ブランディッシュのドーラがあのザムハンに立ち寄ってた?!



● ダイナソア表裏合体パーティー+ブランディッシュ・ドーラ ●

 その2 魔法体系の違い? 

 「え?・・これ、どういうこと?」
仲間となった8人と一緒にアーケディア城へ向かうドーラ。その途中、森で魔物に襲われ、反撃しようとしたドーラは自分の魔法が発動しないことに驚く。
「大丈夫か、ドーラ?」
その事に気づいていたかのように、オリルックがドーラのカバーに入り、彼女と取り巻いていた魔物を追い払う。
「あ・・ええ、ありがとう。」
「なんだ、なんだ、それ?坊主にゃ、ばかに素直なんだな・・オレ様のときと違ってよ?」
同じようにカバーに入ろうとして、オルリックに先をこされたランディが、口を尖らせて独り言。
「やはりそうなのだな。」
「やはりって?」
襲いかかってきた魔物の集団を全て倒すと、オリルックが改めてドーラに話かけた。
「いや、お嬢さんの魔法とここに流れる気は、違うとでもいうか・・魔法体系が違っているというべきか?」
「魔法体系が?」
「魔法体系かどうかわかんねーけどよ・・」
ランディが二人の間に割って入る。
「この世界一の魔導師のオレ様でも、ここへ来た当初は、初歩の魔法しか発動させられなかったんだ。」
「ホント?」
「本当です。私も召喚できるはずの精霊もだめでした。」
「それを言うなら、私の僧魔法も初歩的な治癒魔法しか効き目がでませんでしたな。」
「あ・・ぼ、ぼくも・・・歌はいろいろ知ってるのに、歌おうとすると頭の中にベールがかかるような感じで記憶が曖昧になってしまって、唄えないんですよ。」
エリス、ルオン、ヒースも話の輪に入ってくる。
「結局、あれだろ?ここは普通の空間じゃないってことだろ?ゲームで言やー、スタート地点ってやつなんだろ?」
「スタート地点。」
ヒルダの言葉をドーラは繰り返していた。
「でも、宿では使えたわ。小さな炎だけど。」
「あそこは特別なんじゃないのかい?この閉ざされた空間へ外からの道が通じてる唯一の場所なんだ。もっとも、今は出られないけどさ。」
「あ!ドーラ、オレ様でよかったら、手取り足取り教えて・・やる・・・・ぜ?」
ここぞとばかりに取り入ろうとしたランディのその言葉は、早くもエリスから初歩魔法の伝授を受けているドーラの姿に、力無く消え失せた。


 強敵犇めくアーケディア城。奥へ進む道が見つからなかったことと、一人一人の力のグレードアップの必要を感じた彼らは、再び町へと帰ってきていた。
気は焦るが、町の近くの岩場や森でそれぞれの技をみがくことをオルリックが提案したのである。


(なんか・・こう・・・・力を出し切れないから欲求不満状態っていうか・・・いらつくのよね?)
町の広場の中央にドーラは立っていた。
(ここのところ魔法を全開したことがないから、アレスの追跡ばかりしてたし、ここへ来てからはちまちました魔法しか使えないし・・・・力が外へ出たがってるのよね?)
それはドーラの内からの要求だった。ドーラの中に溜まりに溜まったパワーが、出口を、そのはけ口を求めてうごめいてる、そんな感じだった。
(出られないけど、ここなら、一応外からの気が流れてきてるのよね・・・とすると、私の本来持つ魔法を発動できるかしら?)
そのままだと空気をいれすぎた風船のように暴発してしまうかもしれない、とドーラは感じていた。
(ともかく、やってみよう。ダメ元だわ。)


そっと目を閉じ、持ってきていた杖を構えて精神を集中していく。
ここでは、初期装備と同じ効果しかでなくなってしまったその杖は、ドーラ愛用の炎の杖である。
−シュゴゴゴゴ〜〜〜〜〜・・・・−
「な、なんだ、何事だ?」
空気が円を描いてドーラを囲んで舞い上がり、地響きが周囲にとどろき、ランディを先頭に全員広場に来ていた。
「杖に宿りし火精・・・・サラマンダーよ・・・我が意に従いて、その姿、ここに現せ。」
−ごごごごごぉぉぉ〜〜〜!!−
「す、すげぇ〜〜・・・・・」
天をも焦がさんとするかのような勢いで、炎の柱がドーラを覆う。
「ほ、ほー・・これはまた見応えのある光景ですな。」
「すごいじゃないかい?ランディ、世界一の魔導師ってんなら、ドーラ以上の火の柱出してみなよ?」
「あ、いや・・そ、それは・・・だな・・・・」
「彼女ができてるんだ。ここならあんたも本来使えるはずの術が使えるだろ?」
「あ・・・い、いや、オレ様の力をあんな風に一気に解放しちまったら、この辺り一帯全てあとかたもなくなっちまうからな・・・。」
「そうなのかい?」
「あ、ああ・・。」
多少?口ごもりつつ答えたランディに、ヒルダは冷ややかな笑みを送っていた。


「すごいのね、ドーラさん。でも、そんなに力を解放してしまって、あとは大丈夫?」
すっきりした表情となって炎を消し近づいてきたドーラに、エリスが、少し心配顔で言った。
「大丈夫よ。どういうわけかあたしの魔法力は無限に沸いてくるの。後から後から・・・際限なく。」
「それで、時々ああやって放出を?」
「そうね。しばらく大きな魔法を使ってなかったということもあるわ。それなりの探検をしていれば、あんなこともする必要もないんだけどね。」


そして、エリスの知らない術を教えてやるから、とドーラにたびたびちょっかいかけてきたランディは、その事があって以来、おとなしくなったとか・・しばらくは?。



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