緑ぷよグリリの大冒険  


●● その1・ぷよりん村は大騒動 ●●

 

 ここは人知れず、山奥の谷間にあるぷよぷよたちの村、「ぷよりん村」
卵の殻や小枝や石などをくっつけて作ったぷよ型の家が点在する。
村の中心には小枝で造られた螺旋状のモニュメントがある。そして、その先端には、数百年前この村の創始ぷよが冒険の末、見つけたという虹色に輝く魔導石が乗っている。その石のパワーのおかげで、この村にいる限り、ぷよたちにとっての最大の悩みである「連鎖」は起きないでいるのだった。

 平和な、平和なぷよりん村。そして、今日は、村民みんなが楽しみにしているぷよりん村大運動会!卵の殻で作った家に住む、みどりぷよのグリリもそんな一人(?)だった。
 「いってくるぷよ、かあさん!」
「いってらっしゃいぷよ!かあさんも後からお弁当を持っていくぷよ。」
「ぷよ(うん)!」
−バタン!−
勢いよく玄関のドアを開け、グリリは走り出し、小学校へと向かった。

「あれれ?何かあったぷよ?」
学校の門の前、人だかりができている。
「あっ!グリリ!大変ぷよ!」
グリリの友達、プヨンが叫んだ。
「どうしたぷよ?」
プヨンに引っ張られ、他のぷよたちをかき分けて門のところへ来る。そこには、張り紙があった。

本日の大運動会は
中止とする。

ぷよりん村村長


「えぇーっ!どうしてぷよぉ?みんな楽しみにしてるっぷよ?!」
「そうだぷよ!今日のためにみんなあんなに一生懸命組み立て体操や芋虫競争の練習したっぷよ!」
「そうだぷよ!騎馬戦だって、今年こそは赤ぷよくんたちに勝つって、あんなにがんばって練習したっぷよ!」
グリリたちだけではない。ぷよの子供達が集まって来るにつれ、その騒ぎは大きくなっていった・・・そして、『事件』は起こった!
−ポワワァーーン!−
グリリたちと対抗している赤ぷよグループが4人揃った時だった!
「き、消えたっぷよ?こ、これって?」
「ま、まさか、これが言い伝えに聞く『連鎖』ってやつぷよ?」
いくら対抗しているからと言っても、それはあくまで騎馬戦だけでの事。普段は仲のいい友達。その友達が目の前で突然消えた。
グリリだけでなく他のぷよたちも唖然としていた。

「し、しまった!こんなところに張り紙を出しておいたのが間違いじゃったぷよ!」
騒ぎに気づいて、校長先生が駆けつけた。
子供達の担任の先生も駆けつけ、口々に運動会のことや消えたことを聞く子供達をなだめながら、運動場に集合させた。
ただし、連鎖しないよう細心の注意を配りながら。

事の起こりは、ぷよ村の守り神的存在、魔導石・・そう!連鎖をふせぐ不思議な力を持つ石。それが今朝、失くなっていた事だった!
子供達にとっては、初めて見る『連鎖反応』いや、今の大人たちでさえ、実際に見たことはなかった。この村ではあり得ない事だったから。

子供達が校長先生からその説明を聞いている頃、村長の家では、緊急村民会議が開かれていた。
村長の話では、夕べ寝る前は確かにモニュメントの上で輝いていたことは確かだった。誰かに盗まれたということは間違いなかった。
誰が?何故?は分からないが、とにかく探そうという事になった。
が、村中の探索はすでに終わっている。
ということで、村を出て探索するということ。
それは、この村始まって以来の出来事。
それは、コカトリスの巣以外、村から出た者のいないこの村では、一大事件なのだ。
そして、『誰が行くのか』を決める為、村長と村の主だったぷよは、村外れの固ぷよの婆を訪ねた。

 「事情は、よーく分かったぷよ。実はじゃ、この事は、昔からわしの家に伝わる『予言書』に載っておるのじゃぷよ。まさか、わしの生きているうちに起こるとは思わなんだぷよ。」
そんな話は初めてだと言わんばかりに驚き、目を見開く村長達を後目に、大婆は、その予言書を持って来た。
「それによるとじゃ、・・・


大いなる魔導力を秘めたる魔導石
その力故、何者かに奪われん。
探せし者は、創始者と同じ者。
緑月、緑日、緑時間、緑分、緑秒
に生まれた緑ぷよ。
その者以外に
決して発見さるることなし。


・・・とあるぷよ。」
「ううーーむ・・・。該当者はいるんじゃろか?」
 ぷよりん村では、ぷよたちの色で月日が決められていた。
そして、調査した結果、それに該当するのは、なんと、『グリリ』だった!



●● つ づ く ●●



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