〆〆 その5・攻撃呪文炸裂! 〆〆

 地下・・・うーん、このお城って本当に気持ちが悪い!地下なんて最低っ!!できた ら外に出たいよぉ、なんてことを考えながら私はみんなの後をついて歩いている。
だってそうでしょ!誰が好き好んで骸骨をかき分けるの?書類の下から見つけた『牢屋の鍵』で牢屋を1部屋(?)ずつ探索!!!
まあ、1人で待っているのも心細いので一緒にしたんだけど。
ここで 見つかったのは『死者の日記』とリュートの一種『HARMONIUM』。これは吐き 気を催して戦闘不能にするもの。
死者の日記は何が書いてあるのか、チンプンカンプン、確かアイテムが必要だった。でもどこだったっけ?どうもあまり覚えてない。
「まあ、いいじゃないですか、そのうち見つかりますよ。」
とやさしく言ってくれたハートレーに感謝した私だった。

ワインの倉庫では『ワインのビン』を見つけた。樽は空っぽだったのでみんながっかり していたみたい。みんな結構お酒好きみたいなのよね。ピアースがもう少しでそのワインのビンを割りそうなのを止めて私は自分のバッグにしまった。だって・・・ずっと後になってから必要になるもんね〜。でも、今は内緒にしておいた。みんな変な顔してたけど・・そんな空き瓶どうするんだ?って感じで。
南東の塔の部屋に立て籠もったおじいさん、ル・モンテス。彼の伝言が書いてある部屋もこの地下にあった。
「合い言葉は、『スヌープチェリ』!!そうそう、これこれ、犬のぬいぐるみよ!確かこれを持って行くと『銀の鍵』をくれるんだわ。あの時この名前を思い出していれば、ドアだけでも開けてもらえて武器を安く買えたのに。」
私は壁の落書きを見つけて叫んでいた。
「犬のぬいぐるみだって?声しか聞いちゃいないけど、じいさんのようだったじゃないのさ。」
ホトが呆れたような顔をしている。
「うん、そうよ。そうとう歳のいったおじいさんよ。」
「へーぇ、それでぬいぐぬみ・・ねえ。よっぽどの思い出があるか・・・きのじのきーちゃんか、だね。」
「何?そのきのじのきーちゃんって?」
「気違いってことさ。」
「???!!!そっか。」
少し考えないとホトの言ってる意味は理解できなかった・・。それってどこの言い方?
「で、そのぬいぐるみってのは何処にあるんだい?」
ホトが興味を示す時はいつも耳がぴくぴく、目がくりくりしてくるのでよく分かる。
「なーに?ホト、ぬいぐるみに興味あるの?」
「べ、別に・・ただそれがないとそのなんとかいう鍵が手に入らないんだろう?」
ちょっと慌てたように早口で言いながらホトは、腐ったチーズを振り回した。それはこの部屋とは並びで普通の水と毒水の泉が並んでいる向こうの2部屋目で見つけた物。
なるほど〜・・ホトってぬいぐるみ好きなんだ・・ヴァルキリーでも、やっぱり女の子なのよね〜。
「ギ、ギイーー、キー!!」
なんてのんきな事を考えてたら、チーズの匂いに吊られてネズミが崩れ掛かっていた壁を破って飛び出してきた!それもものすごく大きい!!
い、いけない!すぐそこだったの忘れてた〜!
「ば、化けネズミだあ!」
ピアースも突然の事だったので、驚いたらしい。つい大声を出してしまったみたい。
でも一瞬後もう攻撃体制を取っている。
「さーすがァ」
なんて言っている場合ではない!こっちに向かってきてるんだから。他のみんなも、もう攻撃を仕掛けている。私も遅れをとっては!!!でも、リュートを弾いてる余裕はなさそう・・・。
とっさに私は飛んでいく攻撃呪文を頭に描いていた。顔の前に両手で円を作り念を込める。ただし素早く。のんびりしてては、向こうの攻撃の方が早い。
「『FIREBAーーーLL!』」
両手のひらから黄色を帯びた半透明の紅玉が、襲いかかってくるジャイアントラッツめがけて飛んでいく。
みんなは、私の姿勢から判断して、すでに攻撃を退き、防御態勢をとっている。う〜ん、さすが!!
−バシューーーン!−
大当たり〜!
−ギ、ギィ!−
ジャイアントラッツは炎の熱さに一瞬たじろいだかのようにみえた・・が・・
「・・・えー?燃えながら襲って来ないでよお!」
火だるまになりながらも私の方に向かってくる!なんという執念!いや、怒り狂ってるのかも・・。
「よ、よーし、今度は・・『FIRE−STOR〜〜M!!』」
ファイアーボールはそのときだけ。でも、ファイアーストームは、確実に受け止めて(誰が受け止めたいんだろ? /^-^;)くれれば、数分、受け止めてくれた者の周りに炎の嵐(?)が留まる、と言おうか・・炎の嵐にその身を包まれる・・・うーーん、こう考えてみると・・なんて、怖い呪文なんだろう・・・。
「ふーーっ・・」
なんて考えてるうちに・・火だるま+ピアースの手裏剣とホトのスピア攻撃で、ジャイアントラッツは、めでたくご昇天・・・。跡形もなく燃え去った。
炎の嵐に包まれてたんじゃ、直接攻撃専門のターマンたちでは、手を出せないから。
もっとも・・焼けこげて崩れていく様相を見ている勇気が私にあるはずもなく・・ (自分が放った攻撃呪文なのに・・・)敵が向かって来ないと判断するとすぐ、目を背けていた。
その行動は誉められることじゃないけど、ターマンも今回は何も言わなかった。まー、きちんと私の呪文が発動したんだし・・初めてだけど、攻撃魔法だったので・・一応合格点といおうか・・・お目こぼしかな?
そして、私たちはその崩れた壁を広げて、壁の向こう側の通路を進んだ。
当然、その先にある部屋の宝箱から例のぬいぐるみを見つける!(私の記憶は確かだった!v(^-^) )

「何、これ?きったなーい!こんなもん、早く持っていこ!」
ホトが触るのもいやだというように指先で摘み上げる。
みんなも同様の意見らしい。だれも持とうとはしない・・・。でも、必須アイテムには違いない。私はハートレーにいらない布をもらって、それを包むと自分の背袋の中に入れた。(これもハートレーからの貰い物)
で、まだクイークエグに会ってなかったけど、先にル・モンテスに渡しに行く。
案の定、ドアの前で「スヌープチェリ」と言ったら、彼はすぐ開けてくれた。
そして、目的の『銀の鍵』をお礼に貰うと、ちょっと買物をし(クイークエグより安いんだよ。もっとも品揃えが悪いけど。)再び地下に下りてきた。

 ・・地下・・・牢屋の探索が終わってるので、あと、行くとしたら・・海賊さんたちの溜まり場・・合い言葉のいる部屋は後回しにして・・。(覚えてるけど・・海賊の船長が怖いから、他の部屋に案内したの。) で、後残っている部屋も海賊や血の気の多いローグが一杯いて・・確か・・彼らは理由などなしに襲ってくるはず・・・。
・・ああ・・もうじき私も正真正銘、殺人者?!・・モンスターは初めて殺したけど、今度は、人間・・・。
そんなことを考え、私の歩みは、無意識に遅くなっていた、と思う。
ホトが何やらいろいろ話しかけてきているんだけど、上の空みたいな感じで、私は適当に返事をしている。
だめ!こんなことじゃ!元の世界に帰れないぞ!
私は、弱気を振り払うべく、ぶんぶん!と頭を数回振った。

 


〆〆tobecontinued〆〆



前ページへ 目次へ 次ページへ