◆願望◆      ◆詩・その2◆

     
なぜ 逝った・・・・
ようやく見つけた乗り手よ・・・オレ自身よ・・・

地の果てまで、いや、世界を超え
        どこまでも 共に 行こうと
      誓い合ったのではなかったのか?


小さき人間よ・・
 小さな・・小さな人間よ・・・
  それでも、お前は 乗りこなしたではないか・・・
 神馬をも、そして、魔馬をも超えたこのオレを
   ・・・猛り狂うオレの背の上、
 お前は決して小さなものではなかった・・


オレは、この世で最強の馬だ。
どんな深い海も、どんな高い山も
          一息で越えてみせる。
どんな強い猛獣でも、どんな強烈な魔でも
           一瞬で倒してみせる。

善であれ、悪であれ、
天使であれ、悪鬼であれ、
オレに敵う奴はいない・・・・・・


それが、・・・そのオレが・・なぜ?・・・

そうだ・・オレは死んだのだ
  たった一人の小さな乗り手がオレを殺してしまった・・・

再び空虚となってしまった己の背(こころ)・・・
  お前という乗り手の突然の消失に、
    オレもまた・・死んだ・・・


     ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆









知ってしまった満足感の消失は
 知る前に感じていた焦燥感などとは比べものにならぬ・・・


どこへ行けばお前に会えるのだろう?

いくつ世界を駆け抜ければ、
    お前を再びこの背に乗せられるのだろう?

疲れなど知らなかったはずなのに・・・
 死など寄せ付けなかったオレなのに・・・


いや、今一度旅立とう・・・
 狂気がオレを破壊の王と変えぬうちに
  力溢れ、自信に満ちたオレを蘇らせるために


お前はきっとどこかでオレを待っていてくれるはずだ・・・

オレがお前を欲しているように・・
 お前もオレを・・・・


そうであってほしい・・・
 ・・・いや、そうであってくれなくてはならぬ・・・

お前は世界を救う勇者・・・
 狂気がオレを支配せぬうちに・・・
  オレたちはまた出会わなければならぬ・・・

オレはお前・・・お前はオレ
 同じ心を持つ・・・魂の片割れ・・・

オレがオレであるために・・・

 お前がオレであるために・・・
  
         

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