なぜ 逝った・・・・
ようやく見つけた乗り手よ・・・オレ自身よ・・・
地の果てまで、いや、世界を超え
どこまでも 共に 行こうと
誓い合ったのではなかったのか?
小さき人間よ・・
小さな・・小さな人間よ・・・
それでも、お前は 乗りこなしたではないか・・・
神馬をも、そして、魔馬をも超えたこのオレを
・・・猛り狂うオレの背の上、
お前は決して小さなものではなかった・・
オレは、この世で最強の馬だ。
どんな深い海も、どんな高い山も
一息で越えてみせる。
どんな強い猛獣でも、どんな強烈な魔でも
一瞬で倒してみせる。
善であれ、悪であれ、
天使であれ、悪鬼であれ、
オレに敵う奴はいない・・・・・・
それが、・・・そのオレが・・なぜ?・・・
そうだ・・オレは死んだのだ
たった一人の小さな乗り手がオレを殺してしまった・・・
再び空虚となってしまった己の背(こころ)・・・
お前という乗り手の突然の消失に、
オレもまた・・死んだ・・・
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知ってしまった満足感の消失は
知る前に感じていた焦燥感などとは比べものにならぬ・・・
どこへ行けばお前に会えるのだろう?
いくつ世界を駆け抜ければ、
お前を再びこの背に乗せられるのだろう?
疲れなど知らなかったはずなのに・・・
死など寄せ付けなかったオレなのに・・・
いや、今一度旅立とう・・・
狂気がオレを破壊の王と変えぬうちに
力溢れ、自信に満ちたオレを蘇らせるために
お前はきっとどこかでオレを待っていてくれるはずだ・・・
オレがお前を欲しているように・・
お前もオレを・・・・
そうであってほしい・・・
・・・いや、そうであってくれなくてはならぬ・・・
お前は世界を救う勇者・・・
狂気がオレを支配せぬうちに・・・
オレたちはまた出会わなければならぬ・・・
オレはお前・・・お前はオレ
同じ心を持つ・・・魂の片割れ・・・
オレがオレであるために・・・
お前がオレであるために・・・
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