**Brandish3リプレイ創作ストーリー**



その20 試練の間

   

[動く床]
床が動くのではなく、前、前と床が現れ、後ろの床は消えていく・・と思ってる管理人ですが、もしかしたら、動いているのかも?
移動スピードはその箇所によってまちまち。
ジャンプして着地できる位置にある床は、動いている方なので、その床にジャンプしたら、すぐ中心の床へ移動しなくてはならない。
飛び移れる床の位置がその箇所により違う。

 

 守護方陣を解除しないと直通階段の扉は開かない。第六感で、その先に二ゾールが必ずいると確信したドーラは、くるっときびすを返すと、王のいる牢へと足早に向かった。
仮にも王なのである。城の仕掛けなどは分かっているはず。王を軟禁してから、ゾールが変えれば知らないが。

そして、やはり、王は王である。同じフロアの四隅にある、『地』『水』『火』『風』の守護方陣を、決められた順序で解除していけば、扉は開くと教わったドーラは、さっそく解除に取りかかった。
そして、扉を開け、階段を駆け上ったそこには・・・予想通り、ゾールがいた。
が、そこには予期せぬ先客がいた。

(アレス?)
「バルカンと共にあれを消滅させたほどの男なら、ここまで来るだろうと思っていた。」
(え?バルカンと共に?)
そこは玉座の間、普通に入ろうとしても、正面の大扉はびくともしなかったところである。
勢いよくドアを開け、つかつかと視野に入った人影に歩み寄るドーラの耳に、ゾールのそんな言葉が入った。

(でも、ともかくゾールに挨拶しなくちゃね!)
ドーラは真正面ににらみ合っている?2人が見える位置に立つと、持っていた杖でゾールを指した。
「ゾール!やっと会えたわね!」
おや?という表情でゾールが彼女に顔を向ける。もちろんアレスは、そのままである。
「それにしても、気になることを言ってたわね。アレスがお師匠様と一緒に何かを消滅させたとか。」
「ほう、ドーラか。国を飛び出しても亡き師、バルカンに対する思いは忘れんとでも言うのか?」
「なんですって?あたしがなぜ国を出たと思ってんの?」
噛みつくように返答したドーラを、ゾールはせせら笑うかのように言葉を続ける。
「バルカンの死は無意味だった。なぜならば、あれには元々実体というものが存在しなかったのだ。」
「え?無意味って・・・アレスと一緒に消滅させたって・・・アレスに殺されたんじゃなかったの?」
ふふん♪と小馬鹿にしたような笑みを浮かべるゾール。
「知らぬということは愚かな事だ。お主も、そして、バルカンも。」
「ゾール!!」
怒り露わにゾールを睨み付けるドーラ。がゾールはどこ吹く風である。
「実体なきものに施す封印など一時しのぎにしかすぎん。例え命をかけようともその程度なのだ。」
「じゃ・・お師匠様は?・・・・・お師匠様は?」
「砂岩板はどうした?」
「持ってないわ、そんなもの。それより、もっと分かるように説明してちょうだい!」
「ばかばかしい。愚か者に話す必要などない。」
「聞き捨てならないわね。撤回しなさいよ!」
「勢いだけは相変わらずよさそうだが・・・・持っていないのか?それならばお主などには用はない。迷宮をたっぷりと楽しんで息絶えるがいい。長年追いかけ続けていたアレスと一緒にな?」
「え?」


「きゃああああ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
不意に暗闇がドーラをすっぽりと包み込み、反撃する間もなく、彼女は、一気に下へと落とされた。


が、そこは、落とし穴には慣れているドーラ。(違っ!/^^;
スタっと一応着地する。

「どこ?ここ?・・・今まで通ったお城の地下じゃないことは確かね。」
四角い狭い空間にドーラはいた。周囲は石造り。建物の中だということだけは分かる。
が、”迷宮”とゾールが言っただけあり、魔の咆吼が四方八方から聞こえ、瘴気が立ちこめていた。
「アレスと一緒にと言ったけど・・アレスなんてどこにもいないじゃない?」
それぞれ迷宮内の他の場所に落とされたってことよね、とドーラは勝手に判断し、ひとまず、出口を探すことにし、周囲を丹念に調べる。扉があるが、それが出口だとは限らないというのは、こういったところでは、定番なのである。
「でも、周囲の壁には特に何もないみたいね。じゃ、やっぱりドアの横のプレートよね?・・って・・・・」
[奈落の口]・・・たった一つあった扉の横には、そう書かれたプレートが不気味に光っていた。

「何よ・・・奈落の口って・・・上等じゃない!首を洗って待ってなさい!必ずここから出て、この落とし前を10倍・・ううん、百倍にして返してやるんだから!!!」


怒りに燃え、ドーラはドアを開けた。

「きゃあっ!」
と途端に、ソードオブカースがドーラめがけて直進してきた。
「ふ、風精!」
紙一重でその攻撃を避けたドーラは、さっそく風精を呼び出し、それを倒す。
「あ、危なかったわ。ドアを開けて部屋に入るときは要注意ね。」
ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、そこは、ありとあらゆるトラップが仕掛けられた、試練の迷宮だった。/^^;
部屋一面に仕掛けられた様々なパズル。要求されたそれらを全てクリアしなくては、先へは進められない。そして、そのパズル型式のトラップが終わったあとは、敏捷性を問われる、それこそが試練のエリア。


「あったまにくるわねっ!パズルはちょっと見分かりにくくても、よ〜く考えたらクリアできたけど・・・時間制限で落ちる床なんて・・・お城の武器庫で経験ずみだけど、スピードが違うのよね。・・・・・・・・これで、地下に落ちたの何回目かしら?・・・早すぎるのよ!まったく!!」

1つのトラップをクリアすれば、また次のトラップは一段とレベルが上がっている。当然要求される敏捷性もあがってくる。
「ふふん♪試練の迷宮ね・・・・・全部クリアして、レベルアップしたドーラ様を見せてやろうじゃないのっ!!!」
腕まくりし、意気込むドーラ。
「それにしてもゾールってばっかじゃない?迷宮をたっぷりと楽しんで息絶えるがいいなんて言ってて・・・なによ、お城の地下3階じゃないの、ここ。上への階段なんて、すぐ見つかったわよ?!たっぷりなんて言うんなら、もっと本格的な迷宮へ飛ばしなさいよ!!」


しかし、そこは、ドーラの負けず嫌いの性格を踏んだゾールのたくらみだったとも言えるかもしれない。
アレスのことも気になった。ゾールのこの仕打ちにも頭にきた。が、今は目の前の回転する床に走る床、それらを上手く乗りこなし(笑)目指すは最深部にある宝箱。きっと良い物が入っているに違いない。


ドーラは飛翔する。ホップステップジャンプ!着地と同時に右へ左へ、前へ後ろへ移動。そして、次の床目指してジャンプ!めまぐるしく回転し動く床との敏捷性の競い合い。
動きは常に一定ではない。そのパターンを掴むまで、何度地下へ落ちたことか。それでも、ドーラは上への階段を上がろうともせず、挑戦し続ける。参:上の動く床の画像
動く床も、そんな負けず嫌いの挑戦者を迎え、喜々としてその動きを速めているようだった。


「どうせ、ゾールは、油断して上でふんぞり返ってるでしょうから急がなくても大丈夫・・・の、はずよ?それよりも、アレスもこの迷宮(?)に落とされたというのなら、何がなんでもあいつがここまで来る前に、このあたしがお宝をゲットしておくべきなのよ!」


いいのか、ドーラ?先を急ぐ方がいいとも思えるが・・・<影の声。(笑

※守護方陣解除順
  A C
  @ B




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