青空に乾杯♪
 
 
100話突破記念
 
続編(2)『そして、どうなった?』


へへへおぜうさん、あっしの目つきが怖いとおっしゃるそうで。
なあにすぐ馴れますよ。近い将来、おぜうさんはあっしと暮らすことになるんだ。
次回からタイトルは『十手に乾杯♪』で決まりですわ( ̄ー ̄

この話は、BBSの鬼の伊吉さんのカキコ(↑)を読んで思いついた話です。
ということで、決闘の結果がこうなるとは限りませんので、そこのところよろしく〜♪
それから、勿論本編とも関係ありません。 /^-^;

 「カルロス!」
翌日の大会。鬼の伊吉と対峙したカルロスは、その決死の思い報われず、彼の前に破れていた。
試合終了と同時に控え室へ運び込まれたカルロスの元へ、ミルフィーは女官や兵士の制止も振り切って駆けつけた。
バタン!と勢いよくドアを開け、周囲の驚きの視線など気にもせず、ミルフィーは視野の中に映ったカルロスの元へ駆け寄る。
「カルロスは?」
「大丈夫だ、ミルフィー。急所は外れていた。」
真っ青なミルフィーに、ベッドの傍で彼を看ていたレオンが答える。
「回復魔法かけておきましたから・・・後はショック状態がさめれば意識も戻るはずです。」
「よ、よかった・・・」
レイミアスの言葉に、ベッドに横たわっているカルロスを見つめて、ミルフィーはほっと胸をなで下ろす。


「おや?・・・これはこれは、お姫様、直々のおいでとは?」
その声で振り向いたそこに、あの伊吉が上品とは言えそうもない笑みを浮かべて立っていた。
「あ、あなた・・・」
「しかしあれじゃないですかい、姫さん?気遣う相手が違いうんじゃないですかい?」
「違うって・・・・」
「そこに横たわっているのは敗者であって、勝者じゃー、ありやせんぜ。まー、お知り合いのようですから?分かる気もしますがね。」
頭の先からつま先まで這わせるように流したその視線に、ミルフィーの全身を悪寒が走る。
「しかし、あっしの攻撃を避けるとは大した御仁ですな。命が助かるなんざ・・・あっしとしては、不本意だったんですがね?」
「な、何ていうことを・・・・」
「まー、なんにしろ、あと少しの辛抱ですぜ。あとほんの20人ばかりだ。ちょいちょいっと簡単に葬ってごらんにいれまさ〜。そうすりゃ、おぜう様ご所望の、地上最強の夫として傍にいてさしあげますぜ。」
にたりと笑った伊吉の笑みに、ミルフィーは失神しそうなのを必死で堪え、睨んでいた。
「それじゃ・・今日の所はご挨拶ということで。」
「ミルフィー!?」
パタンと扉を閉めて伊吉が出ていくと、悪寒で目眩を覚えたミルフィーを、レオンがとっさに抱きかかえていた。


そして、その伊吉の言った言葉の通り、優勝者は彼に決まった。

−バタン・・−
「ふ〜〜〜っ・・・・・」
試合が終了したその夜、大広間ではいつまでも宴会が続いていた。
適当な頃合いをみて、自室へ戻ってきたミルフィーはため息をつく。
優勝者を自分の手で倒すつもりだったはずが、勝負が決まった時点の伊吉の視線にすっかり怯えきってしまい、その機会を失ってしまっていた。

「どうしたらいいの・・・・」
宴会の間中繰り返していた自問自答。その確かな答えは見つからなかった。
−カタン−
「だ、誰っ?」
部屋の奥で物音がし、きっと奥を睨んだミルフィーの目に、伊吉の姿が入った。
「あ、あなた・・・・」
ランプの光で照らされた伊吉の顔には彼独特の笑みが浮いていた。
「広間にいたんじゃ・・・そ、それに、なぜここに?」
全身をかける悪寒と冷や汗を必死に堪え、ミルフィーは伊吉を睨む。
「おぜうさんの態度が気になりやして。」
「た、態度?」
「そうですぜ。夫となるあっしに冷たすぎやしませんかい?」
「そ、それは・・・・」
「優勝者と一緒になるとおっしゃったのは、他でもない、おぜうさんなんですぜ?」
「で、でも・・・・・」
「はにかみは、はにかみで、それはかわいいと思いますぜ。ですが、どうも心配になりやして。」
「心配?」
「そうですぜ。あまりにもそっぽ向かれたままじゃー、あっしのメンツってものもありやすから。」
一歩近づく伊吉に、ミルフィーは一歩下がる。
「婚儀は1週間後。・・・おぜうさんのあの態度じゃー、それまでに逃げるとも限らない気がしやしてね〜。」
伊吉のその言葉に、ミルフィーはぎくっと身を震わせる。なんとかそれまでに王宮を脱出することを考えていたミルフィーは、伊吉のずるがしこさを感じる。
「で・・・本当なら婚礼の夜まで大人しくしていようと思ったんですがね。家宝は寝て待てといいやすし、楽しみはその時までとっておいた方が、また一段と楽しみが増すってもんでやすからね?」
再び一歩近づく伊吉。ミルフィーもまた一歩下がる。
「ですが、こうみえてもあっしは心配性なところがありやして。」
「・・・・」
「つまり、せっかく苦労して手に入れた花嫁に逃げられるなんていう事態にならないように、その前に唾をつけておくことにしたんでさ〜。」
「つ、つば?」
「分からないとは言わせないですぜ?おぜうさん?」
(け、剣は・・・・?)
身の危険を感じたミルフィーは、いつも剣を立てかけているドレッサーの横に視線を飛ばす。

「あっ!」
「危ないもんは、片付けてさしあげやしたぜ。」
その一瞬のすきに、伊吉はミルフィーをその腕で掴んでいた。
「は、離し・・・・」
「ミルフィーを離せっ!」
ミルフィーが抵抗しながら言った言葉と、窓からの言葉と同時だった。

びくっとして2人が見た窓辺には、まだ意識を取り戻していないはずのカルロスが颯爽とそこに立っていた・・・・・・のではなく、その声が彼の低いものではなく、少し高かったことから、そして聞き慣れた声だったことから、ミルフィーには瞬時にそれが誰なのか判断できたが・・・ともかく、そこに立っていたのは、白馬の王子様・・・・もとい!(あまりやるとしつこいと言われるな。)・・・・白い僧衣を身にまとったレイミアス。
「レイム!」
「だめじゃないですかい?いくら坊さんでも新婚の邪魔しちゃ?やぼってもんですぜ?」
「誰が新婚だって言うんです?いいから、ミルフィーを離すんですっ!」
「いやだ、と言ったらどうしやす?」
「・・・・こうしますっ!」
すっと手を胸の前に合わせると、レイミアスは両手を開いてミルフィーを捕らえたままの伊吉へ向けた。
「ミルフィー!」
目配せとそのかけ声に合わせ、ミルフィーはさっと身をかがめる。そして・・
−ズシッ!−
「おわっ?!」
精神波の衝撃で、伊吉は思わず掴んでいたミルフィーを離す、
「もう一発!今度は全開で!」
−バシュッーーーーン・・・・−
「わっ・・・わわわっ・・・うわーーーーー・・・」
グワアシャーーーン!と勢い壁を突き破り、伊吉は勢いよく外へと飛ばされ、あれよあれよと言う間に夜空の星となって消えた。
「レ、レイム・・・」
レイムの攻撃魔法など初めてみたミルフィーは驚いていた。
「ミルフィー、こっちへ!早く!」
そして、ミルフィーの手を引いて部屋を出、廊下を駆け抜ける。周囲は、すでに眠りの魔法で寝静まっていた。
「お!来た来た!」
「レオン!・・ミリア!」
「よ〜し、行くぜ!」
ばぼん!とミリアの炎に包まれ、レオンとそしてミルフィーの手をしっかりと掴んだレイミアスはそこから転移した。

「ここ・・は?」
後始末してくるからとレオンとミリアは即王宮へとって帰り、ミルフィーは、周囲を見渡して呟く。
「もしかしてレイムの村の教会?」
にっこりと笑ってレイミアスは頷く。
「レオンは、お姫様をさらって何処へでも行ってしまえば、って言ったんですけど、ぼくは・・ここしか思いつくことができなくて・・・で、試合が終わってから、ここへの転移を試みたんです。最初、レオンとどうしても気を合わせることができなくて、なかなか来れなかったんですけど、ようやくできるようになって・・・・その練習に手間取ってしまって・・・遅くなってすみません。」
「あ、ううん・・・ありがと、レイム。」
そこは教会の礼拝堂。レイミアスが聖龍の法力を身に付けたとき手に入れた聖龍の燭台に灯った火の前に転移していた。その火は決して消えることのない火。その火をレイミアスがイメージし、それをレオンに気で伝え、そしてレオンと気を同調させたミリアが転移するといった方法だった。
「いいえ、ぼくなんて・・。」
「ううん・・・・自分でなんとかするなんて偉そうな事言って、結局私は何もできなかったんだし。」
「それは・・・ミルフィーが女の子だっていう証拠ですよ。」
「そ、そう?」
「ミルフィー・・・」
「え?・・・何?」
そっと手をさしのべてきたレイミアスの目をミルフィーはじっと見つめた。
「ぼく・・・この試合の間、ずっと考えていたんです。」
「ずっと?・・・何を?」
「それはですね・・・つまり・・その・・・・」
聖龍の炎に照らされているためだけではないと思える赤味をその頬に・・顔全体に浮かべ、レイミアスはずっと思っていた事をようやく口にした。後悔しないために。二度とこんな思いをしない為に。
「・・・・ミルフィー・・・ぼくは・・・・」


そして、その翌日、不意に戻ってきた村の救世主である若き神父と、彼が連れてきた美しい王女に村は沸いた。

「おい!レイム!」
王宮での後始末をしてミリアと再び転移して来たレオンは、大騒ぎして動き回っている村人から1週間後に救世の神父様の結婚式をあげると聞き、驚いてレイミアスにつめよった。
「なんだよ、どういうことだよ、お前?」
「あ、あは・・・・す、すみません・・・どういうわけかそういうことになりまして・・。」
レイミアスは真っ赤になって頭をかいた。
「どういうわけかって・・・お前?」
「す、すみません・・・雰囲気というか・・勢いでそうなっちゃって・・・・」
「・・てことは・・・お前・・昨夜・・あれから・・・お前・・もしかして・・・?」
ミルフィーと?とレオンは目を見開いて聞く。
「あはは・・・す、すみません。」
「ったく・・・・ひょっとしてお前、カルロスの上をいくんじゃないか?」
「え?、そ、そんな・・。」
顔を赤くしながら言ったレイミアスは、少し間を取ってから真剣な瞳で付け加えた。
「・・・でも、ぼくはミルフィーだからですよ。ミルフィーが誰よりも大切だから・・・もうあんな思いは二度としたくなかったから・・そう思ったら・・・・」
「分かった、分かった・・・」
試合が行われている間、どんなにか切なく、どんなにかやりきれないのだろう、とレオンは一人じっと考え込んでいるかのように、たたずんでいるレイミアスを見る度にそう感じていた。
「ま・・たたっ斬られなかったってことは、ミルフィーもそうだという証拠だろ?」
オレを出し抜きゃがって!とレイミアスの額をつん!と小突いたレオンは明るく笑っていた。
「で、そのお姫様は?」
「あ、着替えも何も持ってこなかったので、村の女の人たちの申し出で、手頃な服をみつくろうとか、作るとか仮縫いするとかなんとかで、そっちへ。」
「そっか。」

そして、普通の服(といっても以前とは異なり女性用)を着て現れたミルフィーは、レオンと顔を合わせて真っ赤になる。
「おめでとう、ミルフィー。」
「あ、ありがと、レオン。」
「でも・・なんだな?」
「え?」
レオンは少し悪戯っぽくにやっと笑う。
「ミルフィーが剣士でなく僧侶を選ぶとは思わなかったな。というか・・・そんな気もしないでもなかったんだが・・・・。」
「あ・・・だから、・・・・あの・・・・」
ミルフィーは頬を染めたまま下をうつむく。
「結局あれだろ?」
「あれ?」
「ミルフィーも間違いなく女の子だったってわけだ。」
「な、なに、その間違いなくって?」
「好きだと思っていても、はっきりしないレイムに自分からは言えなかったんだろ?」
1歳くらいの年の差はいいとして、好きな男より強いというのは、どうしても引け目に感じて言えなかったんだろう、とレオンは感じた。でなければ、こんな騒ぎになる前にミルフィーが断固として止めているはずだった。
「だからやけになってあんな事を言いだしたわけだ?」
あんな事とは、勿論剣術大会の事である。
「あ・・あの・・・・」
ちらっと上目使いで見たミルフィーに、レオンはからかうように、にやっと笑みを見せる。
「・・・レオンの意地悪っ!」
「はははははっ!」
よりいっそう顔を赤らめ、くるっと向きを変えたミルフィーに、レオンは、明るく笑っていた。


そして、それから数年後・・・・・後日談・・・・・・・・・

「たいへんだ〜っ!し、司祭様〜〜!」
平和な村にある日突然事件が起こった。
礼拝堂にいたレイミアスの元に村の男が一人息を切らせて駆け寄ってくる。
「どうしたんです?」
「野盗が・・・盗賊がこっちへ向かってくるんだ!」
「え?盗賊が?」
「国境のあたりで悪さしてるとは噂を聞いていたが・・まさか、こっちまで来るなんて・・・。」
男は不安な表情でレイミアスを見つめる。
「盗賊?」
ちょうど奥から礼拝堂へ入ってくるところだったミルフィーがレイミアスに聞く。
「あ、ミルフィー・・・そうらしいんですよ。」
「ふ〜〜ん・・・盗賊ね。・・・」
「ど、どうしましょう、司祭様〜・・。」
「大丈夫ですよ。」
「そ、そうでしょうか?」
「心配要りません。」
「救世の司祭様がおっしゃるなら・・・大丈夫だと思うんだが・・・だけど、どうしたらいいんだ?・・・どこかへ隠れる・・・とか?」
「いえ、その必要はありません。なんでしたら、村の入口でみんなでお迎えしましょうか?」
「へ?盗賊をですか?」
「そうです。ほら、準備も整ったみたいですし。」
レイミアスは鎧姿に着替えて奥から出てきたミルフィーににこっとする。
「あ・・ありゃりゃ?お、奥様・・・そのカッコ?」
目を丸くして驚いている男ににっこりと微笑むと、ミルフィーはゆっくりと教会から出ていった。

「ミルフィー・・久しぶりだからってやりすぎないでくださいね。少しは手加減してくださいよ?」
「はいはい、分かってます。」
あまりやりすぎては盗賊がかわいそうだ、とレイミアスはミルフィーに小声で言った。
「でも、ずっと平和な司祭夫人でいたから・・・腕がなるわ。」
「腕がなるって・・・ミ、ミルフィー。」
「あら、別に平和が悪いって言ってるんじゃないわよ。」
「それは分かっていますけど・・・」


−ドガガガガガガ!−
遠くから馬の蹄が聞こえてきた。
「来るぞっ!」
高台に登った男が叫ぶ。
「じゃ、レイム、後方支援よろしくね。」
にこっと2人は微笑み合った。

村の入り口は村人でごった返していた。最初は隠れようとした村人たちだったが、救世の(といってもこの村だけだが)司祭、レイミアスの言うことは絶対だった。彼が大丈夫だと言えば大丈夫なのである。村人は初めて見た司祭夫人の鎧姿に驚きながらも、興味津々で集まっていた。そして、その最前列にレイミアスは一人立って、その前にいる馬に乗ったミルフィーの後ろ姿を見つめていた。
「来たっ!」
村人の誰かがそう叫ぶと同時に、ミルフィーが馬を駆る。
盗賊が駆る馬の先頭集団の数メートル手前、ミルフィーは馬の背に立ち上がると大きくジャンプした。
−シュピッ!シュッ!ザクッ!−
「ぎゃあああ!」
「ぐぎゃ!」
「ひ・・ひぃ〜〜〜」
盗賊たちの剣を持った腕が次々と斬り落とされていく。
その間もミルフィーは疾風のように馬から馬へと飛び移っては瞬間的に斬り落としていく。
村人はその手品さながらの、いや、ミルフィーの神業を、呆気にとられて見つめていた。
そして、数分後・・・・そこは腕を斬り落とされた痛みでのたうち回る数十人の盗賊でいっぱいとなった。
「な・・・・・」
そして、その頭目とみられる大柄な男は、彼の背後からその喉元にミルフィーから剣をつきつけられて硬直していた。
「盗賊稼業から足を洗うというのならよし、でなければ・・・」
くいっと剣を喉元へつける。
「ひ・・・・・」
「さー、どうするの?」
手下は一人残らず腕を切られて地面で転がっていた。
「わ、わかった・・・・言うとおりにする。」
「そう。じゃ、武器を捨てて、馬から下りなさい。」
武器を投げ捨てそろそろと下りるとその男はぺたん!と地面に座った。

「心を入れ替えて真面目に働くというのであれば、斬られた腕を元に戻してさしあげますが・・・入れ替えるという人は?」
彼らに歩み寄ったレイミアスが静かに言う。
同時にほわっと暖かいものが包み、彼らから痛みがなくなる。
一様に頷いた彼らを見渡すとレイミアスはにっこりする。
「では、自分の腕を切り口に近づけてください。」
ミルフィーの術でそれらからは血も流れ出ていなかった。彼らは慌てて腕を拾う。
「いいですね、他人の腕と間違わないように。」

「あ!ちょっとまってレイム。」
呪文を唱えようとしたレイミアスをミルフィーはとめる。
「ちょっとあなた、それ逆よ?手が反対向いたままくっついたら困るんじゃない?」
「あ・・・・・」
その男は慌ててつけ直す。
「いいわよ、レイム!」
ミルフィーの言葉を受け、レイミアスは静かに呪文を唱える。
そして、彼らの腕は傷跡も残らずきれいに元通りになった。
「お・・・・・」
が、やはり盗賊。にやっと笑うと同時に、傍に落ちている剣を手にする。
「あ、それから、言っておくことがあるのですが。」
「なんだ、坊主?」
剣を片手に、レイミアスとミルフィーを取り囲んだ彼らはすごむ。
「再び悪さをしようものなら、その瞬間に壊死を引き起こして落ちますので、心しておくように。その場合いくら私でも、もう二度と元には戻せませんから。」
「へ?」
男たちの顔色が変わった。が、次の瞬間、男たちは笑う。
「大ボラ吹くんじゃねーぜ、坊さんよ?そんな冗談にオレ達が乗せられるとでも思って
にるのかい?」
「そりゃー、一度斬られた腕をくっつけるんだ。大した法力だとは思うがな・・・もともとそっちが斬ったんだしな。」
元通りにするのは当然だという顔をして、彼らはせせら笑う。
「信じる信じないはあなた方の勝手です。」
そんな様子を、村人は冷や冷やして遠くから見ていたが、レイミアスはあくまで落ち着いて相手をしていた。勿論その横のミルフィーも落ち着き払っている。

「人が良いのもほどほどにってな!」
そう言いながら一人の男がミルフィーに斬りかかってきた。
−キン!−
当然、男の剣は簡単に飛ばされる・・・・剣を握りしめたままの手と共に。
「ひ、ひぃ・・・・・」
どさっと落ちたその手首が紫色に腐っていたのを見て、盗賊達の顔から一気に血の気がひく。
「働く場所がないというのなら、ご紹介しますよ」
静かに微笑むレイミアスに、男たちはへなへなとその場に座り込んでいた。


『神の慈愛』と呼ばれる法力を持つ司祭と、『神の雷(いかずち)』と呼ばれる剣の腕を持つ司祭夫人の話は、瞬く間に世界中に伝わっていった。

そして、各国から山のように寄せられる招きを一切退け、司祭夫婦はその山間の小さな村で、人々に慕われ愛され、仲むつまじく末永く幸せに暮らしました・・・とさ。

めでたし、めでたし。   −FIN−


で、カルロスはどうなった?・・・・f^^;


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