* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--

 最強の敵? 
- なう こんふゅーじんぐ?! -
 「に、逃げろ〜〜〜!!!!」
全員蜘蛛の子を散らすように一目散で戦線離脱。
それもそのはず、アッシュが混乱状態になったのである。
誰が最強の敵か・・それは、言わずと知れた混乱し敵味方の区別がつかなくなったアッシュに他ならない。

「おい!早く術を唱えろよ!」
「少し静かにしていてくださいませんか、魔法使い。私だって出来る限りのことはしてるんですよ?」
「だけど、混乱状態を解除するのにいつまでかかってるんだよ?」
「まー、いいじゃないですか、私たちは無事に離れることができたんだし。混乱状態は痛みもさほど感じないようですからね、あの山のようなモンスターも彼一人で一気に片づけてくれますよ。」
「いいから急げよ!あいつら全部倒してこっちに来たらどうすんだよ?」

口では悠長なことを言っているルオンだが、ランディーの心配と同じ事もその頭にはあった。
が・・・混乱状態に陥ったアッシュのその動きは、普段より一段と激しい。
アッシュの視野範囲外まで逃げてきたそこからでは、呪文を放つ方向が定まらず、また、狙ったとおりに当たらない。

「おい!こ、こっちに向かってきてるぞ?早くしろよ、ルオン!」
「今やってますよ!なんでしたら、当たりやすいように、魔法使い、あなた囮になってアッシュの前に立ってくださいませんか?」
「な?!」

そんな恐ろしいことはできなかった。
「く、来るっ!」
そこは必死の思いで身を隠した部屋の奥。出口はアッシュの背後に小さく見える。


「ぼ、僕が行きますっ!」
「ヒース?」
「僕は身軽ですから。」
柱の影からヒースが走り出る。
すかさずアッシュがヒースに向かう。
「ルオン!」
ランディーとヒルダの叫びとルオンの術がアッシュに着弾したのと同時だった。

「ふ〜〜・・・・・・」
我に返り、周囲を見渡しているアッシュの姿を見て、全員大きくため息をつく。


他のメンバーが混乱してもこれほどにはならないが、アッシュは特別。
頼みの綱は、ルオンの術なのだが・・・それも唱える暇がないほどの勢いで襲ってくる。一端身を隠してから術をかけるしか方法はなかった。
最強の敵・・・やはりそれは、アッシュ、その人なのである。
しかも味方なのだから、ランディーたちには攻撃もできない。
まったくもって困ったものである。

しかもその恐怖をどこかしら楽しんでいるようなところがあるルオン。
わざと術を方向違いに放ってるんじゃないか?ランディーの頭からその疑念は消えなかった。
  





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