**Brandish3リプレイ創作ストーリー**



その36 火山とダークゾーン、あっちこっち


※イメージ画

「もう!ほんとーに、いったいなんなのよ、まったく!」

火山への道を少し入ったところでドーラは同じ道を堂々巡りをしていた。
洞窟へのトビラはあるのだが、開かない。そして鍵穴もないときている。

「どこかに隠しスイッチがあるはずよね?」

そう思って探したのだが、見つけた横道の先にはなにもない。

「しょうばないわね、落ちることを想定しているようなここから下に飛び降りるしかない?」

トビラのスイッチを探い、何度も行き来した今にも崩れ落ちそうな吊り橋を見てドーラはつぶやく
真下は真っ暗でどうなっているかも、どのくらいの深さなのかもわからない。

「ええーーい!ままよ!」

どうにでもなれ!と飛び降りた底は一歩も先も見えないほどの真っ暗闇。
「いわゆるダークゾーンってやつね?」

それまでの他の迷宮、ブンデビアなどでの経験からダークゾーンには、耐魔の呪がかかった装備がないと攻撃された時のダメージは半端ないし、こちらからの通常攻撃は、物理攻撃も魔法攻撃もほぼ利かない。

「まいったわね…ここでダークゾーンの魔物と出くわすと・・やばいわ?」

そんなことをぼやいていると前方からかがり火を持った何者かが近づいてくる。
もちろん、味方や救助であるはずもなく、ダークゾーンの魔物。

「えいっ!」

攻撃するだけ無駄。防御をするだけ無駄なのは百も承知のドーラは、思い切ってジャンプ。
倒せれないなら飛び越えろ!戦法を使った。これもまた今までの経験のたまものである。

「きゃあっ!」
が、これもよくあるトラップなのだが、飛び越えたその床はぱっくりと大きな口を開けている落とし穴だった。

「もう!本当になんなのよ、まったく!」

だが、穴の下に落ちているドーラを魔物は攻撃することもなく遠ざかっていったようである。

(とにかく、ここから出ないと!どこか出口があるはずよね?それとも耐魔の呪がかかったマントとか何か武器が見つかればいいんだけど…)

手探りで周囲を調べて見つけた光の指輪を使って、なんとかそこから脱出させてくれるであろう魔方陣を発見する。

(どこに繋がっているかわからないけど、迷っているヒマはないわ!)

−シュン!−

「あら・・・ここって・・・・・・・」

そこは堂々巡りしていた場所の一角。
もしかしたら落ちたことで開かなかったドアが開いたかも?とそこに急ぐも、トビラは相変わらずしまったまま。

(なによ、落ちただけソンしたってこと?)

はあ・・・・・

大きくため息をつき、ドーラは吊り橋の真ん中あたりで歩を止め周囲を見渡してみた。
ドーアが立ち止まっているその前後は穴が開いており、魔物が近寄れないため一応は安全地帯なのである。

と・・・

「あ、あら?向こうの山壁に見えるあれって?」

目を凝らして今一度よーーく見ると、それは何やらスイッチの様だった。
だが、絶壁にあるそこまでの道は何もない。

(飛んで行けってこと?…でも、飛べないし・・・そうだ!!)

物は試し、スイッチに衝撃を与えればなんとかなると思ったドーラは魔法を放つ。

−ガコン−

「やったわ!」

上に上がっていたスイッチが下に下がったのを見れば、さっそく開かずのトビラまで進んで行く。

「オッケー!狙いは当たったわ!」

意気揚々とその先に進むドーラ。
次の吊り橋は渡ったところで橋が崩れてしまい、帰れなくなってしまったが、他の道もそのうち見つかるだろうと、ともかく先へ先へと進んでいき、トラップと格闘しながらも火山の頂上まで到達。

そして、メイソンと対峙して勝利を収めたと思った直後、どこからか響いてきた声の主により、ダークゾーンに落とされたドーラだった。

「なによ、ダークゾーン用の装備、一つも手に入れてないのよ?どしいよっていうの?逃げ回るしか手はないの?」

文句を言っても始まらない。
ドーラは光の指輪で周囲を照らしつつ、無駄な戦闘はしないよう且つ宝箱に注意しつつ、慎重に、慎重に暗闇の中を進むのだった。

 

    
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