* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--
● ザムハンの宿の夜は更けて・・・ ● - オルリックからヒースへ『僧魔法』 - |
「ヒース、どうだ。お前も奇跡の力を身につけてみる気はないか?お前は才能はあるが、臆病なのがいかん。己に自信を持つためにも新たな術を身につけてみるのも悪くはなかろう。」 「む、無理ですよ。僕・・・やめておきます。」 「そうか。いやがるのをおしえても仕方ないが・・・。」 魔術をまるで乾いた砂漠が久しぶりに降った雨を吸い込むかのように、吸収していったヒース。あまりにものその見事さに、エリスのことは棚に上げ、つい、自分も教えてみたいという衝動に駆られて口にしてしまった。(参【魔法】エリス → ヒース) そして、いかにも残念そうなオルリックの表情に、またしてもヒースの心はくすぐられた。 「あ、あの・・オルリックさん・・僕・・・・」 そして、修行が始まった。ようやく歌の修行に戻れると思ったのも束の間の事だった。が、エリスの時と違い、オルリックは優しかった。決して強要はしない。 が、それだからこそ、オルリックの期待に応えようと、ヒースは自らリュートに封印を施して僧魔法に徹した。 そう、母親と姉たちの中で育ったヒースは父親を知らなかった。 あこがれていた父親。そして、それをオルリックの中に見てしまったということも仕方のない、いや、当然のことだったかも知れない。 吟遊詩人ではないが、やさしく懇切丁寧に分からないところは教えてくれ、親身になって世話をしてくれるオルリック。 ヒースは、がんばった。一つ術をクリアし褒めてもらうことがとても嬉しかった。 ヒースは頑張る。ただひたすら、魔法を、剣を、そして、法魔法の修行を。 歌は生涯の職業。いずれ歌に返る。そして、その為にプラスにはなっても決して邪魔にはならないはずだ。今この恵まれた教師陣がいるうちに!とヒースは燃えていた。 それはいつの間にかエリスの性格がヒースの中にも反映してきているのかもしれなかった。 ヒースにとって目の前の軍神より、もはや技の修得が最終目的となっていた。 |