『ニールとゆかいな仲間たち♪』
== ネクラ・・もとい!ネクロマンサー、ニールの徒然冒険記 ==

その2  よりネクロマンサーらしく ・・・求む!ボーンシリーズ・・

 


 キャンプ地へついた翌日、オレは魔物の徘徊する荒野へと足を踏み出した。

 まずは魔物を倒してからそれを媒介にしてスケルトンを召喚する。
しかし、なんだ、時々考えてしまうんだが、その倒した魔物が人型でなく鳥や動物であっても、人型スケルトンとして現れるんだが・・。小型でも大型魔物でも、同じ大きさだし。小型の場合、骨が不足しないのか?とか・・・・と。
まー、単にその死体を媒体としてるんだから、そんなことを考える方がおかしいとも言えるが。

ん?ひ弱そうに見えるオレは体力不足じゃないのかって?
おいおい、あまりネクロマンサーを馬鹿にしないでくれよ。『見てるだけ〜♪』というわけにもいかないんだぜ。
それに結構彼らを引き連れるのは、精神力だけでなく、体力も必要とされるんだ。自分の力以上に召喚してしまうと、体力消耗が激しくて倒れてしまうからな。

この地でのスケルトン召喚にもう少しなれ、精神力に余裕がでてきたら、次はクレイゴーレム召喚に挑戦するつもりでいる。同じ召喚でもその地その地で違ってくるから、結構思うように召喚できないのが現状だ。

ともかく、近づいてきたゾンビを殴り倒し、スケルトンを召喚し、一応目にとまった魔物を倒して、その日はキャンプ地へと帰った。
実は、次のエリアへ続く道を見張っているローグにその先の通行を止められてしまったからだ。いくらかけあっても通してはくれない。オレの腕をまったく信用していない。
あまり言い争うことは好きじゃない。今日のところはおとなしく彼女の指示に従うことにした。

そして、帰ったキャンプ地でアマゾンに会った。
ボーンヘルムをしていた彼女を一目見たとき、てっきり女性のネクロマンサーかと思い、思わず声をかけた。
「悪いね、わたしは単なるアマゾンだ。なるほど・・あんたが噂のネクロマンサーか。」
「噂?」
「そう、ローグどもがあちこちで噂してたよ。」
「ちょうどいい、ついておいで。」
そのアマゾンは、何も装備をつけていなかったことを気の毒に思ったのかどうかは知らないが、ともかくこれ以上持てないからとか言って、ボーンシールドをくれた。
それは頭蓋骨の飾りをつけた背骨や肋骨などで作った盾。魔法強化されてるから、そこらの盾より頑丈だし、結構高価な代物だ。
「悪いな。ところで、もしよかったらそのボーンヘルムも譲ってはくれないか?」
ちょっとずうずうしいな、とも思ったが、あまりにも彼女に似合わなかったから、思い切って聞いてみた。
「ああ、これね。これは今つけてるのしかないし、これが一番いいものだからあげれないんだよ。・・あ、ちょっと待って。」
彼女はしばらくごそごそと荷物入れを探ると、金色に光る王冠を取り出した。
「これならこのボーンヘルムとひけをとらないくらいというか、少しこの方が下なんだけどさ、これならあげるよ。」
「王冠か?・・そうだな。オレとしては、効果があまり変わらないならあんたが王冠の方にした方が似合うと思うんだがな。」
「それもそう言えるかもしれないが・・・このくらいの差は気休めだろうけど、わたしとしては少しでもいい方がいいし、それに、あんたはいろいろ引き連れるようになるだろ?だから王冠でいいんじゃない?」
・・・召喚した死霊の王・・・・
多分彼女の言いたいことはそういうことだろう。少しからかわれている気もしたが、現状では到底買えそうもない物でもあったし、ここは彼女の言うとおりにすることにした。
「じゃー、お互い死なないように頑張ろうじゃないか。」
そう言って彼女はキャンプ外へと転移していった。

その姿が消えた空間を見つめつつ、オレは思わずつぶやいていた。
「やっぱりアマゾンじゃ似合わないな。ボーンシリーズはネクロマンサーが身に付けてこそ光るってもんだ。」

その日、オレはにやけながら寝ていたに違いない。
夢の中、オレはボーンシリーズで身を固め、メイジスケルトンの大軍の総指揮を取り、強敵を蹴散らしていた。
         


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