* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--
● ザムハンの宿の夜は更けて・・・ ● - オルリックからアッシュへ『僧魔法』 - |
「アッシュ、剣の道を捨てろと言うわけではないが、この気に奇跡の力に触れてみる気はないか?わしがお前に術を施してやろう。人は腕の力だけでは生きていけぬもの。異なる力をものにするのも悪いことではなかろう。」 「そうか。やはりお前には無理な選択であったか。」 じっと黙ったまま考え込んでいるアッシュの肩に手をのせ、オルリックは静かに言った。が、そのオルリックの耳に意外なアッシュの言葉が入ってきた。 「死神のオレに、神がそんなことを許すはずは・・ない・・・。」 「アッシュ!」 ごくん!と大きく唾液を飲み込むとオルリックは続けた。 「単なる噂だ。不幸な偶然が重なったことから広がった・・・」 そのオルリックの言葉を聞いているのか聞いていないのか、アッシュもまた言葉を続けていた。 「だが、もし・・・もしも身につけることができたら・・・オレは・・これ以上繰り返さずにすむのだろうか?」 遠くを見つめてアッシュは吐いた。 それは、とりもなおさず、今までのアッシュが経験してきた悲惨な戦い、灰を蒔く者と異名をつけられた原因の過去であることは、説明をうけるまでもなくオルリックには分かっていた。 (この者は・・・闘っておるのだ・・悔いているのだ・・・心の深いところで、闇に包まれながらも、もがき苦しんでおるのだ。) ぽん!と軽くアッシュの肩に手をかけ、オルリックは笑みをアッシュに投げかける。 「大丈夫だ。今のお前なら、そう感じているお前ならば・・・」 「オルリック。」 そして、夜明けの明星が輝く下、オルリックの手によるアッシュへの洗礼が施された。 その後は実践である。拳の技のように順調には上達しなかったが、少しずつ、少しずつ使えるようになっていった。 (さすがのアッシュも僧魔法は、拳の技のように師を追い越すことはできないようだな・・。) オルリックが安心したとかしないとか?/^^; |