外伝(4) 心のすれ違い

 


 

   惑星、タロス。ディーティアさんの眠る星。ついに来た、来てしまったんだ。私達はシャトルを下りるとステーションホテルに宿を取った。
「さおり、俺はこれからディーの墓参りに行ってくる。俺としてはさおりにも来てほしいんだが、、」
荷物を置くと少し言いにくそうにダグが言った。
「ええ、いいわ。」
私はかねてから決めていたように答えた。
ホテルを出、途中で花束を買い、町外れの墓地に行った。
「これがディーティアさんのお墓、、、。」
ダグはその前に座り込み話し出した。
「ディー、こいつが俺のさおりだ。俺は君を守れなかった代わりにこいつを一生守っていく。それでいいだろ?」
「ディーティアさん、ごめんなさい。私、もうダグなしではいられない。」
ダグはじっと彼女のお墓を見つめて座っている。私はそっとしておこうと思い、そこを離れた。季節は秋なんだろうか、心地好い風が吹いている。私は暫く門の所で風に吹かれていた。
「さおり。」
「もう、、、,いいの?」
「ああ、悪かったな。」
「ううん、ちっとも、、、」
私は少し笑ってダグと歩き始めた。

 「ダーグ!ダグでしょう?」
不意に後ろから女の子の声がして私達は振り向いた。
「やっぱりそうだ!ダグ、任務無事終了、おめでとう!」
その子はダグに飛びついた。
少ーし丸い顔、くりくりした目、小麦色に焼けた16、7才位の元気一杯の女の子。
「ギィ、ギィか?」
ダグは少し驚ているようだった。
(ギィ、、、確かリーシャ、そう、ディーティアさんの妹だわ。)と私は思った。
「大きくなったなあ。」
ダグは彼女を子供にするように抱き上げた。
「うん!もう!子供扱いしないで!私、もう17才よ!」
彼女は下ろしてもらうと頬を
大きく膨らませて怒った。私の事など全く眼中に無い。
「もうコロニー中噂よ!ダグは英雄だって!私も、もう鼻が高くって、ダグを知ってるのハイスクールでは私だけなのよ。ねえ、ねえ、ダグ、たまには私ん家へ寄っていってよ!いつも姉さんのとこばかりじゃなくて、ねっ、パパもママもきっと喜ぶわ!」
彼女はまだダグの腕にしがみついている。
「あ、ああ、そうだな」
ダグも彼女に微笑んだ。
「ほんと?嬉しいっ!」
いきなり彼女はダグの首に巻きついた。
「おいおい、ギィ、」
ダグはびっくりしながらも彼女の背に手を回してる。
「ねえ、ダグ、私、ハイスクール卒業したらOSSに入るの。それでダグと一緒に調査に出るのよ!」
ダグに抱きついたまま話し始めた、
「パパもママも、賛成してくれてるわ。私、私、姉さんの夢を全部継ぐの!」
「ディーの夢?」
ダグが彼女を離しながら言った。彼女もダグの首に回していた手を離し、少し恥ずかしそうにしている。
「ええ、そう。OSSに入って新しい道を発見するの。そうしたらダグがそこにコロニーを造る、それが姉さんとダグの夢だったでしょ?でも、今ダグはOSSに入っているから、私、一緒に何処までも飛んでいきたいの。それで、それで、いつかダグと、、。んー、もう女の子にここまで言わせるもんじゃないわ。でもでも、パパやママもそのつもりみたい。姉さんだって私とならきっと許してくれるわ。ねえ、ダグ、、、いいでしょぉ?それとも私の事なんて嫌い?」
ダグの両手を握ると甘えたように言った。
「嫌いじゃないが、、、」
ダグは困惑した表情をしている。
「ほんと?」
目を輝かせ、握っていた手を離すとダグの胸に飛び込んだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、ギィ。」
さすがのダグも戸惑いを隠せなかった、
「嫌いじゃないが、、俺は、、」
そう言いながらダグは私の方を見た。ようやく彼女も気付いたらしい。じっと私を見る彼女に、私は何と言っていいか分からなくて黙って立っていた。
「ギィ、この人は俺と一緒にアルゴで、」
ダグが言いかけたのを制して、彼女はダグを少し睨み付けた。
「ダグッ?!この人、、、まさか、、まさか恋人?、ねえ、違うわよね、違うわよね!」
「ギィ、、、」
「ダグ、姉さんのこと忘れちゃったの?忘れてこんな人連れてきたの?」
ダグは何から話したらいいのか迷ってるようだった。困ったような顔をして黙っている。
「じゃあ、姉さんは?ダグの代わりに死んだ姉さんは、どうなるの?姉さんがかわいそうとは思わないの?、、、」
ダグから離れ、口をぎゅっと噛むと彼女は叫び出した。
「許さない!許さないんだから!私、こんな人絶対許さない!パパやママだって私以外の人なんて許さないんだから!」
そう言い捨てると彼女は走っていった。
「ギィ、、、」
彼女の後ろ姿を見ながらダグが呟いた。
「ダグ、、、」
私もどう言っていいのか言葉が見つからなかった。ダグは何も言ってくれない。私達は黙って歩き出し、結局一言も言葉を交わさずホテルまで来てしまった。

 「さおり、ギィの家へ行ってくる。」
ダグが言い出しにくそうに言ったのは、その日の夕方だった。あれから私達は何故か少し気まずくてあまり話さなかった。もっともコロニーの区長さんとか経済団体の会長秘書だとか偉い方達ばかり次々と訪ねて来て、2人でゆっくりしてる暇などなかったけど。
部屋はそういった人達ばかりで気疲れしてしまって、私は1人でここのロビーに避難した。ゆったりした白色のアームチェアーに真っ白な円形テーブル。ここからは中庭が見え、普通ならとっても気持ち良く感じるだろうと思う。只、私は今、なんとなくダグと気持ちがしっくりいってないので、そうした景色も目に入らない。
「ええ、そうね。そうした方がいいわ。」
私は何でもないというように笑っていた。
「親父さんたちに会ってくる。遅くなるかもしれんが戻って来るつもりだ。先に寝て待っててくれ。」
(いや、ここにいて!私の側に!)と言いそうなのを私は、必死に堪えていた。ダグはそんな事は思いもしないのだろう。私の頬にキスをするとホテルを出ていった。私はまるで母犬にはぐれた子犬のような気持ちだった。ダグが見えなくなっても私の目は彼の後ろ姿を追っていた。何故だかとっても不安でしかたがなかった。(お願いダグ、早く帰ってきて。)心の中で叫んでいた。

 どの位たったんだろう、結構そんなに時間はたってないのかもしれない。あのままずっと座っていた。私は庭に出てみることにした。
「ふー、全く!いつからさおりはこんなに弱虫になっちゃったの?そんなに気にすることないじゃない!ディーティアさんの事は分かってたんだし、ダグは戻るって言ったくれたじゃない。いつものさおりはどうしたんだ?」とおもいっきり自分を叱った。

暫く庭を歩き池の側にベンチを見つけてそこに座った。ぼんやりと夜空を見ていた。
ふとだれかに見られているような気がして、私は立ち上がった。
あの女の子、ギィがいた。「あなた、、」私は声をかけようとして止めた。彼女は両方の拳をギュッと握りしめキッと私を睨んでいた。そしてゆっくりと話しだした。
「ダグはもうここへは帰って来ないわ。パパとママがそんな事許さない。パパとママは姉さんの代わりに私とダグが一緒になるのをずーっと楽しみにしてきたのよ。あんな事があったのに、ダグの事を息子のように思ってて、だから、だからもうここへは絶対来ないわ!」
「でも、ダグは必ず帰るって、、」
私は震える声でそう言うのがやっとだった。
彼女の口調は一段と激しさを増した、
「あなたなんか、、、あなたなんか、絶対認めないっ!姉さんだってそうよ!絶対認めないんだから!ダグだって、ちょっと、ちょっと姉さんに似てるから勘違いしてるだけなのよっ!、、、そのうち分かるわ!それに、それに、姉さんとそっくりなあなたを見てダグがどんなに苦しんでるか分からないの?」
「苦しんでる?」
「そうよっ!あの時の事ばかり思い出すわ、きっと。あなたなんてダグを苦しめてるだけよっ!」
「そんな、、」
私はもう気が動転していた。
「帰ってよっ!ここはあなたの来る場所じゃないわ。帰ってよっ!ダグをこれ以上苦しませないでよっ!」
そう言い終わるとくるっと向きを変え、彼女は駆けていった。

私は、冷静さを完全に失っていた。昼間のダグとのちょっとした心のすれ違いや不安感、ギィの言葉、いろんな物が混ざって私を責め立てた。私はショックだった。
私は一人部屋で待っていた。
(うそよね、ダグ。早く帰ってきて、、お願い。早く帰って私を抱き締めて!)
そう叫んでいた。心が張り裂けそうだった。何をしていいのか、どうすればいいのか、私は分からなくなってしまった。ダグはまだ帰ってこない。
(やっぱり彼女の言った通りなんだろうか、ううん、そんな事ない、ダグは私を愛してるっ
て言ってくれたわ。)
時がたつ。今何時だろう?何時間も何十時間もたったような気がする。不安が私の心の中で少しずつ増していった。
(ここは、ここは、私がいるべき所じゃないんだ。いてはいけないんだ。、、、ダグのそばにいてはいけないんだ。)頭の中でギィの言った言葉がグルグル回った。
「帰ろう、アリタスラに、、。ううん、どこでもいいわ。ここにはいない方がいいんだ。」
そう思うと私はホテルを飛び出した。
(なんでもいい、行き先なんか関係ない。とにかくここを出よう。もうここにはいられない。)
そう思いながら私は夜道を走っていた。後はよく覚ていない。気がつくと私は船の中にいた。窓から見えるタロスはもう随分と遠くになっていた。
「ダグ、、、」
そう呟くと涙がどっと零れてきた。


 惑星タロス、コロニーA1。ラルーファス家の居間。ラルーファス夫妻とダグがテーブルを囲んでいる。
「よーく分かったわ、ダグ。そんなに気を使う必要はないのよ。」
夫人が、静かに言った。
「ダグ、前にも言ったけれど、あなたのせいじゃないわ。確かに最初はあなたを責めたけれど、でもこの人に言われて、あなたこそが一番傷ついているって気がついて。いえ、多分、最初から分かっていたと思うの。分かっていてあなたを責めることで気を紛らわしてたんだわきっと。」
「いえ、本当の事ですから。」
夫人は真剣な眼差しで見つめているダグに微笑むと続けた、
「私達はあなたを息子だと思っているのよ。だから、、やり切れない目をしていつも苛々してるあなたを見ているのが堪らなかったわ。ディーにどうしたら元のやさしいあなたに戻るのかと相談した事もあった。お墓の前で何時間も話したわ。そのうちあなたはOSSに入ってしまって会うこともなくなった。あれはあなたがOSSに入って3年位経った時だったかしら、ディーのお墓で偶然あなたと会い、無理やり家に連れてきたのは。あれからあなたはディーのお墓に来た時、時々家にも立ち寄ってくれるようになったんだわ。私達は時が解決してくれるだろうと思っていたの。でも、あなたはいつまでたってもディーの死から立ち直れないでいた。あなたの目はいつも死を見つめているようでとても心配だったの。それが、今日こうして会って、私達本当に安心したのよ。とっても安らいだ目をしてる。きっとそのさおりさんとかいうお嬢さんのおかげね。ディーも喜んでると思うわ。」
「おばさん、、」
ダグは夫人をじっと見た。
「だからダグ、気にしないで。そうそう、」
思い立ったように夫人は言った。「ねえ、ダグ、その方、一度家に連れてきて下さらない?是非お会いしたいわ。ね、あなた。」
と夫の同意を誘った。
「ああ、ダグ、私も会ってみたいもんだ。あれだけ荒れていた君の心を和らげた人だ、きっとすばらしいお嬢さんなんだろう。」
ラルーファス氏もにこやかに言った。
「あ、いえ、、そんなんじゃ。」
ダグはなんと言っていいのか分からなかった。(まるっきり子供で、おっちょこちょいで、気が強いだけのやつだからな。)
「でもここ一週間ばかり、世のしがらみってやつで、帰るそうそういろんな所から招待されてしまって。実は明日の夕方もこのコロニーの区長主催のパーティーに呼ばれてるんです。」
「そうだろうな、今や君達アルゴのクルーは英雄だからな。」
氏はお気に入りの葉巻に火をつけながら笑った。
「俺はどうもそんな事は苦手なんですが、仕方無いし、それにさおりは結構楽しんでるみたいだから。」
「それはそうでしょう、女の子なら誰でもそういった席に出席する事は楽しみにするものよ。とにかく今日はゆっくりしていってちょうだい。久し振りにダグの好きなものでも作るわ。」
夫人はキッチンへと立ち上がった。ちょうどその時玄関のドアが勢いよく開いた。
「ただいまっ!ねえ、ダグが帰って来てるの知ってる?」
そう言った彼女はダグを見つけると少し気まずそうに立ち止まった。
「もうギィったら、もう少しおとなしくできないの?ダグにも笑われるわよ。」
夫人がたしなめる。
「だって、、」
何か言おうとする彼女より先に夫人が話し出した、
「ねえ、ダグったらとってもいいお嬢さんを連れてきたのよ。ディーによく似てるんですって。」
婦人の言葉を最後まで聞かずにギィは怒鳴り出した。
「そんなの私に関係ないわっ!それに、そんな人連れてきて、、姉さんがかわいそうよっ!」
バーン!とドアを開け彼女は外に飛び出した。
「ギィ!!」
夫妻が同時に叫んだ。
「本当にしょうもない子なんだから。」
夫人がため息まじりにそう言うと、ラルーファス氏が立ち上がりながら夫人に言った、
「お前が甘やかすからだ。」
「甘いのはあなたでしょっ!」
夫人も黙ってはいない。
(おいおい、夫婦喧嘩はよしてくれ。)と思いながらギィを探しにいこうと立ち上がったダグを夫人が制した。
「いいのよ、ダグ、そのうち帰ってくるわ。ちょっとびっくりしただけよ。あの子も分かっているはずよ。それより急いで食事の支度をするから、主人と話でもして待っててちょうだい。さおりさんの事やこの前の任務の事、もっと聞きたいわ。」
そう言うと奥へ入っていった。
「ああ、それがいい、ダグ。ギィもすぐ戻るさ。ところで、いいワインを手に入れたんだが、一杯どうだね?」
ギィを探しにいこうと立ち上がった氏なのだが、夫人になにか言われそうで、そうすることを思いとどまり、サイドボードからワインを取り出すと再びソファに座った。


 次の日の朝早く、ダグはどうしても会いたいからと言うラルーファス夫人のエアカーでホテルに帰った。夕べ遅くなっても帰るつもりだったダグだが、遅く帰ってきたギィにまとわりつかれ、また夫妻にどうしてもと引き止められ、そのまま泊まってしまったのだった。
(連絡をするのを忘れたからさおりのことだ、きっとかんかんに怒っているだろうな。)と思いながら部屋に向かった。
「さおり、いるか?」
部屋へ入った。が、返事はない。「さおり」と呼びながら部屋中探してみる。やはり部屋はもぬけのからだ。
「どうしたんでしょう。」
夫人も心配顔になってきた。
「確か下にはいないと思ったけど、、見てきます。行き違いになるといけないからここで待ってて下さい。」
ダグは夫人に言うと部屋を出ていった。
(全くガキだからなぁ、どこかですねているんだろう。)
とにかくフロントで聞いてみることにした。
「宮原様なら昨夜遅くお発ちになられましたが、、。」
驚くダグ。
「何時頃だ?」
「そうですね、16、7才の女の方が10時頃宮原様を尋ねてみえて、お庭のほうにいらっしゃる事を告げましたらそちらへ行かれたようです。そのあと1時間位たってからでしょうか、宮原様が真っ青な顔をして私にシャトルの時間をお聞きにみえたのは。私は何か悪い報せでもきて急いで帰られると思い、切符の手配をしてお見送りしたのですが、、、」
「あ・の・バカやろう!!何考えてんだ?!待ってろって言っておいたのに!」
ダグは舌打ちしながら怒った。部屋に行きラルーファス夫人にその事を告げるダグ。
「きっとギィだわ。あの子が何か余計なことをさおりさんに言ったんだわ。それで何か勘違いをして。」
夫人も心配顔をしている。
「あいつの行き先は分かっている。あいつは両親とも亡くしてるからアカデミーしか帰るところはないはずだ。多分、アカデミーのあるアリタスラだ。」
「そうなの?なんて事、、きっと心細く感じてるんでしょうね。」
「行き先は分かっているが、お偉方との付き合いをすっぽかすわけにもいかない。、、発つのはどうしても一週間後だな。」
困りきった顔をして溜め息混じりで言うダグに夫人が少しきつい顔で言った、
「でも、もしも、もしもよ、さおりさんの身に何かあったら、、。」
ダグはまさかという顔をして夫人を見た。
「女の子は時に自分が何をしているのか分からなくなる事があるのよ。きっと、さおりさんは不安だったのよ。だからギィの言う事をまともに受けて、、。」
(そうだな、、、あのバカ時々とんでもない事をしやがるからな。)
「心配することはありません、おばさん。あまり気が進まないんですが、OSSのコンラッド理事に連絡すれば、さおりの居所などすぐ分かります。何といっても実の娘のように思っているんです、理事は。」
ダグは暫く考えてから心配顔の夫人に言った。
「そう。」
夫人も少し安心したように微笑む。
「ダグ、じゃ、OSS支部へ行くんでしょ?私のエアカーを使ってちょうだい。」
「いいんですか、おばさん?」
すまなそうにダグが聞く。
「ええ、いいのよ。私はタクシーで帰るから。あとのことは主人に頼んでおくから心配しないでちょうだい。さおりさんの居場所が分かったら教えてちょうだいね。私はギィとよく話をしてみるから。」
「すみません、じゃあ、お借りします。」
「それから、いい?見つかったらさおりさんをあまり怒らないこと。それと、彼女の不安を消してあげること」
そう言うと夫人はエアカーのキーをダグに渡した。
「不安を消す?」
「そうよ。あなた忙しくってさおりさんとあまり話してなかったんじゃない?女の子は不安になるものなのよ、一人でおいておかれると。」
そういえば、そうだった昨日は、と思い起こすダグだった。(それにギィとの事もあるし。)
「あなたは昔からどちらかというと話をするのが好きじゃなかったわ。でも愛の言葉だけは出し惜しみしちゃだめよ。いい?言わなくても分かってるって思ってるかもしれないけど、でも、言えばもっと分かるのよ。いえ、言わないと、わからない場合もあるのよ。だから、、、」
散々夫人にお説教されるはめになった。
「分かりました、おばさん、ありがとう。」
ダグはキーを握ると駐車場に急いだ。
「全く!さおりのバカやろう!何考えてんだ、あいつは?本当にガキなんだからな!」
そう呟くとOSSタロス支部へとエアカーをとばした。
(きっと理事に大目玉をくらうだろうな。)と思いながら。

   


Index Back Next