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【 エイドリアの呟き 】
(ポストゴーレム開発記)
〜Diablo Story No12〜



 「なんであたしがそんなことしなきゃならないのさ?」
街の外との連絡が一層困難になってきた昨今、ペピン司祭があたしに、冒険者たちが故郷との連絡ができるように、何かいいアイテムを作ってくれないか?とやってきた。
ふん!昔っからそうなんだけどさ、何かって言えば、あたしの力を頼って来てさ・・少しは自分でしてみようって気にはならないのかね、あの人は?
・・・でもって、あたしも、文句を言いながら引き受けちまったときたもんだ。や〜れ、やれ・・結局はお人好しだね、あたしも・・。
もっとも依頼人がペピンでなかったら引き受けやしないけどね。腐れ縁だよ、まったく・・・・・。
まー、面白そうだったからってこともあるんだけどさ。魔法の新境地ってとこかい?回復や防御、攻撃や攻撃補助でしかない魔法を、全くそういった物とは関係ない目的に利用するってんだからね。忙しいことは忙しいけど、ま、ちょいと暇をみて研究してみてもいいかなー?と。ほっほっほ!

さてと・・手紙の配達って言えば、、やはり形あるものになるのかい?う〜ん・・今現在の魔法で召喚できる可能性のあるものって言えば・・やはり、ゴーレムだろうねぇ・・。
・・・土の精霊だからいいかもしれないね。地面を進めばいいわけだ。要は、いかにして目的地へ行かせるか、言うことを聞かせるか、だね。
難しいね、こりゃ、結構・・・・。
ただ戦うだけの無能じゃ宛先に着きゃしないしねー。
でも、本来精霊ってのは、知能が高いはずなんだよ。召喚魔法『ゴーレム』のは・・・低級なのかねー。うーーん・・・他のゴーレムの召喚の研究から始めるべきだね。



数日後・・・・・


ほっほっほ!やはりこのエイドリアにできないことはないのさ!
え?そんならディアブロを倒せって?
バカお言いでないよ!そんなことしてしまったら、おまんまの食い上げだろ?この世ってのは、したたかに生きていかなきゃならないのさ。分かるかい?
生かさず、殺さず・・・まー、この場合、完全復活させず、殺さず、ってとこだね。ん?卑怯だって?いいじゃないか、冒険者たちも腕を競える所があってさ。お宝は山のようにあるしね。まー、一部の犠牲者は、気の毒とは思うけど。仕方ないよ、それも運命。ほっほっほっ!

で、本題に入るよ。

まず、ゴーレムをいろいろ召喚してみた。が、どれも手紙の配達などやってくれそうもない、と言おうか、知能が高けりゃ、人間の言うことなんて聞いてくれやしないよ。

そこで考えたのが『土人形』さ。土をこねるときその使命を言い聞かすようにしてこねる。そして、命を与えるんだ。
だけどこれだと結構不便なんだよね。割れてしまうこともあるし。
ということで研究の上に研究を重ねた結果、できたのが、スクロール!
このスクロールにはゴーレムの絵が書いてあるんだ。それを魔力で実体化させる前に、送り先の住所氏名を書いて、よーーく念じながら実体化させるのさ。そうするとどうだい?忠実なメールマンとして動き始めるのさ。

ペピンはさも嬉しそうにその魔法に『ポストゴーレム』なんて名前をつけたが・・・この見返りは・・どうしようかね?
やはりいつもの通り、神通力をもらおうとしようかね?
それも1週間くらいは、動けなくなるくらい。
それくらいもらっても罰は当たらないだろ?魔女であるこのあたしが、世間の為になることをやってるんだから・・・お陰でまた魔王から睨まれるのかねー・・・。
魔界からの魔力を吸収できなけりゃ、神力を吸収してこの若さを保つしかないんだよ。
あたしたち魔力との正反対である聖なる力は、攻撃されちゃやばいけどさ、糧としては、最高級なんだよ。それも魔女にとっては、若さの元!!
ペピンの言うことを聞くのはその為さ。
決してその昔惚れ合ってたとかそういうんじゃないよ。分かってるね?!
いいかい?そこんところ間違わないように。

だけど最初の実験の時は面白かったね。
何がって?それは・・
そのゴーレムが巨大化しちまったのさ。それも向こうに着いた途端ね。
もう、大騒ぎだったよ。巨人兵の襲撃だ!とかなんとかで。
あたしは、使い魔の目を通して見てたんだけど。みんな大騒ぎして右往左往。久しぶりにいい気分だったね。あたしもやはり魔界に属してるからなんだろうかねー?ほっほっほ!
ま、でも、そのうちじっと戸口に立ってるだけで何もしないそのゴーレムに、人々も落ち着きを取り戻してさ、その中の勇気のある者が調べたら、その手に手紙を持っていたってわけで・・・・実験してくれたその冒険者
は、返事でこっぴどく怒られちまったみたいさ。
まー、でも被害はなかったんだしね。勝手に大騒ぎしただけだし。そいつも笑いながら話してくれたけどさ。

というんで、大きさにも配慮して、そんなことのないように意識を集中してスクロールの作成さ。結構魔力はいるね。
たまにはディアブロの気を吸収してこなくちゃ、老けちゃうよ。
ほほほほほほほ!

だけど、ホント、平和だね、トリストラムは。
『瓦版』見てるかい?あんなことしてられるんだから平和と言えるよね?


この平和がいつまでも続くように・・・

決して、倒されるんじゃないよ、ディアブロ!でも復活もダメだからね!
・・・あんたは、一生、そこで飼い殺しさ!
だから、一生懸命守るんだよ、ラザルス!殺されてもあたしが何回でも復活させてあげるからさ!(本人は気づかずにいるけどね。)
せいぜい気張って護衛するんだよ!!

そう、世界は、あたしの若さの為に存在してるんだからね!
分かるかい?
おーっほっほっほっ!!



<<THE END>>

 

【DIABLO】