* ダイナソア・ピンポイントストーリー *
--プレイ雑記風ショートショート・・・--

 アナザーワールド・座夢半小学校七不思議 
その2 家庭科室へ深夜12時に行くと、姿見(人間大のカガミ)に引きずり込まれる
 「何も起こりそうもないわよね?」
「うん。」
家庭科室。姿見の覆いをとって、変化があるかどうか調べるアッシュたち。
が、鏡は普通にアッシュ達の姿を映しているだけ。
「もしかしたら普通に見るんじゃなくて、合わせ鏡にするんじゃないですか?」
ふと思いついたようにぽつんと言ったルオンの言葉に、全員、実験してみることにした。


姿見は2つある。その2つを向かい合わせにして置いてみた。


−シーーン・・・−
「なんにも起こらないわね?」
「うん。」
「真ん中に誰か立ってみない?」
「誰が立つんだよ?」
「だから、ここはやっぱりアッシュ?」
「い、いいけど?」
順番に合わせ鏡の真ん中に立ってみたが、何も起こらない。

「やっぱり噂は噂?」
「でも、やっぱり私たちと同じように七不思議の肝試しして、行方不明になった子っているんでしょ?」
「鏡に吸い込まれていったところを見たのが最後だったっていう話だよな?」
「うん。」

「じゃ、さ、今度1人ずつ立ってみない。他の人は部屋の外で待ってるの。」
「そ、そこまでするんですか?」
エリスの提案に、ヒースが青くなって答えた。
「大丈夫よ、戸は開けたままにしておけばいいじゃない?」


が・・・・言いだしっぺのエリスにしても、1人で立つことはためらわれた。
「ちぇっ・・結局一番最初はぼくなんだよな?」
ぼくは実験動物か?と思いながら、それでも、弱虫と言われるのがいやで、アッシュは1人文句を言いながらも、他の全員が戸口の外に出て立っているのを確認してから、合わせ鏡の真ん中に足を踏み入れた。内心は、やっぱり恐い。


「うわ〜〜!!」
「ア、アッシュー!」
「アッシュっ!」
不意に叫んだアッシュに向かって全員ダッシュした。1人ルオンだけを覗いて。
「あ、ご、ごめんね。」

つまり、アッシュは、あまりにも自分ばかり最初に試させられるので、やばかったらすぐ助けに行くから、といったみんなを試したのである。
アッシュの突然の大声に驚いて反応した全員は、慌てて駆け寄ってアッシュの身体を掴んでいた。
「もう!おどかさないでよ、アッシュ!」
「タイミングよすぎんだよ、アッシュは!」
「ご、ごめん・・・。」
「まったく、こんな時に悪ふざけしないでくださいよ?」
みんなに避難され、頭をかきながらも、素知らぬ顔で入口に立ったままのルオンには、文句を言われる筋合いはない、とアッシュは思わずルオンを睨んでいた。


「でも、ひょっとしたら、アッシュがふざけて声をあげずにそのまま立っていたら、何かあったかもしれないですよね?」

平気な顔で言ったルオンも同様、もう一度実験してみる気は全員失せていた。


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