● 表裏合体リプレイ?はちゃめちゃパロディーストーリー ●

ぼくら座夢繁探検隊】
==夢のまた夢物語==

〜なぜか幼稚園児と小1・・そして、犬!?〜
  
  

 

● その2・不思議で怪しげな町

 「あ・・あれ・・・?ぼく、どこ歩いてるんだろう?・・ここは・・どこ?・・・確か占いのおばーさんの家にいたと思ったんだけど・・・・」
ふと気づくと阿修雄は、見たこともない家々が立ち並ぶ狭い通りを歩いていました。一緒にいたはずのひいるも絵里もいません。

「う〜〜んと・・・・」
老女のところにいたのは夢だったのか、それとも今が夢なのか、そう思って阿修雄は、思いっきり頬を引っ張ってみました。
「いたたたた・・・・」
真っ赤に腫れ上がるほど引っ張ったのに、やっぱり?目は開きません。どうやら夢ではないようです。
「でも、おばーさんは、夢の中へとか・・・言ってたような。・・・?」

阿修雄は、あれこれ考えながら腕組みをして歩いてました。
「誰も歩いていないや・・・。」
阿修雄は、ふとカードのことを思い出して、ごそごそとポケットから取り出しました。
4枚組になっているそれは、左肩をリングで止めてあります。そして、1枚目には、出で立ちもきりりと緊張感漂う剣士の絵が描かれてます。
「ぼくの職業・・・とかだったよな?」
事実、阿修雄は格好いい勇者にあこがれてました。お話などに出てくる腕利きの剣士に。

「こんにちはー。」
阿修雄は、少し戸が開いてた家を見つけて、ノックをしてみました。
「いらっしゃい。」
家の奥からは笑顔のステキな女性が出てきました。
「剣士様ですね。ここはザムハンという町です。まずは、長老とお会い下さい。」
「長老?」
「はい。」
にっこりと笑うと、その女性は、通りに出て、長老の家までの道順を教えてくれました。


−トントン!−
「お入り。」
教えてもらった長老の家。阿修雄は、緊張気味にノックをして、中へ入りました。奥からは、長くて真っ白なひげの老人が顔を出しました。
「これはこれは、アッシュ殿ではありませんか。このようなひなびた田舎町にあなたのような勇猛果敢な剣士殿がいらっしゃるとは。しかし、これでこの町も落ち着きましょう。」
「え?・・あ、あの、ぼく、アッシュとかじゃなくて阿修雄って言うんですけど。」
「いえいえ、あなた様はまぎれもなくアッシュ殿です。」
そう言いながら、長老は手を差し出した。
「え?」
その手に誘われるように、阿修雄は、絵カードを出しました。
「お仲間をお捜しでしょう?」
「あ・・う、うん。」
長老は、その絵カードを持っているのが何よりの証拠だとでもいった笑みをみせると、小声で話し始めた。
「お仲間というより、お友達といった方がいいでしょうかな?」
「あ、あの・・おじいさん?」
「私めのことは、長老とお呼び下さい、アッシュ殿。」
「あ・・・は、はい。」
「実は、あなたのお友達も少し前ここに立ち寄ったのですよ。」
「え?ここへ来たの?」
阿修雄の言葉に、長老はゆっくりと頭を縦に振る。
「今頃は城を目指していることでしょう。」
「城?」
「そう。家に帰るためには、この町の北西にあるアーケディア城へ行き、そこでの謎を解かなければならないからです。」
「お城?謎?」
「そうです。そこで探していた別のお友達にも会えることでしょう。」
「別の友達っていうと・・・椎くんと輪津・・・?」
「そうそう、そんな名前でしたかな。」


あれこれ説明をしてもらってから阿修雄は、長老の家を後にした。そして、町の中の他の家を訪ねてみた。といってもなぜかそこに普通の家はなく、(あっても戸閉めの状態である)開いているのは防具屋、武器屋、交換所、施術師の店、宿、そして、阿修雄が最初に入った魔法屋だけだった。

魔法屋の女性に、遠くまで行くのは、冒険の必須アイテム『糸巻』を買ってからの方が安全よ、と言われ、ともかく、阿修雄は、町の近くでモンスターを倒してお金を稼ぐことから始めることにした。

モンスター・・・それもお話の中でしか、聞いたことも、会ったこともない生き物。
「やってやる!ぼくは、男だぞ!」
阿修雄は、みんなと会うために、そして、家に帰るためにも、自分でできる限りの事はしよう、そう決心していた。


**前ページ** **次ページ**


ぼくら座夢繁探検隊・INDEX