朱紅い雫・エピローグ |
〜[エンディング後のアヴィンたち・オムニバス5話]〜
#1・見晴らしの丘にて |
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世界崩壊の危機はなくなり、アヴィンたちは、賢者レミュラスとの思い出がいっぱい積もった見晴らし小屋で、静かに暮らし始めていた。 |
#2・見晴らし小屋にて |
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「お兄ちゃん・・」 |
#3・ウルト村にて |
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ここは、ウルト村・・シャノンが川で一生懸命洗濯をしている。 |
#4・フィンディンにて |
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フィンディンにやって来たアヴィンは、食料等を買う前に念のため斡旋所に来ていた。 |
#5・楽しき共同生活 |
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「お帰り、あにき。」 ミューズ:「アヴィン、あたくし、考えてさしあげてよ。」 アヴィン:「何をですか?」 (・・またどうせろくでもない事なんだろう・・・) ミューズ:「こういうの・・・あなたも毎回あたくしから援助を受けたのでは、さぞ心苦 しいかと思ったの。で、事業を始めたらどうかと思いついたわけですの。」 アヴィン:「事業?」 ミューズ:「ええ、そうよ。その名も『アヴィン・ツーリスト』。 許可はあたくしがお父様からとってさしあげますから、心配はいらなくてよ。」 アヴィン:「いったい、それで何を?」 ミューズ:「あたくしたちにしかできないツアーを組んで、特色を出すんですの。」 アヴィン:「俺たちにしかできない?」 ミューズ:「そうよ『洞窟探検ツアー』『四精霊・霊窟めぐり』 『転移の門でレッツゴー』・・どうかしら?」 アヴィン:「・・・」 (いったい、どんな教育されてきたんだ、この姫さんは?) **************************************** ミューズ:「アヴィン、お願いがあるの。このあたくしのお願いよ、喜んで聞きなさい。」 アヴィン:(また何かおかしなことを・・・やれやれ・・) 「・・俺にできることなら・・」 ミューズ:「昨日、お城に戻ったら、お父様が、いい加減に遊びはやめて、求婚者である ミュレットと婚礼をあげろ、なんて言うのよ。」 アヴィン:「はあ・・・」 ミューズ:「あんななよなよしてる人、頼りにならないわ。そこで、お願いというのは、 求婚者の一人としてお父様に会い、ミュレットを追い払う事なの。光栄に思 うのね。一般民であるあなたが、世界を救ったという功績だけで、仮とはい え、王女であるあたくしの求婚者を名乗れるのですから。」 アヴィン:「・・・それなら、俺なんかより、ダグラスかコンロッドの方がいいんじゃな いか?」 ミューズ:「心配なくてよ。本当に結婚するわけではないのですもの。あたくしが、一般 民であるあなたと結婚するわけありませんことよ。単に、ミュレットを追い 払う口実なのですから。」 アヴィン:「だけどなあ・・・」 ミューズ:「それに、認められれば、お城の行けなかった宮廷区などへも行くことができ てよ。」 アヴィン:「・・よし!引き受けよう!」 **************************************** コンロッド:「アヴィン殿、旧友に会うため、久しぶりにバロアに行ったのですが、灯 台の近くでよく日向ぼっこしていたおじいさんが、アヴィン殿の事を心 配しておられましたよ。」 アヴィン :「へえ・・あのじいさんが?」 コンロッド:「はい。あの郵便屋さん(メイルマン)は、この頃少しも見かけないが身体 でも壊したのかね?と。」 アヴィン :「郵便屋さん・・・ね。郵便配達の仕事、よく引き受けてたからな。そう 思うかもな。」 コンロッド:「ですから、私はこう申しておきました。郵便屋ではなく、」 アヴィン :「郵便屋ではなく?」 コンロッド:「昨今では、『郵便配達人(メイルキャリア)』と言うのですよ、と。」 アヴィン :「・・そう言う問題じゃないだろ?」 (・・・さぶ・・・・/^-^;) **************************************** アイメル:「お、お兄ちゃん・・・」 アヴィン:「何だ?・・・ま、まさか、もう、ない(お金)ってんじゃないだろうな?」 アイメル:「ご、ごめんなさい・・だって、修道院の修復に・・ついつい、寄付しちゃっ たの・・・・」 アヴィン:「・・・・ア、アイメル・・お前・・・」 アイメル:「ごめんなさ〜い・・・」 **************************************** アヴィン:「あれ?みんなは?」 ルティス:「それぞれやりたい事してるわ。」 アヴィン:(なんだ、出てったわけじゃないんだ。 ま、黙って行くはずないしな。) ルティス:「ルキアスとダグラスは剣の手合わせ。 アルチェムは、森の動物たちに会いに。 ラエルは、エレノアに付き合って薬草探し。ミューズは村で庶民の生活の体 験。」 アヴィン:「アイメルは?」 ルティス:「マイルに用があるとか行って出かけたわ。」 アヴィン:「な・・なんだとおっ?」 ルティス:「どこ行くの、アヴィン?」 アヴィン:「マイルん家だ!」 アヴィンは振り返りもせず、駆けて行く。 ルティス:「・・せっかく、あれこれ上手く理由を作って、みんなを追っ払ったのに・・」 **************************************** ミューズ:「アヴィン、今度の事業の案はどうかしら?」 アヴィン:「どんな?」 ミューズ:「道場を開くの。」 アヴィン:「道場?」 ミューズ:「そう。これだけの使い手が揃ってるのよ。剣術と各種魔法の道場。ううん、 あまり手はかからなくてよ。どうせ本式に身につけようなんて人は滅多にい ないんだから。遊び半分で十分!自然はいっぱいだし。いいと思わなくて? アヴィン?何もあたくしたちばかり苦労する事ないはずよ。他の人たちにも 分担させなくては!」 アヴィン:(あたくし・・たちぃ?) 「だけど、れっきとした魔法大学もあることだし・・」 ミューズ:「じゃ、こんなのはどうかしら?『アヴィン・カンパニー』、世界を救った勇 者グッズを売るの。ブロマイドや文具、ゲームなんかも作ったりして・・そう そう、フィギュアなんかもよくてよ?さしずめ、あたくしのが一番人気でし ょうね?」 アヴィン:(エ、エル・フィルディンの将来は?) **************************************** マイル :「ア、アヴィン・・かくまってくれ!シャノンと村の女の子たちが・・!」 アヴィン:「お前の居場所はないな。帰ってくれ。」 マイル :「何だよ?お前ってそんなに冷たい奴だったのか?」 アヴィン:「早くシャノンとくっついちまえばいいんだ。そうしたら、ここにいてもいい かな?」 マイル :「どういう意味だよ?」 アヴィン:「ふん!アイメルにちょっかい出されてたまるかってんだ!」 マイル :「・・・ダグラスやコンロッドはいいっていうのか?」 アヴィン:「あいつらは、大人だからな。アイメルのような子供に関心なんかないだろ? エレノアやルキアスの方がお似合いだしな。」 マイル :「わからんぞ。なんてってもアイメルちゃんは素直で可愛いからなあ・・・お 前に似ないでさ。」 アヴィン:「・・・・・」 二人が話している所に、アイメルがひょいと顔を出す。 アイメル:「お兄ちゃん、何ぼおっとしてるの?早く薪拾いしてきてちょうだいっ!お夕 食の支度ができないでしょ?全くもおっ!今朝頼んだのに、まだやってない んだから!」 マイル :「・・・ア、アイメルちゃん・・・?」 アヴィン:「はははっ・・ルティスにすっかり感化されちまったみたいなんだ・・。」 マイル :「・・・・・」 **************************************** ルティス:「アヴィン、結婚式の招待状ですって!」 アヴィン:「誰から?」 ルティス:「え〜と・・・差出人は、っと・・ガ、ガウェイン様よっ!」 アヴィン:「何だって?!」 ルティス:「お相手は、どうやらガウェイン様の家の近くでいつも散歩してた、あのおば さんみたいよ。」 アヴィン:「老いらくの恋か・・・やるな、ガウェインも!」 ルティス:「あのおばさんもやるわね。あたしも見習わなくっちゃ!」 アヴィン:「シャノンみたいに過剰なのは、止めてくれよな。」 ルティス:「誰も相手がアヴィンだなんて言ってないでしょ?」 アヴィン:「だ、誰かいるのか?そんな奴?」 ルティス:にんまり♪(やったっ!) アヴィン:(し、しまった!・・ついつられて・・) |
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