Brandish4ストーリー・ガラハッド謎の探求に神の塔を行く!

◆■第八話・殺人光線の雨の中の撤退■◆
  
    
      
    

 「ぎょえ〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・」
ガラハッドは必死の形相で走っていた。いや、逃げまどっていた。

円柱を横に寝かせ、それに足を4本つけたおかしなモンスター、キュリンダー。
その円柱の頭部分はなぜか銀河鉄道999の車掌さんみたいに黒くはっきり見えず、目だけがらんらんと光っている。
そして、どこから発射してくるのか(目からか?)、強力なレーザー光線が飛んでくる。
−ビビビビビーーーー!・・・・ガラガラガラ−
壁など簡単に崩れてしまうその恐怖の破壊力!まともに受けたら命はないと思えた。

そこは、不可思議な場所。どこをどう流されどう通ってきたのか?
ともかく必死でその水流から逃げ出たガラハッドは、角のような場所に流れ着いた。
流れ着いたといっても水の中である。そこでちょっとした出っ張りに、手を必死になってかけたのである。
ジタバタあがいているようにも見えたかもしれないその動作が、ちょうどその岩のような出っ張りに手をかざした格好となったらしい。
偶然とは恐ろしいものである。ガラハッドは知らなかったが、その場所と、手を5回かざす動作、それこそ、隠しステージへの隠された魔法陣出現の必須条件だったのである。
そうして、目の前に現れた魔法陣に驚きながらも、それに乗るガラハッド。
探求心だけは旺盛なのである。そうでなければ、考古学者などしていられない。


そして、久しぶりに水中から出たと喜んでいたガラハッドは、その容赦なき殺戮者、キュリンダーと出会ったのである。

「た〜〜すけて〜〜〜〜〜!!!!」
必死の思いで光線を避け逃げまどう。


「とと・・・おや?こんなところに横道が・・・きっとさっき当たった光線が奥にあった道まで穴を作ってくれたんですな。」
逃げまどいながらも、周囲の状況は適格に把握しているらしい。ガラハッドは新しくできた道を進む。
「どうやら、こっちの道までは追いかけてこないらしいですな。」
横道に入ったガラハッドは、ようやく、安堵のため息をつく。
「ですが、こっちからもまたあの手のモンスターが来ない・・とも限らない・・・んでしょうな・・・・」
おそるおそる道を進むガラハッド。
暫く行くと、行き止まりとなった。
「はて、困りましたな・・・戻ればあいつが待ちかまえているだろうし・・・」
ガラハッドは注意深く周囲の壁を調べる。
「ん?・・・・この部分、ちょっと音が軽いようですな・・・思いっきり体当たりすれば崩れるでしょうか?」
金槌か木槌でもあれば、それで叩くのだが、あいにく持ってない。ガラハッドは体当たりで崩していくことにした。

−ドシン!ズシン!・・ガラガラガラ−
何度も何度も、激突音と壁が崩れる音が迷宮に響き渡っていた。
そう、次から次へとガラハッドの行く手には壁が立ちふさがっていたのである。
その都度、ガラハッドは突進する。

「な、なんですかな、これは?」
ようやく広い空洞へ出たガラハッドは、床一面に描かれた魔法陣にぎょっとする。
「つまり、向こうに見えている通路には、そう簡単には辿り着かせないってことですかな?」
そんなことを呟きながら、ガラハッドはすぐ手前にある魔法陣に足を乗せる。
−ブン!−
予想通り、それはただ床に描かれた模様でも絵でもなく、実際に作動する魔法陣だった。

「目、目が回ってきましたぞ・・・どの魔法陣をどう踏めば、すぐそこに見える横道に行けるのでしょうか?」
何十分それを繰り返しただろう。転移してまた次の魔法陣に乗る。床一面魔法陣の為、選択肢は常に4つ。用意周到に、入口で縦横いくつあるか数え、図まで描いて丹念にチェックし、同じ魔法陣は踏まないようにしてきたというのに、どうしても横道の前にある魔法陣の上には出られない。

「うーーん・・」
しばし座り込み、周囲を見渡しながら考え込むガラハッド。

「そうですよ!もしかしたら、真上にジャンプして同じ魔法陣に乗ると別の魔法陣に出るのかもしれません!」
遺跡での経験、つい今し方出た魔法陣にもう一度乗ると、そこに出る前乗った魔法陣でなく、全く別の魔法陣にでる。その経験を思いだし、ガラハッドはさっそく実行してみる。

「おっかしぃですねー・・・・これでもあの魔法陣には行けそうもないですねー・・・」
そして、やけっぱちになったガラハッドは、ともかくダンス感覚で魔法陣に乗りまくることにした。(おい!
すると、気付けば横道の前の魔法陣に出ているではないか!
「や、やりましたなー!」
目を輝かせ、成功を喜ぶガラハッド。
「し、しかし・・もう一度向こうから来る用事ができても、どう跳んだのかわからないですな。というより、どうやったら向こうへ帰れるんでしょうか?」
喜びの次に不安がガラハッドを覆う。
「まー、その時はその時、またダンスでもして遊びましょうか?」

そして、横道に入ったガラハッドは・・・
「ひぇ〜〜〜!!!!!破壊ビームの円柱モンスターがーーーー!!」
逃げ帰ろうと一旦は思ったガラハッド。しかし奥を調べもせずここでUターンしたのでは男が廃る!苦労して魔法陣と格闘?した甲斐がない。
・・・とは思ったものの、強烈な破壊光線をふせぐ手だてが全くない。少しでも影がみえれば、即照射してくるそれは、無敵艦隊(え?
「し、しかたないですね・・ここの探索は一旦戻り、対策方法ができたらということで・・・。」
結局、奥へ行こうとしたものの、諦めて、容赦なく照射される殺人光線の雨の中、命からがら戻ってきたらしい。

「もう贅沢はいいません。水中から次への出口を探します。一人でなんて行けるところじゃありませんよー。」

帰りも苦労すると思われた魔法陣。だが、帰りはいとも簡単に、出口前の魔法陣に出た。
「あはははは・・・つまり、ここから先は危険地帯。魔法陣の奥は入るなってことでしょうな。お帰りはこちら!って訳で・・・」
頭をぽりぽりかきつつ、ガラハッドは水中に出る魔法陣へととぼとぼ歩いていった。
通路の要所要所、その曲がり角でその先にキュリンダーがいないかどうか確認しながら。(笑


※以前ブランディッシュ4サイドストーリー用に描いてくださった箱さんの絵を挿入させていただきました。m(__)m



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