・・・・闇に包まれた聖魔の塔中層部にある悪霊たちの巣窟・・・
ミルフィーとミルフィアの精神は、一筋の光さえ射し込まず真っ暗な空間に浮遊していた。
お互いがすぐ近くにいることも分からず・・・そして、そこには探し求めていた魔導師、レイムがいることさえ。
ミルフィアはつい今し方まで一緒にいたはずの魔導師レイムを探す。暗闇の中手探りで・・・ (手探りしてくれました? ↑ /^-^;)
が・・・・
『ぐははははぁ〜!!』
「きゃあっ!」
何かにさわったと思えば、それは悪霊の固まりだった。
嬉しそうにそしておぞましげに笑う悪霊。ミルフィアはいつしかその恐ろしさで動けなくなり、身を小さくしてうずくまってしまった。
ミルフィアと混在していたため、知らないうちにここまで来てしまっていたミルフィーもまた同じ空間を浮遊していた。
周りは悪霊がひしめき合っている。が、ミルフィアと違うところは、必死になって戦っていること。
が、武器があるわけでなく、しかも相手は霊体・・勢い良く振られたミルフィーの拳は空を舞っているばかりだった。
体力は徐々に落ちていく・・疲れがミルフィーの心身を制覇していった。
「こ・・こんちきしょう・・・殴っても殴っても減りゃーしない・・・いや、ぜんぜん効かないんだよな・・・。どうすりゃいいんだ?みんなはどうしてるんだ?」
現状が全くわからない。焦りが一層ミルフィーの体力を奪っていった。
そして、ふっとその暗闇の空間で自分を取り戻した魔導師レイム・・・・
ミルフィアの純粋な心がそうさせたのか、すでに悪霊の一部と化してしまっていたはずのレイムに元の心がよみがえっていた。
が、それと同時に、自分がしてしまったことの重大さに彼は驚愕と恐怖を覚える。
「どうしたらいいんだ・・・何か手段があるのだろうか?こうしてるうちにも、私のこの意識は薄れつつある・・・悪霊の狂気が心の底からわき上がり、私を引きずり込もうとしている・・。どうしたらいいんだ・・・?せめて2人の居場所が分かれば・・・・」
意識はあまり長いこと保っていられそうもない・・・レイムはたとえようのない絶望感を味わっていた。
無限とも感じられるその空間。そこには方向も上下も何もない。
そこは、悪霊がひしめき合い、心を引き裂き狂わせてしまうかのようなおぞましい怨霊の叫び声が飛び交いこだまする漆黒の世界・・・・。
狂気と恐怖と、そして、行き場のなくなった憎悪によって作り出された魔の空間・・この世の地獄・・・・。 |