**Brandishサイドストーリー・番外編?**

泥酔美人とむっつり・・・ (特別編)メリークリスマス!

***ある日ある時ある場所で・・・アレスとドーラのお話のクリスマスバージョンです***
  

*使い回しでごめんなさい。
*おかしなところは見逃してくださいね。m(_ _)m
   
         

 バニースタイルの呪い解除のため、その張本人バー&カジノ・BRANDISHの総元締めである闇屋を求めて3つ目の迷宮。珍しく迷宮内ではなく町の片隅にあったカジノで、ドーラはまたしても店員と間違われて捕まってしまっていた。

時は丁度クリスマスウイーク。迷宮内ならいざしらず、一応人間の町にある店なのである。信仰心は関係なく、クリスマスは祝われる。(同じチェーン店ということで迷宮内の店も飾り付けくらいはするらしい。内装が統一されている事からイベント?も一応統一されて全店で?)
そして、クリスマス週間だけ手伝ってくれれば、元締めの居場所を教えてあげるという店長の頼みをドーラは渋々だが引き受けたのである。

そして、その日は、クリスマスイブ。

−カランカランカラン・・・−
「いらっ・・・・」
言いたくもない言葉を口にしようとしたドーラは、入ってきた客がアレスだと一目で見抜く。店内は薄暗くある程度近づかなければ判断できないのだが、ことアレスとなると違っていた。第六感がぴん!と働くのである。

(ア、アレス・・・・)
カウンターの中にいたドーラは焦る。まだ元締めも見つけられずそんなカッコでこんなところでのんびりとしてるのか。と言われはしないかと、できればスロットマシーンか奥のテーブルに座ってくれることを祈っていた。
が、アレスはなんとドーラの真正面のカウンター席に座った。
そして、棚のボトルを黙って指さす。

−コポポポポ・・・−
アレスに給仕していることに最高に頭にきながらもドーラは一応黙ってそのワイングラスを差し出す。
と、もう1杯とアレスは人差し指を立て、ドーラは黙ってもう1つグラスを出して注ぐ。
「え?あ、あたしに?」
追加のグラスをドーラの方へ押したアレスに、彼女は焦る。
軽く頷いたアレスに、ドーラはそっとそのグラスを掴んだ。
(客からすすめられたお酒は断っちゃだめよ?それも売り上げのうちなんですからね!)
総元締めの居場所を教えてもらわないといけないという弱点を捕まれているドーラに店長に逆らう権利はない。
が、まさかばれているのか、と心臓が飛び出そうにドキッとするドーラ。
(ま、まさか・・・で、でも、わかってたらいくらアレスでもなんか言うわよね?まだこんなところにいるのか、とかなんとか?・・ううん、言わなくてもあたしには分かる。にやっと小馬鹿にした笑みをみせるはずよ。)
が、目の前のアレスはそんなことはしない。ワインは1杯おごってくれたが、それ以外別に話しかけてくるのでもなく、無言で小馬鹿にしているような態度(顔つき)でもない。
(ばれてないならいいけど・・・でも、最後までばれないって保証はないわよね?)
どうやら自分がドーラだとは思っていないようだ、と判断し、ほっとするが、それもいつばれるか分からないと思い直して、再び焦りを覚えるドーラ。
(あ、あたしがムリヤリ着せられたユニフォームは青だったし、うさぎの耳もあったし、しっぽだって。)
そう、今ドーラはその青いユニフォームの上から赤いサンタ風ユニフォームを身につけていた。耳もしっぽも見えないし、真っ赤なのである。暗い店内、簡単にはばれはしないだろうとドーラは自分に言い聞かせていた。


たとえ魔物と人間がそこで出会っても平和?な中立地帯の迷宮内バー兼カジノ。人間の町にあってもそれは徹底されている。賞金首であろうと賞金稼ぎであろうと争いは御法度である。小さな喧嘩くらいならいいが、命を張った争いごとになると店長の判断で発射された転移の魔法弾でどこかへとばされる。それもみぐるみはがされて。つまりはしっかり酒代は、いや、それ以上にとられるという寸法である。

勿論店内にはクリスマスの飾り付けにまざっていつもの張り紙などもある。
カウンター席に座っていた知っている者、そして張り紙で再確認した者たちは、入ってきた男が凄腕のアレスだと分かった途端、慌てて、が、静かに席を移動し、遠回しにして様子を見ることにした。
当然のごとく、その一角、カウンターを挟んでいるのは、ドーラとアレスのみ。

(は、早く出ていってくれないかしら?いつまでいる気なのよ?あんたの目的はバーじゃなくって迷宮のお宝でしょ?)

ドーラの苛立ちを楽しんでいるのか、いないのか。
アレスはカウンターの中のサンタガールがドーラだと分かっているのか、いないのか。
それは誰も知らない。当のアレスしか。

そして、ドーラは・・・・・・・・こうなったのもぜんぶあんたのせいよっ!責任とりなさいよっ!と思いっきり罵声を浴びせたい衝動を必至になって堪えていた。


さて、この我慢大会はいつまで続くのか?
聖夜・・・彼らに聖夜が関係あるのかないのか知らないが・・いや、どちらかというと関係なさそうだが、これもまた恋人達?の聖なる一夜といってもいいのだろうか?

静かに、そして、ゆっくりと、時は過ぎていく。

スロットマシーンの音だけが店内に響いていた。

※「むっつり・・・」の「・・・」には、剣士という言葉が入るんだぞ? /^^;

  


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