◆詩・その1◆




疲れているのか?・・・・・

いや、疲れてなどいない・・いるはずがない。
オレはこの世界で最強の馬だ。

どんな深い海も、どんな高い山も
             一息で越えてみせる。
どんな強い猛獣でも、どんな強烈な魔でも
               一瞬で倒してみせる。

善であれ、悪であれ、
天使であれ、悪鬼であれ、
オレに敵う奴はいない・・・・・・

だが、この焦燥感はなんだ・・・・・
闘う相手が欲しいのか?

いや、違う・・・・

欲しいのは・・・オレが欲しているのは・・・
              たった一人の乗り手

オレの背の空虚を、心の空虚を埋めてくれるオレの主
滾る心と情熱を持つ人物・・・
オレを理解してくれるただ一人の主が、友が・・・欲しい・・・

そうだ、今一度旅立とう
 時を越え、世界を越え・・・オレがオレである為に
 どこかにいるであろうオレの分身、オレ自身を探す旅に


     ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆


◆渇望◆


乗るというのか?・・・このオレに?

  笑止・・・・・お前ごときが何を言う?

神馬をも、魔馬をも超えたオレの背に?

神であれ悪魔であれ、
オレの背に乗ることなど能ぬものを 

小さな人間ごときのお前に能うはずなどない

・・だが・・・・

もしも滾る心があるというのなら、神をも魔をも
超える熱い想いがあるというのなら、

乗ってみるがいい
       オレの背に

認めるとしよう、
 見事乗りこなすことができうれば、
さすれば、
 お前がオレの主だということを
 只一人の友だということを
 同じ魂を持つ・・・オレだということを・・・・・

小さな、小さな人間よ
それでも怯まずオレの前に立ちはだかる小さき人間よ・・・

・・・お前の想いを見せてみよ!
        大きく熱く滾るお前自身を!
          オレの想いを超える情熱を!

    ・・・・・オレの心を埋めてみせよ・・・・・
      



-戻る- -火馬INDEX- -次へ-