-アレス・8歳の大冒険-

 ある日何気なく思い浮かんだ『Alice in Wonderland』そして、そこからなぜ変換されたのか、口に出た『Ares in WonderLand』・・・そして、その言葉が気に入り(あほ)ついにかき始めた不思議な国のアレス!!

 純粋無垢だった8歳までのアレスくんは、何をどうしたら、あんなに無口にそして無愛想にそして強くなったのでしょう?(違うという噂もありますが・・・/^^;

 さて、ブランディッシュの登場人物(?)をアリスの世界と照らし合わせたどたばたパロディーのはじまり、はじまり〜〜〜〜!!

 でも、場面も登場キャラも、1〜3より、4(VT)色の方が濃いみたいです。/^^;



*Prologue*

 極悪非道の冷血漢とも呼ばれている究極の腕を持つ剣士、アレス・トラーノス。現在、世界一の額を誇る(?)賞金首である。噂どおりの人物だとも、そうではなく、あまりにも無口で無愛想なところが誤解させただけだという評価もある。そして、権力に媚びないどころか全く服従もしない彼に、その力(腕)を欲した権力者が賞金首にしたてあげただけだとも言われており、それが本当なのだろうという噂が定着しつつあった。ただ、噂がどうであれ、これだけは言える、彼は例え行く手に何があろうと前進する。その行く手を遮るもの全てを粉砕しつつ。彼がその先に何を見つめているのか、何に向かって、何を求めて進んでいるのか、・・・それは誰も知らない。もしかしたら本人も分かっていないのかもしれなかった。

そして、これは、彼の幼少の頃の体験談・・・・ではなく・・・・・
単なる同姓同名なのか本当にあった話なのかどうかも・・定かではない。

が、誠しめやかに囁かれている話でもある・・・らしい(笑

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 このお話のアレスくんは・・・・・山岳地帯の小さな小さな国の王子様なのです。

彼が産声を上げたその日、満天の星が一瞬にしてその姿を隠し、ただ異様なまでの輝きを放つ満月が辺りを照らしていたといいます。

そして、その誕生の祝いの席で、一人の賢者が言った言葉が嵐をよびました。
「このお子には、決して剣を持たせるでない。お子は剣を欲し、そして、剣はお子を呼ぶだろうが・・・許してはならぬ。もし剣を手にすれば、災いが世界を覆うであろう。そして、世界は・・・お子を欲する。世界の舵取りとして。それは、辛く厳しい流浪の旅となる。そして、その先は光か闇か・・・・。」

その言葉に驚愕した王夫妻は、国から一切の剣を処分させようとしたのですが、周囲は常に戦がありました。悩んだ末、王宮内でも最も奥に位置する宮で育てることにし、そこでは、一切の武器の持ち込みを禁止することにしたのです。

そして、その子、アレスくんは、健やかにかしこくすくすくと育っていきました。心優しく純真無垢なとてもかわいらしい少年に育っていったのです。

アレスくんが8歳になったある日、奥庭のお気に入りの大木の下で、いつものようにお昼寝をしていたアレスくんに1匹のうさぎがつまづきました。

「いったーーーー!・・・何よ!こんなところで寝てないでよ!」
きっと睨んだそのうさぎに、その騒ぎで飛び起きた8歳のアレスくんは目を丸くしました。

身長は同じくらい。確かにうさぎだと思えたのですが、言葉を話す紫色のうさぎなど初めてのアレスくん。しかも、紫色の柔らかそうな毛が、そのうさぎの普通見せてはいけないところを覆っているのみで、長い耳と丸いしっぽの他は人間と変わっていないのです。それに彼女は、アレスくんが知っている限りでは、同い年くらいの少女というより、母親や身の回りの世話をしてくれている女官のように膨らみがあったのです。
「寒くないのかな?」
思わずアレスくんは思いました。時は春。お昼寝にはちょうどいいぽかぽか陽気なら寒くはないと思えたのですが、その格好ではいくらなんでも涼しすぎます。心のやさしいアレスくんはちょっと心配になったとかならなかったとか。

「た〜いへんっ!遅刻しちゃうじゃないのっ!」
胸を覆っているその毛皮の部分から、懐中時計を取り出すと、うさぎは叫びました。
「怒られたらあんたのせいよっ!その時は責任とりなさいよねっ!」

捨てぜりふを残し、タタタッ!っと勢いよく駆けていくその後ろ姿を、しばらく唖然として見つめていたアレスくん。その姿が消えてからようやくはっとしました。

「あ!ぼくのせいで怒られるのなら、ぼくも一緒に行って謝ってあげなくちゃいけないよね?」

そのことに気付いた純真なアレスくんは、慌ててうさぎの後を追いかけていきました。
果たしてアレスくんは、うさぎに追いつくことができるでしょうか?

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そして、物語の最後は、下にあるエピローグへ続きます・・。(たぶん・・・・)    


*CONTENTS*

第一話:落ちたところは?!(1)(2) 第二話:筋肉拳法卵ガラガラット(1)(2)

第三話:お茶会の親子?門番? 


*Epilogue*


 −ゴロゴロゴロ・・・・−
山々は厚い暗雲に覆われ、辺り一帯に激しい雷鳴がとどろく。大地は震撼し空気さえも震え張りつめる。

 時同じくして、以前より小競り合いが耐えなかった隣国の急襲がその小さな国を、そして穏やかな王城を覆い尽くした。温厚で庶民派の時の国王であるアレスの父、そして母は、その場で惨殺されていた。

そして、その勢いに乗った敵兵らが、鬼人のごとく、うたた寝から目覚めたばかりのアレスを襲う。
・・・城内は・・・地獄と化すばかりだった。


そして、それから数時間後・・・。

瓦礫と化した城門に、一人の少年の姿があった。

自ら受けた傷から流れ出る血と、敵兵の返り血で全身を染め、己の身の丈より長くずっしりとした剣を片手に、その少年は立っていた。

それは、あの純真無垢な少年だったアレスの変わり果てた姿。うたた寝の間のかの地での2年間という歳月を経験して目覚めたアレスを迎えた地獄の惨劇が創りあげた新しいアレス。そこに以前の面影はどこにもなかった。

−カッ!ゴロロロロ!・・・・・−
世界は、新たなる主、自らの舵取りを迎えて狂喜しているかのように、雷鳴を轟かせ、地を震わせてその誕生を祝福する。

 アレス・トラーノス、10歳。全てを失くし、そして、全てを捨て、今、旅立つ。
それは、いつ終わるとも知れない孤独なそして過酷な放浪の旅の始まりだった。
         




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