青空に乾杯♪


☆★ <<第3話>> 地下秘密結社? ★☆


 

「ん?・・・・・ここはどこだ?」
 −ぽとっ・・・・・−
頬をぬらした一滴の水滴で気づいたレオンは、思わずがばっと跳ね起き、辺りを見回す。
が、そこは暗闇の中。レオンはライトの呪文を唱えると、はやる気持ちを抑え、仲間の姿を確認する。
「ほーーーー・・どうやらみんないるようだ。もっともまだのん気に気絶してやがるが。」
自分の近くに全員いると確認できたレオンは、悪口をいいながらもほっと胸をなでおろす。
「ん?・・・・・なんだ、ここはどこだ?」
レオンの気配で起きたらしい。ぼ〜っとしたような顔で辺りを見回しつつ、ミルフィーがゆっくりと身体を起こした。
「多分砂漠の地下だろうぜ。」
「砂漠の地下・・・そっか、オレたち流砂に飲み込まれたんだっけ・・・。だけど、あり地獄ってわけじゃなかったってことか?」
「まー、餌にならなかったことは確かだな。」
「で、ここはどこだ?」
「同じこと聞くんじゃねーよ。それにオレにわかるわけないだろ?」
「それもそうだ。」
頭をかきながらてれ笑いをレオンに投げかけると、ミルフィーは仲間の無事を確認する。
「みんな大丈夫か?怪我はないか?」
「・・・ふご・・・・・?」
「う・・うう〜〜ん・・・・あたし気絶しちゃったのね。」
「ぶきぃ・・・」
「大丈夫よ、シャイ、怪我はないから。」
助けれなかったことを悔やみ小声でうなだれたシャイにチキはやさしく声をかけた。
「ぶき・・・」
「で、ここはどこなんですか?あの流砂の下?」
「多分そうだろうな。」
「ああん・・・もう体中砂だらけよ・・・」
ミルフィーたちが気づいたそこは、砂山の上。誰しも半分は砂に埋もれた格好だった。
ぱんぱん!と勢いよく服をはたきならが、チキは起き上がる。
「気持ち悪くても、こんなとこじゃお風呂どころか水浴びする泉もないだろうし・・・。」
「ときどきだが、上から水滴が落ちてはくるんだがな。」
苦笑いしながら、レオンが水滴に塗れた人差し指をチキにみせる。
「そんなんじゃしょうがないでしょ?」
それっぽっちじゃのどの渇きもいやせないわよ、とでもいいたそうにチキも苦笑を返す。
「荷物もなくなっていないので、今のところ渇きの心配はなさそうですが、これから、どうしましょう?」
「今までと一緒。行けるところへ行くしかないさ。」
ほとんどやけっぱちのようにミルフィーは言葉を吐きながら、目の前の暗闇を見つめている。
レオンの灯した明かりの先・・・そこには何があるのか皆目検討もつかない。
が、進まないことにはどうしようもないということは確か。
「ま、みんな無事だったんだからラッキーと言えばそうなんだろうな。いつものごとく、前進あるのみ!」
 全員怪我のないことを確かめ、そして、手荷物を確かめると一同は、その方向が前なのか後ろなのかはわからなかったが、歩き始めた。
と、その時・・・・・

 ばらばらばら!と一瞬にして大勢の人影が周りの暗闇から飛び出たと思った次の瞬間、全員武装した集団に囲まれてしまっていた。


「は!タイミングが悪かったな。わけわかんねーことが続いてやがって、今非常に気分悪いんだ。かすり傷で済むとは思うなよ。」
啖呵をきると、レオンは即座に攻撃呪文を唱え始める。
と同時にミルフィーも剣を抜き、レイムも援護の僧魔法を唱え、シャイはチキを守るため彼女の前に立つ。
「ぶきっ!」
「ちょっと暴れたい気分なんだよな〜・・・・さー、いくぜ、特大の〜・・・」
「ち、ちょっと待って!」
「んだよ?チキ?先手必勝って言うだろ?」
「敵かどうかまだ決まったわけじゃないのよ?」
「武器を手にして囲んでる奴らが敵じゃないと思う方がおかしいんじゃないのか?」
「そのつもりなら、取り囲むと同時に襲ってくるでしょ?」
「・・・そういえばそうだよなー・・・」
チキのその言葉に納得してミルフィーは一応剣を引く。が、いつでも抜けれる体制ではある。
そうしている間も彼らは何もしかけてはこない。
ミルフィーは、ぐっと睨むときつい口調で聞いた。
「で・・・目的はなんだ?」
どうやら取り囲んでミルフィーたちが攻撃性があるのかどうか、様子を伺っていたらしい。むやみに攻撃してくる輩ではないと判断した彼らは、その包囲を解き、再び暗闇にとけていった。
そして、その代わりに1人の戦士がミルフィー達の前に現れた。
 (-_-) 「失礼しました。追っ手かどうか見分ける必要があったものですから。」
「追っ手?」
(-_-) 「そうです。」
「なんか意味深ね〜。」
チキの目が興味を示して輝く。
「面白そうな気配。」
「おいおい・・・これいじょうややこしいことはごめんだぜ。」
(-_-) 「あなたがたには、同意を得られそうですね。」
「同意?」
(-_-) 「そうです、同意です。私達の計画の。」
「同意・・・ね・・・・・どうせまた逃れられないってやつだろ?」
苦々しげに吐くレオン。
戦士は、にやっと口元をほころばせると、奥へと一行を案内していった。

 

 

そして、なにやら怪しげな場所へと・・・出る。
そのドーム型の広い空間は、四方に水を張り凍らせたというべきか、または、そこが氷の塊の中心にある空洞というべきか、そんな感じの場所だった。
青く透き通った鏡のように輝く氷の壁、床、天上。
壁のみならず、床、天上に姿が映り、カツンカツン、コツコツと彼らの足音が辺りに響き渡る。
そして、その奥には、いよいよもってあやしげな雰囲気のものがあった。
           
「・・・まさかいきなり魔王現るってんじゃねーだろうな?」
「・・・出ても倒しゃいいんだろ?」
「いくらなんでも、それって楽天的すぎません、ミルフィー?」
「ふ〜ん・・・・趣味ワルぅ〜。」
「ふご〜・・(どうでもいいけど腹へった・・)」
戦い慣れした余裕とでもいうのか・・それぞれ好き勝手なことを思う彼らは、一応身構えつつ(?)じっと前方に光る赤い瞳のような光を見つめながらそれに向かって歩いていた。

 



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