『ニールとゆかいな仲間たち♪』
== ネクラ・・もとい!ネクロマンサー、ニールの徒然冒険記 ==

その8 委員長?組長? ・・・オレタチ、生モン同級生!


すみません、本当はこっちの方がその6,7の元ネタです。/^-^;
頭の中ではこんな感じのシーンが断片的に浮かんでたのに、書き始めたらああなってしまってました。
で、ようやく1つのお話として仕上がり(?)ました。

う〜〜ん・・つくづく思うのですが、このワンシーン、ワンシーンを4こまで描いた方が面白そう・・・(笑
描けないのがうらめしい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(T-T)

 「ああーーーーっ!親分だー!お帰りなさいやし、親分!」
「な、なんなんだ・・・?」
かつて『魔物の巣窟』とよばれた洞窟・・・そう、ニールがローグキャンプへ来てすぐにアカラから依頼され、その魔物を一掃したところ・・・。
その洞窟内が再びおかしいと聞かされ、様子を見るため足を踏み入れたニールは中の様子に驚き、目を丸くして棒立ちとなった。
洞窟内は前にも増して魔物であふれていた。しかもニールの姿を見つけるや否やかけよってきたフォールンは嬉しそうにニールを『親分』と呼んで見つめている。
「親分、初めてお目にかかりやす。」
「赤色の、お前ば〜〜かぢゃねーか?」
「んだよーーー?」
そんなニールにおかまいなし。深々と頭を下げて挨拶するレッドフォールンとその後ろからひょいと顔をだしたブルーフォールン。
「ばかはばかだろ?何度言ったらわかるんだ?おれたちゃ○ンピラ○○○ぢゃないんだからな。1年ニール組なんだぞ!だから『親分』じゃなくって『委員長』なんだって言ってるじゃないか!」
「あ・・・・そうか・・そうだった・・・」
ぽりぽりと頭をかくレッドフォールン。
その2人の会話をニールはどこか遠くでしているもののように聞こえていた。さすがのニールもここまでのことは予想できてはいなかった。
「な・・・なによ、これは?」
そして、そんなところへ、エリーが遅れて洞窟内へ入ってきた。
その瞬間ぎっとニールを睨み、次にフォールン向かって矢をつがえるエリー。
「ま、待ってくださいよ、エリー副委員長!!!」
慌てたブルーフォールンが両手を上げて叫ぶ。
「委員長ぉー!なんとか言ってくださいよーー!」
エリーの手を止めることができるのは、ニールのみ。とっさにそう判断したレッドフォールンは、未だ唖然としているニールに懇願する。
「あ・・・ち、ちょっと待ってくれ。」
わけがわからないまま、一応エリーをとめるニール。
「委員長?・・それに、副委員長って・・・なによ、それ?」
そのきつい視線をニールに向け、エリーは答えを待った。
「なにと言われても、オレも今来たばかりで、わけがわからないんだが・・・。」
辺りを見渡しながら、ニールはばつの悪そうな顔をエリーに向ける。わけはわからないが・・多分エリーの怒りが暴発することは確か、だとニールは確信していた。
「あ!ニール委員長、いらしてたんですか?」
と、奥の方からファイヤーメイジが少し慌てたように走ってきた。
「なんだ、どうなってるんだ、これは?」
自分が召喚したスケルトンメイジだと顔を見ると同時に気づいたニールは、彼に事の説明を要求した。
「す、すみません。早く報告しようと思いつつ・・予想以上に希望者が殺到し続けて、まとめきれなかったんですよ。」
「希望者?殺到しつづけ・・・ってなんだ?」
「つまり、こうなんですよ・・」
メイジスケルトンの説明をニールとエリーは半ば呆然として聞いていた。
それは、召喚も魔法もかけられていないピュアな魔物たち、その彼らがなんとニールやエリーに惚れ込んで仲間になりたいと言ってきたのだということだった。
「ですから、ここに集まって来た者たちは、戦闘が好きじゃないとか、マスターやエリーさんに惚れ込んでしまったとか、なんですよ。」
「惚れ込んだって・・・・・まさかだましていつか殺してやろう、なんて思ってるんじゃないでしょうね?」
「それは、大丈夫です、ほらここに血判などを。」
くるくるっと巻物を開くスケルトン。そこには4,50人(?)とも言えるような数の血判があった。
「あとは、マスター、じゃーないか・・・委員長と副委員長の血判を押していただけば完成です。」
「はぁー?」
さすがのニールも目を丸くして言葉を失っていた。勿論、エリーは彼以上に放心状態。
「すみません、みんなと話し合って、『委員長』と『副委員長』ということにさせていただいたんですよ。なんてったって、1年ニール組ですからねーー。」
にたっと笑い頭をかくメイジスケルトン。
「ま、まー・・・別に人間に害を与えないなら・・オレは別にいいけどな・・。」
小声で呟きながら、ニールはちらっとエリーを見る。
「よかーないわよっ!キャンプのみんなが信じると思う?こんなこと?」
そんなニールとメイジをまるで矢で射るような視線で睨むエリー。
「それに、あ、あたしが副委員長って・・・言っておくけど、あたしはあんたたちの仲間・・もとい!あんたたちモンスターを仲間だなんて思ったことは一回だってないんですからね!あ、あたしは関係ないわよ、こ、こんな・・こんな、モンスターの仲良し学級なんて・・・」
怒りが彼女の全身を駈け巡る。ぎゅうっと握られたこぶしがぶるぶると震える。が、その怒りと反対、その言葉を聞いた瞬間、その場にいた20名ほどのモンスターから拍手喝采が沸き起こった。
「わーーーー!」
「な、なによ・・・なんだっていうのよ?」
怒ったつもりのエリーは、その意外な反応に驚いた。
「さすがエリー副委員長!『仲良し学級』なんて、素敵な命名を!」
「わーーーーーーーーー!!!」
再び湧き上がる歓声。エリーの怒りの声は、その歓声に飲み込まれていた。
「そうじゃなくってーーーーー・・・」


数日後、キャンプ地のアカラへ1通の分厚い封筒が届けられた。
そこには、教室として洞窟を使用することの許可申請書、1年ニール組の新メンバーの名簿とともにその名札発行願い、そして、全員で推薦した各委員の名簿だった。(勿論各委員はニールが召喚した正式なメンバー)
補足として、キャンプ地へは出入りしないという約定書付き。

 −記−

・名 称:1年ニール組
・所在地:Den of Evil
・委員長:ニール
・副委員長:エリー
・火の元責任者:ファイヤーゴーレム(火を全部自分のものとして吸収してくれる)
・国語委員:ファイヤーメイジ(一番人間語を理解している)
・算数委員:アイスメイジ(魔弾の弾道の軌道計算など、計算通)
・理科委員:ポイズンメイジ(実験大好き)
・図工委員:クレイゴーレム(粘土の材料にもなる)
・体育委員:ブラッドゴーレム(筋肉もりもり)
・社会委員:スケルトン(墓地ネットワークで地理に精通)
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[部活]
・弓道部・・弓の腕向上
・理科部・・毒の調合実験、雷実験、自然現象観測
・陸上部・・瞬発力、敏捷性、体力増強
・柔道部・・素手になった場合の戦闘能力向上
・剣術部・・剣の腕向上
(*一般人間の方々の入部も歓迎いたします♪)

そして、許可が下りた数ヶ月後、ニール組のお披露目兼親睦会として、文化祭ならぬ学級祭が開かれることとなった。(ニール、エリーは一切ノータッチ。魔物たちの自主的行動である。)

[催し物]
・劇:世界は一つ、人類魔物みな兄弟♪
・スケルトンの骨琴演奏
・スパイクフィーンドの針投げ
・レッド&ブルーフォールンの剣の舞
・各種スケルトンメイジによる創作ダンス:花の舞
・ブルートの組立体操

[出店]
・焼肉屋
・カキ氷
・よろず市
・宝石ショップ

盛況だった学級祭、そして、焼肉屋の肉の美味さは、いつまでもキャンプでの話題になったが・・・・途中から食肉がなくなり、再生されるから大丈夫♪ということで、ブラッドゴーレムの肉を剥いで焼いていたことは・・・委員長のニールにさえ報告されていなかった・・・。

・・・知らぬが仏・・・・

もっともその焼き方には、目を丸くして驚いた者が多かった。
それは、網の代わりに仰向けに寝たスケルトンのあばら骨の上に肉を乗せ、それをファイヤースケルトンが焼くといったものだった。ちなみに焼く前の味付けは得意の調合スキルをフル活用して調味料の調合をしたポイズンメイジである。(勿論毒は1滴たりとも使用してはいない。それは、死亡者や、食中毒患者が1名もいなかったので間違いない。)


 ああ・・世はかくも平和なり・・・・・・魔物ばんざい!人間ばんざい!
   



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