**Brandishサイドストーリー・番外編?**

泥酔美人とむっつり・・・(8) 春のまどろみ(2)

***ある日ある時ある場所で・・・アレスとドーラのお話です***
  



*お絵描き掲示板で描いたものです。まだまだの絵でごめんなさい。*
   
         

 「ここね?・・・・ここに違いないわっ!」
アレスと出会った村外れの森。ふと桜の花に心を奪われていたその瞬間的なすきに、アレスは、またしてもドーラの傍からその姿を消していた。
その森の奥のそのまた奥、ドーラはようやく見つけた妖しげな建物の前に仁王立ちしていた。
もちろん、ドーラは、彼女の怒りは再び激しく燃えさかっている。
夜の闇に浮かび上がるその地方(国)独特の建物。村で、森の奥には呪われた城、悪鬼の住処となっているそれがあると耳にしていたドーラは、今目の前にしている建物に違いないと確信しつつ、見上げていた。
妖しの発光体に包まれ、夜空に浮かび上がっているその城を。
心なしか、手前に見える桜の花も、妖しの集合体か、とも思えてしまう。
それほど異様な気で周囲は覆われていた。


「卑怯にもほどがあるってものよ。何よ、あの場面で、普通女一人置いてく?」
が、ドーラには、その妖しげな気より、身も凍らすようなその瘴気より、アレスへの怒りの方が強かった。
「ほ・ん・と〜〜に・・素早いんだからっ!」


つかつかっと城の門へと近寄る。
木製のその大扉は、ドーラを威嚇するようにそこにあった。
が、当然そんなものはまるっきり無視、というか、感じていない。
そのいかにも不気味な雰囲気に、常人なら尻込みするのだが、ドーラに限ってそんなことはあり得ない。特に、アレスを追っている今は。

「アレス・・・今度こそその首根っこに鎖をかけてやるから、覚悟しなさいっ!」

−ごあっ!−
おさまりきらないその怒りを現すかのように、そして、ぶつけるかのように、ドーラは火炎で一瞬にしてその門に穴を開ける。
「ふん!ざっとこんなものよ!」
ぷすぷすと焼き焦げる臭いを放つ門の中央を通って、ドーラは城内へと足を踏み入れた。

「あら・・・門だけのつもりで手加減したんだけど・・・」
数匹のガーゴイルがその先で黒こげになっていた。
「でも、こいつらがいるってことは、やっぱり噂通り妖しげなところなのよね?」
ふふっ!と鼻で軽く笑うと、ドーラは奥へと入っていった。
「上?下?どっちへ行こうかしら?」
その地下は、どこへ繋がっているのかわからない迷宮が広がっていると噂で聞いてきた。
しばらく上下に続く階段を交互に見つめながら考えていたドーラは、まず、上を確認してから下へ行くことにした。
「迷宮で必要になるカギが上にあるような気がするわ。あたしの感だと、アレスはまっすぐ下に行ったはずよ。カギが必要になって戻ってくる事間違いなし!・・・先を越してやんないとね?」

−たたっ!−
勝手にそう決めつけ、ドーラは足取りも軽く、急なその階段を駆け登って行く。
マントを翻し、長いブロンドのその髪を闇に踊らせ。

※「むっつり・・・」の「・・・」には、剣士という言葉が入るんだぞ? /^^;

  


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