ。」
女の子は嬉し涙を流して姿を消していったの。でも、ちょっと待って、あたしの話くらい聞いてくれてもいいじゃないの〜。
そうは思っても後の祭り。姿が消えてしまったんじゃお話しようにもできない。
仕方ないからその辺りに何か門をあけるアイテムらしきものはないかしら?と探していたら、金の輪があったの。
勿論急いで門のところへ駆けつけたわ。

−ギギギギギーーー−
「やったーーーー!」
その奥から塔へと続く長い階段を上ったの。

「いらっしゃーい!」
塔へ入るとすぐにお店やさんがあったの。で、あたしもアレスさんも結構荷物があったので、整理もかねてそこへ立ち寄ることにしたの。あ!でも、相談してじゃなくてよ。だって、アレスさんったら、一言も口きいてくださらないんですもの。あたしもおしゃべりは苦手なんだけど、アレスさんって本当に必要と思われることさえも話してくれないんだもの。あんな人も珍しいわよね。
と・・とにかく、別にあわせたわけじゃないけど、目の前にお店があったので入ったのよ。

「やるねー、こんなところで美女づれとは?どこかで助けてきたのかい?いい武器揃ってるよ。装備がしっかりしてないと彼女にいいところを見せれないよ。」
意外にも店の人は女性でした。でも、戦士らしくがっしりとしてる。
「そ、そんなんじゃないんです。」
あわてて否定したあたしは、ほほが火照るのを感じてた。
「いいって、いいって、照れなくても!」
あはは!と豪快に笑い、彼女は話しながらアレスさんにいろいろ武器を薦めている。
「あのー、荷物の整理をしながら少し休ませていただいていいでしょうか?」
「ああ、いいよ。ゆっくりしていきな。」
勿論アレスさんは用をすませるとさっさと出て行きました。
「あれ?ホントにあんたたちなんでもないのかい?」
目を大きく開いく彼女にあたしはこくんと頷いた。
「ふ〜〜ん・・でも、そうじゃなくても普通、あんたのような女の子を見れば、一緒にいて守ってやろうとか思うんじゃないのかい?」
「あ、あたし、こうみえても結構魔法も使えるので大丈夫なんです。」
まさかruinsエリアでのあたしの変身を見ていたなんてことは、ないはずよね・・・と思いながら、そう答えた。

そして、お店を後にしたの。そしたら・・・
「きゃ〜〜〜!!!さっきのおかえしなの、これって?」
塔1Fは、巨大蜘蛛であふれていたの。(滝汗
もっとも蜘蛛のお母さんみたいに大きくはなかったし、あんなにカラフルじゃなかったけど。
でも、その茶褐色の巨大蜘蛛もけっこう気持ちが悪かったわ。それとあとはくらげさんのような形で空に浮いてるおかしなモンスター。
サンダーの魔法は放ってくるし。おかげでヒールの魔法掛けっぱなし。(笑

あとはゴブリンなんだけど、でも筋肉隆々で、攻撃なんかされちゃたまらない。ということで、こっちもサンダーの魔法かけっぱなし。
あたしに近づくときは、2m以内要注意よ♪

2Fも同じモンスターさんでいっぱい。そう、マッチョゴブリンさんとそれから茶褐色の蜘蛛を一回りほど大きくした緑色の毛むくじゃらの蜘蛛。もう気持ち悪いったらないわ。あ、でも、一人だけやさしいゴブリンさんがいて、その人がもう道がなくて困ってたら親切に教えてくれたの。通り抜けられる壁があるって。情報料はととられちゃったけど。本当にもう行くところがなくて困ってたから、困ったときの神頼みといったところね。(笑
とにかく壁をくまなく調べたの。もう疲れちゃったわ。だって結構広いんですもの。よ〜く見ると壁が少〜しおかしいの。光の屈折のせいなのかしら、ちょうどしみみたいに見えるのよ。だけど薄いからもう壁という壁をじ〜っと見つめて歩いたのよ。もう目が疲れるったらありゃしなわ。

で、なんとか4Fまで来たんだけど、またしても道がおかしいの。あるところまで行くといつのまにか戻ってるの。道も1本しかないし。どうしたらいいのかしら?そういえばアレスさんあれから見かけないんだけど、どこにいるのかしら?道が行き止まりになってるってことはアレスさんもこの先にはまだ行ってないということよね。
でも、行き止まりになってるのは見えてもそこまで行けないなんて・・・・真中くらいまでいくと戻されちゃって道の先を調べたくても行けないの。後ろ向きで歩いてみたり這っていってみたりしたんだけどダメだったわ。

クレール、困っちゃったわ。何か必要なもの見落としてるのかしら?

そう思ってしばらく階段のところで座って考えてたの。でも、下手な考え休むに似たり・・・結局なんにもならないってことらしいから、もう一度その通路をよ〜く調べることにしたの。
そしたら・・・なんと壁にひびの入ったところが1箇所!
それを見つけたときは嬉しかったわ!ああ、これで道が開けたわって。でも、次の瞬間思い出したの。金槌が手元になかったことと、あってもあたしでは壊せないことに。
ふ〜・・・クレールのおばかさん!ぬか喜びよ、ホントに。
変身しようかしら?・・誘惑があたしにささやきかけてきたわ。そ、そうよね、そうすれば・・・一瞬そう思ってしまったのだけど、次の瞬間あたしは思いとどまったの。
そして、ともかくお店に戻ることにしたの。道具がなければ始まらないんですもん。それにしてもアレスさんはどこなのかしら?アレスさんがいればあんな壁簡単に・・・って、あ〜〜ん、これって変身よりもっと悪いことでしょ!他人に頼るのが一番いけないのに、あたしったら・・・まだまだ修行が足らないのね。サフィーユ・・・愚かなあたしをしかってちょうだい!(あ!これも他力本願だわ!



** to be continued **



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