_/_/_/ その九・ダークエルフの姫君 _/_/_/
      


闇の波動を辿り、ゼノーが第五層へつながっている道に向かって歩いていると、突然、バラバラとダークエルフの集団が現れ、ゼノーを取り囲んだ。彼らは全員武装しており、その剣を一斉にゼノーに向けた。
「何か私に用ですか?」
そんなエルフにも動ぜず、ゼノーは静かに聞いた。
「お前の胸に聞いてみろ!」
その中のボス格のエルフが睨みながら言った。
「そう言われても、私には何が何だか、さっぱり分かりませんが。」
「まぁいい、とにかく一緒に来てもらおう。」
顎で歩けと指図するエルフに、ゼノーはおとなしく従って歩き始めた。彼の周りは相変わらず剣で取り囲まれている。

そうして、彼らは第五層にある、エルフの王宮へとやってきた。
−ガッシャーンッ−
いきなりゼノーは地下牢へと入れられた。
「何か悪いことでもしたかな・・・?」
ゼノーは牢の床に座ると考えていた。


謁見の間では、ゼノーを連れてきたエルフが王にその事を報告していた。
「ふむ・・・ご苦労じゃった。で、どんな男なのじゃ?」
「はっ、それが、外見は、男というより五、六歳の幼児といった感じなのです。が、その雰囲気は、どこそこ威厳もあり、ただ者ではないような気もするのですが・・・」
「ふむ・・ま、姫が落ちついてから詳しく聞くとしよう。それまで逃がすでないぞ。」
「ははっ。」


食事は一日三食きちんと差し入れてくれたが、取り調べもなく、ゼノーが誰かと話がしたい、と言っても何の音沙汰もなく二日が過ぎた。
こうしていつもまでもここにいる訳にもいかないゼノーは、そこを出ることにした。
(でも、どうやったらここから出れるのだろう?)
それから、一時間程ゼノーは牢のあちこちを丹念に調べた。が、格子の鍵はどうやっても外れそうもない。周囲の壁も隙間一つ無く牢から出ることは無理のように思えた。
(何かいい方法が・・・)
再び座り込むとゼノーはじっと考え始めた。そして、空間移動という事を思いついた。やってみた事はない、だが、可能性はあった。試してみるべきだと思い立ったゼノーはすぐ精神を集中し始めた。
闇の気を探り、それに自分の気を同調させる。闇の中に溶け込むんだ、闇の中に、と自分に言い聞かせ、その様子を心に思い描きながら、じっと座り込んでいた。
十分、二十分とゼノーは身動き一つせず、集中し続けた。と、自分の身体が軽くなるのを感じたゼノーは、そっと目を開け自分自身を見た。身体がゆっくりと溶けるように消えていく。
「できたんだ!」
ゼノーは呟くと行き先を考えた。
「そうだな、まず、理由が聞きたいな。」
ゼノーの姿は完全に闇に溶けていった。


その頃、モーラ王女の私室では、様子を見に来た国王が乳母のヤンと話していた。
「どうじゃ、姫の様子は?」
「はい、薬湯の効き目がまだ効いておりますので、ぐっすりお休みでございます。」
「一体何があったというのじゃ?そちなら何か見当がつくのではないのか?」
「いいえ、残念ながら。姫様は、恐怖で引きつった顔をしてお帰りになられてから、何もおっしゃらないのです。ただ、呆然として、何か聞くと悲鳴を上げられるだけで。それで失礼かと思ったのですが、魔技のサロナスに姫様の心の内を読んでもらったのです。」
「サロナスが読み取った男は、ゴラキュスタが召し捕ってきたが。」
「本当に何があったのでしょう?姫様の心は恐怖で震え、その男以外何もないのです。その男が姫様に何かしたのだとは思いますが・・一体何があったのでしょう?」
「わしもまだ会ってはおらぬが、小さな少年だとゴラキュスタは言っておった。そんな少年がモーラに何ができるというのだ?それもあれほど恐れおののくような事を?」

「なるほど、その姫様が原因だったんですね。」
急にどこからともなく声がし、国王とヤンは辺りを見回した。
「だ、誰じゃ?」
「先日捕らえられたその少年です。」
闇の中から滲み出るようにゆっくりとゼノーがその姿を現した。
二人はぎょっとしてゼノーを凝視していた。闇にその身を溶かすという事は、ただ者ではない事を示していた。
「そ、そなたは・・一体?」
「私の名はゼノー。この世界の王、闇王です。」
「や、闇王?」
二人は驚愕してゼノーを見つめていた。確かにその尋常ならざる雰囲気は、そうと言ってもおかしくはなかった。が、確固とした証拠は何もない。
「わしは、ダークエルフの王、デクアスヴァルじゃ。そちが闇王様だという証拠は?」
しばらくして落ちついたデクアスヴァルはその威厳を持って、ゼノーに尋ねた。
「残念ながら何もありません。が、私が姫君に何もしてない事は確かです。人間から助けはしましたが。彼女が目を覚ませば、全てわかるはずです。」
「人間から助けた?」
「そうです。第七層での事です。あの時は確か、プチデビルも一緒でした。ギコギコという名前の、木に住むホビットの弟分で、ペペとか言っていました。」
「国王様、このような所では・・・急ぎ、貴賓室を用意いたします。」
やはりゼノーの雰囲気で普通人ではないと悟ったヤンは、二人に深々とお辞儀をすると、慌てて部屋を出ていった。
「そうであったな。姫はまだ目を覚ましようもないようじゃ。こちらへまいられよ。」
ごほんと咳払いをすると、国王は先に立ちゼノーを貴賓室へ案内した。


ゼノーと国王が貴賓室へ行くと、そこはすでにヤンたち女官の手によって、すっかり整えられていた。調度品はすべて重厚な木製の手作りの物。それぞれ塵一つ、埃一つなく磨かれていた。
王は、ゼノーにその豪奢な肘掛けイスを勧め、すぐ来る旨言うと部屋を出ていった。
入れ代わりにヤンが女官と一緒に飲み物を運んできる。
ゼノーが飲み物を飲みながらしばらく待っていると、国王が再び姿を見せた。
「すっかり待たせて申し訳ない。では、早速だが、話の続きをお聞かせ願おう。」
ゼノーの目の前のイスに腰掛けると、国王はゼノーの目をじっと見て話し始めた。
「ホビット村にでも、使者を向けられましたか?」
「あ・・い、いや・・・まぁ・・・・。」
「構いませんよ、私は。木の幹を住まい家としているホビットは珍しいと思いますので、すぐ見つかるでしょう。」
「あ、ああ・・・」
国王は、一瞬焦りその視線をゼノーから逸らしたが、すぐ戻した。
「それで、姫を助けてくれたという事なのじゃが・・。」
「はい。私が浮遊城から第七層の地上へ下りた時の事です。人間の僧侶が勇者の一行から譲り受けたとかで、姫君を脇に抱えていたのです。同じくプチデビルを捕らえていた仲間と共に人間界に帰ろうとした時、私が人間を消し、二人を助けたのです。姫君はすぐ姿を消してしまいましたが。」
王がヤンを呼ぶと、彼女は、ここ数日彼女が王宮の何処にもいなかった事を話した。
「とすると、今までも姫が時々城を、このダークエルフの国を抜け出していたと?」
「も、申し訳ございません。私共としましては、必死にお止めしたのですが、いつも上手い具合にごまかされて、いつのか間にかいなくなってしまわれて・・・」
ヤンは床に頭を付け、そこにひれ伏した。
「まったく、姫のおてんばには手を焼くわい。で、次に会ったのが第六層という事なのじゃな?」
「はい。姫君を捕らえたと思われる勇者の一行と偶然出逢い、彼らを倒した時、ふと振り向くとそこに姫君がいたのです。ですが、彼女はまたしても逃げるように消え去ってしまったのです。どうしたのだろう?と思いながら歩いている所に王の部下が来たという訳です。」
「ふむ・・・結局は姫が目を覚まさないかぎり分からぬという事か。」
「それでは、私は今一度牢へ行くべきでしょうか?」
「いや、それには及ばぬ。話しておれば、その人となりは分かるつもりじゃ。そなたは、姫に不躾を働くような者ではない。」
「信用していただき、ありがとうございます。」
ゼノーは軽く会釈した。王はそんなゼノーを見ながら、自分がゼノーを問い詰めるれるような立場ではないような気がしていた。
ちょうどその時、王がホビット村へ放った使者が帰り、ゼノーのたっての願いで、二人の目の前で事の次第を王に報告した。
「姫を助けてくれた事に違いないようじゃ。本当に申し訳ない。恩に報いるばかりか牢に入れるような事をしてしまった。まず、お連れした時にお逢いするべきじゃった。何しろあまりにも姫の状態が尋常ではなかった為、冷静な判断を失っておったようじゃ。」
王がゼノーにその頭を下げ謝ると、部下のゴラキュスタがそこに跪きそれを訂正した。
「いいえ、悪いのはこのゴラキュスタでございます。王には何も・・・・」
「いやいや、全ては上に立つ者の責任じゃ。そちが悪いのではない。」
「私は気にしてはいませんので、その件についてはもういいかと思います。」
「そうか、そう言って下さればありがたい。」
王は、ヤンに今一度王女の様子を見てくるように命じた。できたら起こしてくるようにと。
そして、そのテーブルに食事を持つよう命じた。


しばらくしてテーブルに食事の用意が整う頃、ヤンが目を覚ました姫を連れてきた。
「おお、モーラ、こちらへ。」
王はモーラに近くに寄るよう言ったが、モーラはヤンの後ろに隠れ出てこようとしない。
「どうしたのじゃ、モーラ?」
「お、お父様・・・ご、ごめんなさい。私・・私のせいで。」
そう小声で言うと彼女はゼノーの前に走り寄り、そこにひれ伏す。
「も、申し訳ございません、闇王様。お父様は何もご存じないのです。私が、私一人が悪いのです。どうか、罰するのでしたら、私を。」
「ひ、姫?」
「ひ、姫様?」 ゼノーが闇王だとは思っていなかった王とヤンが叫んだ。
「そうです、お父様、ヤン。この方こそ闇王となられる方。私たちが長い間待ち望んでいた闇王様なのです。私は確かにこの方がムーンティアを指輪に仕舞われるのを見ました。闇王の指輪に。」
「な・・なんと!」
王の方を向きなおして説明する姫の言葉に、王は立ち上がりヤンは驚きの余り立ちすくんでいた。
「で、では何故・・・何故あのように・・あのような態度を取ったのじゃ?」
「そ、それは・・・」
「それは?・・それは何なのじゃ?よいか、事と次第に寄ってはただでは済まされぬ事なのじゃぞ!・・わ、わしは・・・わしはよりによって闇王様に無礼を・・取り返しのつかぬ無礼を働いてしまったのじゃぞ!」
「ご、ごめんなさい、お父様・・・・。」
モーラは床に頭を付け、その全身をガタガタと震わしていた。
「いや・・・お前が悪いのではない。わしが早とちりしたのじゃ。」
震えるモーラの側に近寄ると、王はゼノーに跪いた。
「デクアスヴァル王、誰も悪いものはおりません。どうぞお立ちください。」
ゼノーは王とモーラの手を取ると二人を立ち上がらせた。
「誤解は溶けたのです。それでいいではありませんか?」
「・・・闇王様。」
「さあ、せっかく用意して下さった食事が冷めてしまいます。姫もご一緒にどうですか?後の話は食事をしながらという事で。」
こうして三人は食事を取ることになった。
「ですが、何故姫が逃げたのか聞きたいですね?」
ゼノーのその言葉にモーラは一瞬びくっとした。そしてその顔を真っ赤にしながら話し始めた。
「あの・・・私、その人間の中の・・・・」
「何じゃ、聞こえぬぞ?」
最後が聞き取れないほど小さな声になってしまったモーラに王がきつい口調で尋ねた。
「あ、あの・・私の好きな人が・・・・・」
「な、なんじゃと、好きな?・・・お、お前、よりによって人間なんかを?」
「国王、そう興奮しなくても。」
ゼノーは立ち上がり今にもモーラに掴みかかりそうな王を制した。
「そうですか、それは気の毒な事をしてしまいました。ですが、あの人たちはあなたを捕らえて他の人間に売ったんですよ。」
「・・・分かってます。でも・・でも・・・私・・・」
「なかなか凛々しい人でしたからね。」
「すみません。私、あの人が闇王様に倒されて・・仕方ないとは思うのですが・・あの・・・気が動転してしまって・・・すみません!」
モーラはテーブルに頭を付けるようにしてゼノーに謝った。
「いいんですよ。でも私の方こそ、悪い事をしてしまって。」
「い、いえ、いいんです。あの人が闇王様に火炎など浴びせるから・・・当然の事です!」
「火炎?」
ゼノーは自分の考えている事と合わず、不思議そうな顔をしてモーラを見た。
「まさか・・姫の愛しい人と言うのは・・?」
「・・・・・・」
真っ赤になってうつむくモーラに王が聞いた。
「じゃから、姫はその人間らが言う勇者とやらに恋しておったという事であろう?」
「そうじゃなくって・・・・魔技の・・・」
「なんじゃ?聞こえんぞ?」
しつこく聞く王にモーラは思い切ったように大声で答えた。
「お姉様なの!私が好きだったのは、その人間の魔法使いなんです!」
「・・・?」
思ってもみなかった事に王はその目を丸くして言葉を失っていた。
「お、お姉様・・・お姉様ぁ・・・」
必死に抑えていたが、ついに我慢しきれなくなったモーラはそこに泣き伏した。
「姫様・・さ、お部屋へ・・・。」
ヤンが気をきかしてそっと姫を連れていく。二人が立ち去ったのを確認すると、王はゼノーに向き直り、再び頭を下げると謝った。
「申し訳ございません。何ともお見苦しい所をお見せ致しまして。」
「い・・いえ。」
ゼノーも少し呆気に取られていた。まさか勇者でなく魔技だとは思ってもみなかった。

「ところで、デクアスヴァル王、先程姫が言った通り、私は真の闇王となるべくムーンティアを探しているのです。この第五層のどこかにある、または誰かが持っているというような事を聞いたことはありませんか?」
ゼノーは、姫の事から話を切り換えて王に聞いた。
「ムーンティアですか・・・いえ、私は聞いたことはありません。ですが、しばらくこの城に滞在していただく訳にはいかないでしょうか?ただ闇雲に捜し回ってもお疲れになられるだけです。一人よりも二人、二人よりも数人と申します。我がダークエルフ一族の総力を挙げて調べますので。」
知らないのならいいと一度は国王の申し出を断ったゼノーだが、どうあってもそうしたいと言う国王に負け、ゼノーはしばらくそこに滞在する事にした。


ゼノーがダークエルフの国に滞在するようになってから一月が経ち、二月が経った。
が、一行にそれらしき報告はなく、しびれを切らしたゼノーが何度となく尋ねても国王からの答えはいつも『只今総力を挙げて探しております。』の繰り返しだった。その間、どこへ行くのもゼノーのお供としてモーラ姫と数人の屈強な部下がついてきた。モーラ姫がゼノーに慣れてくるにつれて、時には、一緒になってそっと城を抜け出した事もあった。とにかく、ほとんど姫と行動を共にしていた感じのゼノーだった。


半年が過ぎ、城ではゼノーの誕生日を祝って盛大な舞踏会が開かれた。
城にはエルフだけでなく、いろいろな種族が集まっていた。
「ゼノー様。」
大広間に行こうとしていたゼノーをモーラが呼び止めた。
「何か?」
「ゼノー様、お願いがあります。」
「何ですか?私にできる事ですか?」
「あの、お怒りにならないで下さいね。私と一緒に来ていただきたい所がありますの。」
何のことだか見当がつかなかったゼノーだが、ともかくモーラの後についていった。
そこは、城の北の塔の最上階だった。そこにはかなり年老いた老魔法使いがいた。
「ゼノー様、本当にお怒りになられません?」
「怒ろうにも私には姫が何をしようとしていのか、分かりません。」
懇願するように目をじっと見つめるモーラに、ゼノーは怒らない事を約束した。
「あの・・つまり、ゼノー様のお姿を・・」
「私の姿を?」
「は、はい。あの、今のままでは、いえ、決してゼノー様に威厳がないという事ではありません。でも・・・あ、あの、今日はこの第五層だけでなく、他の層からも来訪者があると聞いております。ですから・・・あの・・その御姿を成人された時の御姿に・・。」
真っ赤になってモーラは話した。ゼノーの怒りに触れることを覚悟して。
「そうですね。それもいいでしょう。」
ゼノーは、今の姿よりその方が説得力があるだろうと判断していた。闇の力を読み取り、相当な魔力を持つ者と判断はしても、この姿ではなかなか信じない者もいるに違いない。最初ここでもそうだったように。と思っていた。
怒りを買うことを覚悟で言ったモーラは、ほっと胸をなで下ろすとその老魔法使いを紹介した。彼女はモーラにとって大々叔母に当たる、齢千百歳のダークエルフだった。

「再び闇王様にお逢いできるとは・・・・」
嬉し涙を流した老婆は、何やら真っ黒な飲み物が入ったカップをゼノーに渡した。
その異様な臭いにゼノーは思わずカップを落とすところだった。
「一気にお飲みなされ。」
モーラとその老婆に見つめられ、ゼノーは鼻をつまむと一気に喉に流し込んだ。
それは臭いだけでなく、苦さも半端ではなかった。
「ふーーーーーー・・」
何とか飲み干したゼノーは体が温かくなってくるのを感じた。
二人が見つめる中、ゼノーの体が徐々に大きくなっていった。
「うぷっ・・き、気持ち悪い。」
急激な体の変化に酔ったのか、しばらく何とも言えないその気持ち悪さにゼノーは丸くなってじっとしていた。
「落ちついたかの?」
「は、はい。」
「おお・・・闇王様じゃ。・・・闇王様。」
立ち上がったゼノーの姿を見て、老婆は涙を流して嬉しがった。そして、それはモーラも同じだった。これで、ゼノーと踊ってもおかしくない・・誰にもゼノーを渡さない、と。

大広間では、客人が続々と集まってきていた。
そして、ゼノーがデクアスヴァル王とモーラ姫と共に現れると、歓声が沸き上がった。透き通るような白い肌。月光を思い出させる長く腰まである銀の髪、妖しく光る紫の瞳、そして、そのすらっとした長身を取り巻く闇の気。
その夜、そこに来た者は老若男女問わず、全員ゼノーの虜となっていた。待ち焦がれた闇王、闇のパワーがそこにあった。
勿論、モーラがぴったりとゼノーに寄り添っていたという事は言うまでもない。自分と身の丈が釣り合うようにと、怒りを覚悟で老婆に会わせたほどだから。
が、ゼノーが淡い期待を抱いていたムーンティアについての情報は全く得られなかった。

翌日、ゼノーは一人で北の塔の老婆を尋ねていた。舞踏会での経験で、その容姿も必要な条件だと思ったからだ。そして、ゼノーは老婆からその薬とムーンティアについての情報を得た。
そして、ゼノーはデクアスヴァル王とモーラ姫が必死になって引き止めるのも聞かず、ダークエルフの国から遥か西の、ムーンティアを持っているかもしれないという巨人グレンデルの住む、底無しの沼に来ていた。
        

 

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