オリジナル絵本 
  -CGとショートショート-
 
 魔の迷宮 

  
画像をクリックして下さいね。
yhajiさんが作って下さった曲です。
ありがとうございました。
     

 覇者のラビリンス・・・聖魔の迷宮とも呼ばれるそれは、聖と邪の住むところ。その通路は複雑怪奇に入り組み、その奥へ足を踏み入れた者を出すことを拒んでいるが如く、無限の広がりをみせる聖と魔の、そして、力と財宝の眠る迷宮である。

 どこまで、そして、どこに続いているのかわからないその不気味な洞窟は、世界を越え、時空をも越えて繋がり、多種多様の顔を持つ出入り口があった。

そして、その世界にもそれはあった。
  

 その世界での迷宮への入り口は、森林地帯にある湖にあった。

 凶暴な肉食獣や吸血植物などが巣くうジャングルの奥、広い湖の中央にそそり立つ岩山。2つの岩山が寄り添ったようなその岩山の中央に、ぽっかりと口を開けた洞窟の中・・・その奥に、それはあった。

 いつしか、そんな辺境地であるそこに、奥深いジャングルの危険地帯であるにもかかわらず、湖の畔に、小さな部落ができた。
戦士達の憩いの場として、最後の訓練の場として、社交場として。
そして、また、迷宮へ足を踏み入れるかどうか、考え直す折り返し地点として。

 

 真夜中、冒険者たちを乗せ、小舟がひっそりと湖にその身を滑らせる。

水中からの脅威、ワニや食肉魚が寝静まる真夜中に、彼らの安眠を妨げないように、そっと静かに、小舟は湖を滑るように進む。

聖魔の迷宮、そこは、悪魔のテリトリーと天使のテリトリーがあるという。そこに眠る財宝は、数知れず、そして、その種類も様々である。

神の力、悪魔の力・・・聖なる、邪なる力、どちらでもいい、その強大な力を得るため、あるいは、それを秘めた宝物を、そして、もちろん、無限に眠る金銀財宝を得るために。

腕に覚えのある戦士なら、誰しも一度は目指す聖魔の迷宮・・・が、そこへ辿り着く者は少ない。

己が名をあげる為、金銀財宝の為、純粋に己の探求心を満たす為、さまざまな思いをかかえ、戦士は行く。

帰り道はあるのか、ないのか。生きて出られたとしても、出口は、果たしてここなのか。
・・・それは、誰も知らない。


***永久の国を求め・・・ある戦士の旅の序章***


オリジナルストーリーの『青空に乾杯♪』は、この迷宮である「聖魔の塔」を題材の一つにしてます。
(というか、青空が発祥?)



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