Stardust Stargazer
−星屑(ほしくず) 星見人(ほしみびと)−


 
第二部その4・予定変更しての出発   
 

 

 修理ロボも含め4人で旅立つ予定だった。
が、やはり完全に留守にするというのも心配だった。加えて、まだまだあちこち修理途中の箇所がある。部品が完全にないというのなら修理も諦めるが、ある程度のストックはある。全く修理できない状況でもない。

「じゃー、どうする?ここは急がず慌てず2手に別れて、行動する?」
まいりが腕組みをしつつ提案したが、それはどうやら4人全員の考えでもあったらしく、一様に言葉には出して返事はしないが、お互い目でその意思を確認しあう。
「居残り組は、修理作業がメインだから、あたしとロボちゃんが残るわ。大変なことを押しつけちゃうようだけど、りんちゃんとイザムで、エナジー源までの旅をお願いしたいわ。」
「分かった!大丈夫だよ、そんな遠慮しないで。残ってる方が楽ということもないと思うよ。」
笑みを浮かばせてそう応えたイザムにまいなは、ほっとしたような笑みを返した。
「そうね、時には麓まで下りてあれこれ調べてみるわ。部品の材料になりそうなものくらい見つかるかも知れないし、情報だって村や町へ行けば、いろいろ入るかもしれない。」
「今後の予定が決まりそうで、今にも出発しそうな雰囲気ですが、もう少し待ってくれませんか?」
不意に割って入ったようなその言葉に3人はロボに注視する。
「打ち上げ予定の小型通信衛星に転送システムも組み込もうと思ってるのです。」
「え?衛星なんて打ち上げれるの?」
「衛星はなんとか部品を寄せ集めて極小サイズですが作れましたし、極小ならではの利点で、ソーラーシステムで打ち上げ及び稼働も大丈夫そうです。そうすれば惑星の裏側もスキャンできます。」
「え?でも裏側の衛星と通信できるの?」
「ああ、そこはね、亜空間通信システム使ってるから惑星の裏側だろうと恒星の向こう(え?)だろうと大丈夫なの。まー、時にはフレア活動とかイオンストームとかで遮られることもあるけどさ?」
「そうなんだ。」
ほっとした表情でイザムは続ける。
「緊急なときは転送ビームで船に戻れるってことは、4人一緒にいるのと同じと思っていいんじゃない?」
「確かに・・そう・・・・かも?」
まいりがにっこりと応える。
「で、その転送方法ですが、衛星を介して一方通行でなく、IDチップによるロックオン対象の位置を把握することで往復可能となるはずです。」
「ええ?ロボ、なんでそれを最初に言わないのよ?」
「衛星が形になるかどうか前の話し合いの時点では不確かだったからです。期待させて出来ないのでは落胆させるだけだと判断しました。」
「ふう・・ほんとにロボちゃんってロボット?」
「血は通ってないですからロボットには違いありませんよ。」
「あは☆確かに♪」
「じゃーさ、怪我をしたとか調子の悪いときなんかメンバー交代できるよね?」
「そういうことです。」
往復可能な転送ビームが可能という明るい話題に、緊張した空気はいくらか和らいだようだった。

そして一行は明るい気分で、その準備に取りかかった。
未知の惑星の旅に供え、万が一の場合を想定し、出来る限りの対処を取れるように準備しておく必要があった。


数日後、衛星の打ち上げに成功し、転送システムの動作確認をした後、まいりとイザムは衛星を通した惑星スキャンで得た情報に基づいた旅人の格好をし、船を後にした。



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