* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--

 ザムハンの宿の夜は更けて・・・ 
- ワッツからアッシュへ『罠の技』 -
  「アッシュ、カギ開けのひとつでも教えてやろうか?お前も結構、危ない橋渡ってそうだからな。ヘマして捕まった時なんざ、大助かりだと思うぜ。」
その夜、ワッツは確かに酔っていた。でなければ、アッシュに向かってそんなことは言うはずない。
言ってしまってから、ワッツは青ざめた。
そう、何をバカなことを言ってるんだとでも言いたそうなアッシュの冷たい視線を受け、一気に酔いが醒めたのだ。
「そ、そうだよな・・・、あんたが捕まるわけないよな・・・捕まっても・・全員たたっ斬って出てきて・・・あ、い、いや・・・あ、あのそういう意味じゃなくて・・だな・・・べ、別にオレは死神とも仲間殺しとも思っちゃいな・・・あ・・・あんなの単なる噂だよな・・・あ・・あはは・・・・」
言えば言うほど墓穴を掘るワッツ。
明らかにアッシュの不機嫌度はあがっているように感じられた。
「まー、まーなんだな・・・何事も覚えて損はないと思うが・・いらぬお節介だったよな・・・あ、あはは・・・。」


「ふ〜〜・・・・」
アッシュが立ち去るのを見届けたワッツは大きく深呼吸していた。
全身、冷や汗でびっしょり。一応仲間ではあるが、どこまで気を許していいのかは分からなかった。というより・・・単に一緒に行動しているだけで、果たしてアッシュが彼らを仲間と思っているのかどうか、その仲間がどの程度の関係を意味するのか・・まるっきり分からないとも言えた。
どこか距離を置いてるようなアッシュの態度は、仲間とは思っていないということなのか、それとも・・・死神と呼ばれている自分に引け目を感じてのことなのか・・・それは本人にしか分からない。  





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