* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--

 ザムハンの宿の夜は更けて・・・ 
- オルリックからアッシュへ『僧魔法』 -
 「アッシュ、剣の道を捨てろと言うわけではないが、この気に奇跡の力に触れてみる気はないか?わしがお前に術を施してやろう。人は腕の力だけでは生きていけぬもの。異なる力をものにするのも悪いことではなかろう。」

「そうか。やはりお前には無理な選択であったか。」
じっと黙ったまま考え込んでいるアッシュの肩に手をのせ、オルリックは静かに言った。が、そのオルリックの耳に意外なアッシュの言葉が入ってきた。

「死神のオレに、神がそんなことを許すはずは・・ない・・・。」
「アッシュ!」
ごくん!と大きく唾液を飲み込むとオルリックは続けた。
「単なる噂だ。不幸な偶然が重なったことから広がった・・・」
そのオルリックの言葉を聞いているのか聞いていないのか、アッシュもまた言葉を続けていた。
「だが、もし・・・もしも身につけることができたら・・・オレは・・これ以上繰り返さずにすむのだろうか?」
遠くを見つめてアッシュは吐いた。
それは、とりもなおさず、今までのアッシュが経験してきた悲惨な戦い、灰を蒔く者と異名をつけられた原因の過去であることは、説明をうけるまでもなくオルリックには分かっていた。
(この者は・・・闘っておるのだ・・悔いているのだ・・・心の深いところで、闇に包まれながらも、もがき苦しんでおるのだ。)
ぽん!と軽くアッシュの肩に手をかけ、オルリックは笑みをアッシュに投げかける。
「大丈夫だ。今のお前なら、そう感じているお前ならば・・・」
「オルリック。」


そして、夜明けの明星が輝く下、オルリックの手によるアッシュへの洗礼が施された。

その後は実践である。拳の技のように順調には上達しなかったが、少しずつ、少しずつ使えるようになっていった。

(さすがのアッシュも僧魔法は、拳の技のように師を追い越すことはできないようだな・・。)
オルリックが安心したとかしないとか?/^^;







【ダイナソアINDEX】