**Brandish3リプレイ創作ストーリー**



その39 ハラハラドキドキの緊急脱出


※バルカン・イメージ画

「こ、攻撃が効かない?」

強大な魔の力、古の闇の力【アペイロン】を自分の身に宿らせた魔導士ガウアーはドーラの攻撃などものともしない程強かった。

『ドーラよ、今のお主の力では無理だ。わしの力を授けよう!』

「お師匠様!」

師匠・バルカンの力を借り、ドーラは必死で魔人と化したガウアーと戦い、激戦の末見事に倒す。

「ま、まさかアペロンの力をもってしても敗れるとは・・・・いや、このままでは済まさぬ。お主も一緒に果てるがいい!」

息を引き取る瞬間、詳し気な言葉を残し、最後の力でカチリと何かのボタンをガウアーは推した。

−ズズズズズ・・ズズン!−

「きゃああああああ!!」

火山の地中深くに造られていたラボとそれに続く地下施設。
ドーラが経っている床は一瞬にして崩れ、火山の内側にあるマグマが噴出している火口まで落とされた。

「あ、暑い・・・というか熱い・・こんな熱気じゃ身体がもたないわ!」

一気に落とされ瀕死の重傷状態にはなったが、そこはヒールポーションを飲んで治す。

「よーし、いくわよ!ぐずぐずしていたら上から崩れてくる岩の下敷きかあちこちから弾き出てくる溶岩に溶かされちゃうわよ!」

一応回復魔法をかけつつ、ダダダダッダッ!と猛ダッシュする。
ツルハシで崩れそうな壁を崩して道なき道を作りながら、方向はこっちであっているのかどうかなんて心配している暇もなく、ともかく進めれそうな方角にドーラは突っ走る。

−ガコン!−

「え?なになに?こんなところにも大岩のトラップがあんのぉ?ラスボス倒したからもういいんじゃないの?」

最後の最後まで大岩に追いかけられる。

「やったわ!光よ!!」

出口が見え、後ろの大岩を気にしつつも最後の力を振り絞って出口に向かって走る!

「やった!出られたわ!」

ごろろろろ・・・・・

山肌の穴から出るとすぐ横に寄れば、すぐ横を転がり出た大岩がまっすぐそのまま下への急斜面を落ちていくのを確認してようやくドーラは、助かったとほっとする。

「つ、疲れた・・・ホントもうこれだけ全力疾走したのはじめてよ。」
肩で息をしつつ疲労で重くなった身体に回復魔法をかけるとふもとまで一気におりて街に向かい、無事解決した報告をする為にギルドのミレイユに会いに行く。


「ドーラお姉さま、どうしても?」

「巫女はミレイユがお似合い…というか適任よ。今更私が継いだところでギルドメンバーのみんなが認めそうもないし、なにより私は気ままな旅が身についてしまってるから。」

アレスが師であるバルカンを切り殺したのは、目の前で見た事実だとしても、今のドーラにはそうしなければならなかった理由がわかっていた。
厳密にいえば、仇とは言えないとも言えた。

(アレスを殺してもお師匠様は喜ばないでしょうし。ま、でも、アレスはおいしい賞金首には違いないし、何よりあいつを追いかけていると退屈しないのよね。刺激がいっぱい?…ありすぎるほど…ね?)

くすっと軽く笑みをこぼし、引き留めるミレイユをなんとか説得、また顔を出す約束をしてドーラはフィベリアを後にする。

『立派になったな、ドーラよ。もうお主と会うのもこれが最後じゃろう。』
「お師匠様・・・・」

タントールにあるバルカンの墓の前で、これが最後となるだろうバルカンの霊体と話したドーラは、バルカンとの思い出を胸に再び旅立つ。

仇としてではなく、賞金首としてアレスを追う旅に。

「待ってなさい、アレス!あんたのその首を狩って、200万ゴールドの賞金をもらうのは、このあたしなんだから!!」

 


  
  
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