* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--

 ザムハンの宿の夜は更けて・・・ 
- オルリックからエリスへ『僧魔法』 -
 「エリス、どうかな、癒しの術を身に付けてみる気はないか?私の神は、お前の力の源である自然に近い。お前ほどの慈愛の持ち主ならば、すぶに奇跡の術を身につけられよう。」

「ご好意はありがたいのですが、私はまだ自分の道さえ極めておらぬ未熟者ですので。」

「うむ、差し出がましいことを言ったようだな。」

あまりにものヒースに対するスパルタ教育(参【魔法】エリス → ヒース)を見かねて、他のことにエリスの注意をひこうと思って言ったオルリックの提案なのだが、しごく簡単に一蹴されて・・いや、丁寧に断られてしまった。

(ふう〜・・・・・まー、悪いことをしているんじゃないからなー。)

が、ある日、エリスの方からオルリックに話がもちあがった。
「あの、この前はすみません、オルリック。」
「ん?なんだったかな?」
「あ、いえ・・せっかくあなたが私に教えてくださるとおっしゃってくださったのに、私たら・・」
「あ、いや、その事なら気にしないでいいのですよ。」
「あ、それが・・その・・・」
「は?」
あの時はヒースに魔法を教えていたこともあって、断ったのだとエリスはオルリックにすまなそうに話した。そして、もし今からでもいいのなら、そして、あの時の失礼を許してもらえるのなら、僧魔法を教えてもらいたい、とエリスに言われたオルリックは、快く承諾した。

「すみません、私ったら、ヒースにはああいったのに、自分自身のこととなると変にこだわってしまってて。」
「それだけお嬢さんがヒースの事に一生懸命だったということなのでしょう。気にしないで下さい。」


そして、やはりエリスはエリスだった。
教える側のオルリックの方がたじろぐほど、自分から進んで修行を積んでいった。
「次はなんでしょう、オルリック?もっと意識の集中ですか?自然の神をもっと近くに感じるようになるように修行などが必要なのでしょうか?」
苦行を苦行とも思わず、エリスはただただ修行を積んでいった。
そこまでやらずとも、とオルリックたちが止めるほど。

「待ってください、オルリック!みなさんの毒は私が消します!」
「あ、ああ・・・。」
可憐な精霊使いエリス・・・やさしい女神にもみえるかの人のその意思は・・・誰よりも強固だった。
 




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