● 表裏合体リプレイ?はちゃめちゃパロディーストーリー ●

ぼくら座夢繁探検隊】
==夢のまた夢物語==

〜なぜか幼稚園児と小1・・そして、犬!?〜
  

  吏琥(りく)
蘭(らん)/絵里(えり)/阿修雄(あしゅお)/ひいる
留夫(るお)/椎(しい)/輪津(わつ)

 

● その1・老女が示した絵カード

 「あ・・あんなところに家が?」
白い蝶を追いかけて必死になって森の中を走っていた3人は、どこをどっちに向かって走っているのか、まったくわからなくなってしまってました。
そして、ふと気づくと、木々の間に見え隠れする小さな山小屋のような家。
日も暮れかかってたこともあり、3人は、天の助けとばかりに、その家に駆け寄っていきました。

「こんにちはー!」
コンコン!と玄関の戸を叩き、返事をまつ3人。

−ギギギー・・・−
「おや・・かわいいお客さんだね、こんにちは。道に迷ったのかい?」
にこにこ顔で出てきたのは、黒いフードをすっぽりかぶった鷲鼻の老女。
その外観は、3人が話してもらったことがある魔法使いのおばーさんの風貌そのものです。

「あ、阿修雄くん・・だ、大丈夫?」
「まさかこのおばーさん、魔法使い?お菓子の家じゃないけど?」
阿修雄の後ろにぴったりくっついていたひいると絵里がそっと阿修雄の耳元で囁く。
「ふぉっふぉっふぉ♪」
面白そうに笑った老女に、3人はびくっとする。
「わしは単なる占いばーさんさ。魔法使いなんて大それたもんじゃないよ。」
「ご、ごめんなさい・・・。」
小声で言ったのが丸聞こえだった、とひいると絵里は謝った。
「いやいやいいんじゃよ。わしのこの格好をみれば、み〜〜んなそう思うじゃろうからの〜。ふぉっふぉっふぉ♪」
「おーばさん・・・ホントに魔法使いじゃないの?」
「そうじゃの〜・・・魔法使いじゃったら楽しいかもしれんのぉ〜。」
そう言いながら、お入りと手招きした老女に従って、3人は中に入っていった。

「この格好はの、営業用衣装と言うんじゃ。」
「営業用?」
「そうじゃ。魔法使いかもしれんと思わせるんじゃ。」
「思わせる?」
「なんとなく、占いが当たりそうにみえんか?」
「あ!」
3人は老女のその言葉にはっとした。
「じゃ、ホントは当たるかどうかわからないのに、そう思わせちゃうの?」
「ほっほっほ♪楽しい子だねー。」
絵里の質問に、怒る様子もなく、老女は3人をテーブルに座らせた。
「当たるも八卦、外れるもまた八卦。当たらないかは、あんたたちのこれからの行動次第さ。」
「あたしたちの?」
答える変わりに老女はにこっと笑った。
「ついさっきあんたちと同じくらいの年頃の男の子が2人来ての。」
「男の子が2人?」
「ああ、一人は学生服のがっしりした子での、今一人は金髪の利発そうな子じゃった。」
吏琥と蘭だ、と3人は顔を合わせる。
「さてと、あんたたちに合いそうなカードは・・と・・・・。」
老女はテーブルに置いてあったカードを、4枚ずつに分け、それぞれの3人の前に置き始めた。

「あんたは、これ、あんたは、これがいいかな?そして、あんたは・・・まー、これじゃろう?・・・じゃ、手にとってみてごらん。」
3人は一番手前に置かれたカードをそれぞれの手に取って見た。
タロットカードのようなその絵カード。阿修雄のカードには、一人の剣士の絵、絵里の前には精霊と一緒に佇む優しげな少女、そして、ひいるの前には、宝箱に囲まれ得意げにしている元気一杯の少女の絵が描かれていた。
「これが?」
「これがお前さんたちの職業さ。」
「職業?」
何のことが分からず3人は老女をじっと見つめていた。
「さっきの子は、武闘家と魔導師のカードを持っていったよ。」
3人の頭の中には、吏琥が武闘家で、蘭が魔術師だな、とすぐピン!と来た。
「後のカードは真っ白だよ?」
残りの3枚も手にとって見た阿修雄が老女に聞く。
「ああ・・それはの、時が来ると道を指し示してくれるんじゃよ。」
「時がきたら道を?」
「そうじゃ。その道はお前さんたちの選んだ行動によって変わってくるがの。」
「ぼくたちの選んだ行動?」
不思議そうな顔をして、カードと自分を見つめる3人に、老女はご機嫌そうに微笑む。
「ほんに、ちょうどいい時にこの森へ来たもんじゃ。」
「ちょうどいい時?」
阿修雄の質問が聞こえないとでもいうように、老女の言葉は続いていた。
「祭りじゃ・・・百年に1度の祭りが始まる・・・これでお客さんは全員そろった。しかも今年は珍しく若い・・そう・・良い子たちがお客さんじゃ。今までと違った展開になろうて。」
「お祭り?・・百年に1度・・・?」
「・・・・さー、お眠り・・・夢の中へお入り・・・そして、お祭りの幕開けじゃ・・・森のみんなが楽しみにしている百年に一度のイベントじゃ・・・。」


徐々に薄暗くなっていく部屋・・・そして、その老女の言葉が、遠くから聞こえてくる子守歌のように3人は感じ始めていた。

心地よい睡魔の腕に抱かれ、絵カードをしっかり握りしめながら、3人は深い深い眠りへと誘われていった。


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