〆〆 その21・宝箱と鬼ごっこ? 〆〆

 宝箱に手を延ばす・・・
−ヒュン!−
それは、あと少しで触れるという瞬間にすっと消える。
が、期待したネバネバを塗った窪みへではなかった。
「も一回!」
今度はホトがそこへ近づく、、
−ヒュン!−
「やったぞ!」
見事期待通りにネバネバを塗った所に入る。
ピアースが慎重に宝箱に手を延ばす。
本当に上手くいくのかとドキドキしてじっとピアースの手と宝箱を見ていた。
「どうか上手くいきますように・・・。」
「よ〜し、OKだ!」
宝箱はピアースの手が触れてもびくともしなかった。
さっそく罠を調べに取り掛かるピアース。
「簡単な仕掛けだな、大したことないな。」
簡単に罠を外し箱を開けた。中には『BONE KEY』と『BARBED ARRO W』それと『ANCIENT DUST』が入っていた。
例によって鍵はホトが持ち、 矢は私が持っているのより強力だったので、それと代えることにした。今まで持ってい た矢はコルピッツが持ってくれた。またお城へ帰ったときなどに売ると少しはお金にな るだろうから。それともその前に新しい矢を使い切ってしまうかもしれない、とにかく 捨てては勿体ない。
「BONE KEYかぁ・・きっと大事なとこに入る鍵なんだろうね。」
ホトの言葉にみんな納得していた。
来た道を戻るのだけど、ここに来るまで散々戦ってきて全員疲れ切っていたのでその前 に睡眠を取ることにした。久し振りに眠るような気がする。それも、一応部屋の中なんだし。 (残念ながらベッドはないけど)
夢を見る余裕もないほど横になった途端、私たちは全員深い眠りに落ちていった。


 「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーー!!」
えっ?何をしてるかって?見ればわかるでしょっ?必死で走ってるの!
あのあと私達は3Fまで行ったんだけど、アーチのとこの門が開かなくて地下への通路を見つけたの。
で、BONE KEYで開けたまではよかったんだけど、床のスイッチに気付かないで踏んじゃったのよねぇ−。・・ というわけでぇ・・・ハアハア・・・・・もう説明する余裕なんてないっ!!でっか い岩が追っ掛けてきてるの!
なんとか角まで行って曲がれば大丈夫なんだろうけど。
「ツェナ、もう少しだよ!!」
すぐ前を行くホトが叫んだ。曲がり角が目前に迫ってきていた・・でもすぐ後ろに巨大な岩も迫ってきているっ!!
「神様っ!!!!!」
必死になってなんとか飛びのけた瞬間、岩が壁に激突!
「ふ〜〜・・なんとか・・・・避けれたぁ・・」
私は完全に息が上がってしまってた。心臓もこれ以上早く打てないというほどの早さで打ってるし、もう息が切れそう。
大丈夫だと思ったら足がぶるぶる震えてきて立っていられなくなり、そこへ ペタンと座り込んでしまっていた。
「大丈夫か、ツェナ?」
ピアースがそんな私の顔を覗き込んできた。
「は・・はい。」
私はまだ返事もまともにできなかった。みんなも少なからず息が荒く なってはいるが、私ほどではない。さすがだなぁーーー、と私は思っていた。

地下はトラップばかり、落とし穴ばかりだった。こっちのボタン、あっちのボタンと試 行錯誤を繰り返し、ようやく落とし穴から繋がっていた小部屋にきた。途中ゾンビやフ ァラオのミイラなどに襲撃されながらだけれど。でもカタカタいわせながら襲ってくる ミイラの大群ってどうも不気味。
ゾンビも臭くていやだけど。彼らは、FIRE 系の魔法をどんどんかけてくるから結構苦戦した私達だった。

今、目の前の小間の中には、陶土作りの小像が、乾燥した花びら、骨、ビーズ玉に囲ま れるようにして安置されていた。
「どっかで見たようーな・・」
ピアースがじっと見ながら呟く。
「そうだっ!入れなかった3階のアーチのとこに、こいつにそっくりの顔が刻み込まれ てたんだっ!」
私も思い出した。
そう!あの奇妙な動物の顔と明らかに一緒だった。
「ということはぁ・・重要なアイテム・・・に繋がるかな?もしかして・・ が、気をつけなくちゃいけないのは・・大抵なんかトラップが仕掛けてあるとい うことなんだな。」
独り言のように呟きながら、ピアースはじっと考えているよ うだった。こういうことはやはりその道のプロに任せるにかぎる。他のみんなもピアー スの様子をじっと見守っていた。
と、はっとしたようにバッグの中からだれもが「何にするんだそんなもん!」と悪く言 った『砂の入った袋』を取り出した。
「ん!大きさといい、重さといい見た目にはちょうどいいみたいだが・・?」
2、3度手でポンポンとお手玉のようにやってみると決めたようだった。
そして、ピアースは慎重に、手早く像をかすめ取りながら代わりに砂袋を置いた。
その取替えは周りの花びらが微動だにしないほどの瞬間芸。全員そのあまりにも見事な手つきに言葉もで ないほどだった。

「さ〜てと・・他には何もないようだし、3階に行くとしようぜ!」
意気揚々としたピアースがその像をバッグにしまい先にたった。
他にはもう行くところがないといっても、鍵じゃないのに、その像で、開かなかった3階の門が開くんだろうか、とも思いつ つ、まぁ、ピアースの感を頼るしかないか、と思いながら、私も彼のあとについて行く。
中に門番でもいて像を見せると入れてくれるのかもしれない。

 


〆〆to be continued〆〆


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